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●はじめに
- フォーラムエイトでは、2010年中に交通流をサポートしたバージョンをリリースする予定でVR-Studioの開発を進めていますが、それに先がけていくつかの部分でバージョンアップを行います。今回は、データの編集機能を中心に以下のような対応を行いました。
●交差点の編集
- 交差点編集のユーザインターフェースが大きく改良され、より使いやすくなりました。具体的には、アウトラインツリーとテーブルの編集が加わり、交差点生成に関して以下の改訂が加えられました。
- 平面ビューと同様、交差点を縦断線形の編集で生成可能になりました。
- 交差点が選択的に生成されるようになったため、すべての可能な交差点位置で交差点を作成する必要がなくなりました。
- 道路が交差する選択した位置で、再度交差点が作成されないよう、候補となる交差点を無視できるようになりました。
- 交差点の車道端部に沿って、排水路を追加可能になりました。
- 交差点作成処理の一部として脚長が編集可能となりました。
- 交差点端部に沿って切り土と盛り土のパラメータが編集可能となりました。
- 交差点上への樹木とモデルの配置、道路付属物の交差点への追加が可能となりました。
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▲交差点に追加された排水路と付属物 |
●地形等高線の追加
- 地形領域ポイントの編集で破断線(等高線)を追加できるようになりました。破断線は、サーフェス形状を制御する最終的なサーフェス三角網に残ります。破断線を使用しない場合は、点群から自動的に三角形分割が行われて地形が生成されます。なお、自動生成のため三角形の辺は指定できません。また、破断線を設定するとその線が必ず三角形の辺として残ります。
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▲等高線の設定 |
●群集配置・エリアの塗りつぶし
- 領域をオブジェクトで満たすことが可能となりました。この機能により、たとえば樹木による森の生成などができます。これは、各オブジェクトのランダムな間隔と、線形からのランダムオフセットの道路付属物を使用することで行えます。付属物は、3D飛行ルートを含むすべての道に沿って配置することが可能です。
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▲飛行ルートに沿った森の生成 |
●テーブル編集機能の拡張
- 道路の平面方向変化点テーブルの編集が拡張され、緩和曲線半径起点と終点のパラメータ、円の半径、円の円弧長や起点側および終点側緩和曲線のタイプと長さを含むようになりました。他のすべてのテーブルの編集と同様、パラメータをMicrosoft
Excelのスプレッドシートに貼り付けられるようになりました。
●モデルの配置機能
- 一般的な操作性の改善も含め、以下のような対応を行いました。
- 「地面に配置」で、オプションが目印、樹木とモデルの編集に追加され、地形編集またはリアリティの変更で地形を変更する際に、それらが地面の上に留まるように設定可能となりました。
- 樹木とモデルのコピーと貼り付けが可能となり、選択してCtrl+CとCtrl+Vのショートカットキーを使うことで一定の距離のオフセットで新たなコピーが作成できるようになりました。
●その他の機能
- 新規道路タイプの追加
「道路タイプ」に「その他のパス」が含まれるようになりました。これにより、壁、生垣、フェンスなどの作成が効率的に行えます。「ツール」メニューの「プロジェクトオプション」を使って、この機能のデフォルトを設定することが可能です。
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▲線形に沿った壁の設定 |
道路タイプの描画色
平面ビューで異なるタイプの道路を区別しやすくするため、異なる色で描画されるようになりました。たとえば、デフォルトでは道路は黒で、線路は紫で描かれます。デフォルトの色は「VR-Studio
オプション」の「カラー設定ウィンドウ」で変更することが可能です。
3Dマウスの機能の改善
3Dビュー、平面ビュー、CADビュー、衛星ビュー、新規プロジェクトウィザードと交差点の編集で3Dマウスが自動的に有効となるようになりました。
クイックフィルタキャンセル
選択が適用されている場合、クイック検索フィールドをクリックすると、フィルタをキャンセルできるようになりました。
個々の衛星画像グリッドの表示
衛星画像の編集で制御可能になりました
●UC-win/Roadデータ変換
- 弊社で以前より開発してきたVRソフトウェアUC-win/Roadにおける機能の制約を補う、新たなソフトウェアを開発するという構想からVR-Studioが生まれました。UC-win/Roadの構成とは大きく異なるため、UC-win/Roadのデータファイルの読み込みはできませんが、データ変換を可能にするプラグインを開発中です。
