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橋台背面の裏込め土にEPSやFCB等の軽量盛土を使う場合の照査はどう行えばよいか? |
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橋台の設計では、ESP(発泡スチロール)、Abucs(セメント安定処理土)、FCB(気泡混合盛土)工法を想定した設計は、裏込め土の重量軽減や側圧、軽量盛土後方の背面土砂による土圧を考慮することにより行えます。
以下の方法にてモデルを指定してください。
1)軽量盛土形状の指定: |
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「形状」-「土砂・舗装」画面の「背面土砂」で「その他の盛土ブロック数」を1つ以上指定します。上部に表示された、「その他」ボタン押下で表示される画面で、軽量盛土形状を構成する座標を底版前趾先端位置と底版下面位置を原点として入力します。 |
2)軽量盛土部分の単位体積重量の指定: |
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「材料」画面で「形状」-「土砂・舗装」画面の「その他」で定義した名称が表示されますので、該当する軽量盛土の単位体積重量値を指定します。 |
3)側圧の指定: |
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軽量盛土から作用する側圧は「荷重」−「側圧」画面で指定します。実状に合わせて土圧係数、土圧強度を変更してください。なお、胸壁の設計時は、竪壁の設計に準じて側圧を考慮します。 |
4)土圧の指定: |
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軽量盛土後方の背面土砂による土圧は、「任意土圧」で指定します。「荷重」-「荷重の扱い」画面で「任意土圧の直接指定」を選択し、「任意土圧」ボタン押下で表示される画面にて、「常時」「地震時」に相当する土圧を指定し、「荷重」-「許容応力度荷重ケース」画面で、荷重を組み合わせます。胸壁設計時は、「荷重」-「胸壁設計」画面で選択してください。 |
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■土圧の考え方について:
軽量盛土後方の背面土砂による土圧を考慮する場合は、背面土砂部は土圧係数、軽量盛土部は積立勾配等で換算した土圧強度や別途求めた土圧係数を指定します。なお、「形状」−「土砂・舗装」画面において背面土圧を考慮するとした時は、傾斜角度と背面土砂の土質条件より土−土に作用する土圧係数を自動設定します。
■橋台に土圧が作用しない場合について:
軽量盛土が自立安定し、橋台には土圧が作用せず、地震時において橋台と裏込め土が一体として挙動しない場合は、竪壁は橋脚の柱として照査する必要があります。このような時は、「初期入力」画面において竪壁保耐を選択し、「部材」−「竪壁配筋」画面において鉄筋を入力し、竪壁の保有水平耐力法による照査を行います。
■側圧の考慮について:
各軽量盛土により、次のように側圧を考慮します。
1)ESP(発泡スチロール): |
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側圧の強度は深さ方向に一様分布し、作用位置は設置高さの1/2とします。 |
2)FCB(気泡混合盛土): |
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緩衝材の設置がある場合、固化後の側圧は無視するため、側圧を作用させません。緩衝材を設置しない場合、側圧の強度は深さ方向に比例して、作用位置は設置高さを台形とした場合の重心位置とします。 |
3)Abucs(セメント安定処理土): |
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竪壁設計時の側圧強度(施工時に働く土圧)は、深さ方向に一様分布し、作用位置は設置高さの1/2とします。なお、安定計算については、常時・地震時ともに考慮しません。 |
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▲メイン画面 |
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▲「土砂・舗装」画面 |
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UC-win/Road |
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UC-win/Roadで交差点を作成した場合、通常の道路断面と異なり、交差点内は、道路・歩道・法面の3種類に区分されます。また道路・歩道の高さは一定に表現されます。
このため、縁石やガードレールを断面で表現している場合、交差点内では表現することができませんので、一旦交差点の手前で縁石・ガードレールを無しとする必要があります。そこで、交差点内でそれらを表現する方法として、次のようなものが挙げられます。
1.モデルを配置
モデル配置の場合、その交差点に合うようなコーナー部のモデルを作成し、配置を行います。交差点内のためそれほど影響はないはずですが、場合により縦断勾配を考慮する必要があります。また、90度に交差しているような交差点であれば、1つのモデルで4か所とも設置できる可能性があります。ポリゴンの増加を抑えるため、ガードレールのモデルであれば、板状のモデルにガードレールのTextureを貼り付けたタイプをお勧めします。
2.別の道路線形で表現
道路線形とした場合、交差点の各コーナーに沿って線形を定義します。道路そのものはダミーの線形となります。縦断では切り盛りが発生しないようにすべて橋梁区間として設定を行い、歩道に沿うようにして設置します。断面は、縁石やガードレール部分のみを表現することとなり、車道部分は、例えば1cmの透明部分として設定を行います。モデルの場合、コーナー部はポリゴンが多くなりがちなため、ポリゴンの増加を抑えたい場合や、設置する形状が複雑でモデルでは対処しにくい場合などにこの方法は効果的です。縦断が厳しい場合なども線形での設定が有利です。交差点で構造物必要になった場合には、是非上記の方法もお試しください。
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▲道路断面編集画面 |
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▲交差点構造物 |
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UC-win/FRAME(3D |
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UC-win/FRAME(3D)でモデルに加速度を作用させるには以下の4つの方法があります。
1.加速度を任意入力する
2.加速度ファイルをインポートする
3.K/KiK-NET加速度波形をインポートする
4.JMA加速度波形をインポートする
加速度ファイル(*.acc)はテキスト形式で提供される地震波形データをUC-win/FRAME(3D)が読み込めるように修正したものです。UC-win/FRAME(3D)ではサンプルデータとして、道路橋示方書に記載されている加速度波形(日本道路協会より提供)を用意しています。
強震ネットワーク(K-NET)は全国の強震記録をインターネットで発信するシステムです。ここより取得した地震波データをインポートできます。詳細は下記ホームページをご覧ください。(http://www.k-net.bosai.go.jp/k-net/)
JMA地震波データは気象庁が提供しているデジタル波形データです。
たとえば、下記ホームページからダウンロードできます。
http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/kyoshin/jishin/080614_iwate-miyagi/index.html
去る6月14日、岩手・宮城内陸地震が発生し、その強震記録も上記K-NETにアップされています。アクセスしダウンロードできます。観測点IWTH25(一関西)では水平動合成1434galに対して上下動3866galを記録し、大きな上下地震動がどのような被害に結びつくのか、今後の研究・検討が待たれるところです。UC-win/FRAME(3D)では水平2成分、鉛直成分の合計3方向加震が可能です。図はIWTH25(一関西)で観測された加速度波形のインポート状況と、サンプル橋脚に対してこの加速度を入力し解析した結果です。ファイバー要素を用いることで上下方向の加速度による軸力変動および水平2成分による二軸曲げを適切に考慮することができます。ぜひ、ご活用ください。
最後に、今回の地震で被害に遭われた方へお見舞いを申し上げるとともに、被災地の一日も早い復興を祈っています。
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▲図1.IWTH25(一関西)の加速度波形 |
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▲図2.ファイバー要素を用いた解析結果 |
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