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●はじめに
- 「ラーメン橋脚の設計計算
Ver.8」では、主に次のような対応を行います。
- UC-win/FRAME(3D)へのエクスポート
- 負の周面摩擦力(ネガティブフリクション)照査
- 計算書一覧
以下に、これらの拡張機能の概要を紹介いたします。
●UC-win/FRAME(3D)へのエクスポート
- 以前(旧版Ver.7を含む)のバージョンでは、震度算出(支承設計)を介した連動でも、震度算出(支承設計)側からエクスポートされるモデルは、ラーメン橋脚を一本棒に換算した数値断面によるモデル化でしか連動できず、動的解析まで行う事ができない状態でした。今回の改訂では、UC-win/FRAME(3D)側の動的解析に必要とされるアウトラインや断面等の諸情報を含めてラーメン形状のままエクスポートします。本来、軸力変動の大きいラーメン橋脚の動的解析で推奨される「Fibre」をサポートするほか、「はり(M−φ)+柱(Fibre)」、「M−θ」など各モデル化のエクスポートにも対応します(表1)。これにより、本プログラムで作成済みのデータを有効利用し、動的解析のモデル作成に費やす手間を大幅に短縮し、動的解析の挙動をUC-win/FRAME(3D)側で検証する事が可能になります。また、震度算出(支承設計)と連動する事により橋梁全体の動的解析用モデルのエクスポートも行う事が可能です。
モデル選択 |
モデル化内容 (※はり(=はり支間)) |
軸力変動 |
「Fibre」 |
はり、柱をファイバーでモデル化 |
完全対応 |
「はり(M-φ)+柱(Fibre)」 |
はりをM-φ、柱をファイバーでモデル化 |
一部無視 |
「M-θ」 |
塑性ヒンジ箇所をM-θでモデル化 |
完全無視 |
▲表1 各モデル化内容
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▲UC-win/FRAME(3D)の
エクスポート例 |
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▲ファイバーによるモデル化 |
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▲断面情報(柱) |
ラーメン橋脚では、はり支間(ハンチ左右)や柱(上下端)において塑性ヒンジが発生する事が予想されます。その塑性ヒンジ候補箇所の塑性ヒンジ長(Lp)やLp区間以外の部材は、部材分割数により等ピッチで分割、はり柱の結合部やフーチング部材は剛体要素、基礎はフーチング中心位置に集約したバネでモデル化します。なお、初期版では新設や既設時のエクスポートを行います。
●負の周面摩擦力(ネガティブフリクション)照査
- 圧密沈下が生じるおそれのある地盤に打設される杭では、杭周面に下向きに作用する負の周面摩擦力の影響を考慮する必要があります。この場合、杭に過大な沈下が生じることがないよう負の周面摩擦力を考慮した下記の鉛直支持力,杭体応力度の検討を行います。
(1)鉛直支持力の検討
Ra'= ( Ru'−Ws' ) /1.5 + Ws' − ( Rnf + W ) ≧ Ro
(2)杭体応力度の検討
【杭便覧H19以外の場合】
1.2×(Po+Rnf+W')≦σy×Ap
【杭便覧H19かつコンクリート杭の場合】
1.2×(Po+Rnf+W')≦σcy×Ac+σsy×As
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▲負の周面摩擦力と中立点 |
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▲負の周面摩擦力照査の計算書 |
●計算書一覧
- はり,柱,フーチング,基礎を含めた全体結果を各項目毎に、一覧形式の計算書で出力を行いますので、全体結果をコンパクトにまとめる際の手間を軽減します。
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▲計算書一覧(はり−許容曲げ) |
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▲計算書一覧(保耐法照査(面外方向) |
●最後に
- 「RC下部工の設計計算」も同時改訂版リリースを予定しています。今後も、ユーザ様からのご意見、ご要望を取り入れ改善・改良を加えて参ります。どうぞご期待ください。
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■ラーメン橋脚の設計計算 Ver.8 リリース予定日:2010年 9月 |
(Up&Coming '10 秋の号掲載) |
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