このプラグインは、両方のアプリケーションを立ち上げ、UC-win/Roadで開いているデータを直接メモリ上でVR-Studioに転送する機能が主となります。データ構造が大きく変わる場合はUC-win/Roadの情報を変換して送る必要があります。UC-win/Roadからエクスポートする際、変換が必要なものとそのまま転送できるものについては、表1を参照してください。
オブジェクトの種類 |
変換の有無 |
テクスチャ |
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3Dモデル |
- |
地形/地形パッチ |
変換あり |
道路断面パーツ |
変換あり |
道路断面 |
変換あり |
道路平面線形/縦断線形 |
- |
ランプ |
変換あり |
2D樹木 |
- |
道路モデル |
- |
道路樹木 |
- |
航空写真 |
変換あり |
標識 |
- |
カメラ位置 |
- |
景観 |
- |
- 道路断面の変換処理について
VR-Studioでは道路の横断面は複数のパーツで構成されていますが、UC-win/Roadでは分割されていません。UC-win/RoadからVR-Studioにデータを送る前に横断面を適切に分割し、パーツおよび横断面全体の設定を転送します。横断面の分割方法は次の図1の通りです。分割後に同形状のパーツが生成されることがあるので、VR-Studio側で共通化するように形状を比較し、出力するパーツの数を最低限にします。
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▲図1 横断面の分割方法 |
- ランプの処理
VR-Studio側で2種類のランプ接続に対応します。Slipランプでランプの前方に車線の数が増え、増えた分が本線から分岐します。Splitランプで本線の車線数が2つ以上の場合は、道路が2本に分岐するタイプです。
UC-win/Roadでは基本的にSplitランプのみに対応します。Slipランプを作成する場合は横断面の変化およびTransitionを設定することで対応しています。VR-Studioにデータを送る際にSplitランプとして設定を行い、UC-win/Roadと同様の形状を設定します。VR-Studioでランプ接続を行う際は、ランプの平面線形が自動的に補正されます。そのためUC-win/Roadで設定した線形と異なる線形になる場合があります。
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▲ランプの変換 |
●開発中の機能
- 交通シミュレーション
次バージョンでは道路上の交通シミュレーションが可能となるよう開発を進めています。断面交通量、交通制御、標識、信号機の設定、平面交差での右折・左折・直進の比率などの設定により、さらに多様なシミュレーションが行えるようになります。
マイクロシミュレーションとOpenMicroSimへの対応
VR-Studioでは交通のマイクロシミュレーションを行います。各車両において、実際の車両運動モデルと実際の道路形状に応じた運転行動パターンを持ち、ネットワークと車両の物理的な制約を考慮できる交通シミュレーションが可能になります。内部ではレーンキーピング、加速とブレーキアルゴリズムにより、車両運動モデルにステアリングとペダル操作を適用した結果として、最終的な交通流の動きを表現します。また、VR-Studioによる交通シミュレーションの結果をOpenMicroSim(http://www.openmicrosim.org)ファイル形式に出力する機能を搭載します。
スクリプトとシミュレーション
VR空間の操作とプレゼンテーション機能を強化します。視点操作やマルチリアリティの切り替え、走行と飛行のシミュレーション操作をより簡単に行えるようにし、プレゼンテーション向けの新たなユーザインタフェースを開発する予定です。また、あらかじめ設定したVR環境の制御操作を再生できるように、プレゼンテーションの支援ツールとしてスクリプト機能を開発します。
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関連セミナー |
VR-Studio(R)体験セミナー
●日時 : 2010年 9月 22日(水) 13:30〜17:00 ●参加費 : 無料
●本会場 : フォーラムエイト東京本社 GTタワーセミナールーム |
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■VR-Studio(R) Ver.1.02 リリース予定日:2010年8月 |
(Up&Coming '10 秋の号掲載) |
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