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New Products
地盤改良の設計計算 New
深層混合処理工法を用いた改良地盤の設計計算プログラム

最新版製品価格 ●リリース 2011年 3月
建築・プラント

 はじめに
本製品は、「改訂版 建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針(日本建築センター)」に準じ、深層混合処理工法による改良地盤の設計をサポートするプログラムです。初版では、「改良地盤の鉛直支持力の検討」、「改良地盤の水平支持力の検討」、「偏土圧による改良地盤の滑動、抜出し、地盤反力の検討」について対応を予定しており、軟弱地盤上に設置される建築物や擁壁などの構造物に対して設計計算を行うことが可能です。以下に、本製品が対応予定の機能および計算概要をご紹介いたします。

 適用基準および参考文献
本製品の適用基準と参考文献は、「改訂版 建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針(日本建築センター)」、「建築基礎のための改良地盤設計指針案(日本建築学会)」になります。

 機能概要
地盤改良工法 セメント系固化材を用いた深層混合処理工法
改良体の形式 杭形式、壁形式、ブロック形式
改良地盤の鉛直支持力検討 改良地盤の鉛直支持力度
改良体の鉛直応力度
改良地盤の水平支持力検討 常時および中地震動時の水平支持力
大地震動時の水平支持力
偏土圧作用時の検討 改良地盤の滑動
改良地盤の抜出し
改良地盤の地盤反力


1. セメント系固化材を用いた深層混合処理工法
深層混合処理工法は、一般的にセメントやセメント固化材を用いて、原地盤を混合・攪拌し、軟弱地盤や盛土地盤における直接基礎の鉛直支持力や水平抵抗力の増加などを見込むことができます。また、必要に応じて構適造物の下部地盤を全面的に改良することで、大規模な建築物であっても直接基礎として設計することが可能とされています(図1)。

▲図1 構造物の下部地盤を改良し、直接基礎として設計

2.改良体の形式
改良体の形式は、図2 のタイプをサポートします。杭形式については、1本ずつ改良体を配置する杭配置と改良体間が接している接円配置、壁形式については、加力方向にラップする場合と加力直角方向にラップする場合に対応しています。また、加力方向と加力直角方向ともにラップするブロック形式についてもサポートしています。なお、何れの形式についても、基礎スラブを中心とした完全対称配置とします。
 杭形式  壁形式 ブロック形式
▲図2

3.改良地盤の鉛直支持力検討
「改訂版 建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針(日本建築センター)」(以下、管理指針)では、改良地盤の鉛直支持力の検討として、以下の項目が規定されています。なお、鉛直支持力の検討は、常時・中地震動時・大地震動時すべての荷重ケースについて行います。

  1. 改良地盤の許容鉛直支持力度を求め、基礎スラブ底面に作用する鉛直荷重によって、構造物に有害な変形が生じないことを確認する。
  2. 改良体の圧縮応力度が、改良体の許容圧縮応力度以下であることを確認する。
    また、改良地盤の許容鉛直支持力度については、図3、4のように「複合地盤としての鉛直支持力機構」より求めたqa1と「改良体が独立して支持するとした場合の鉛直支持力機構」より求めたqa2の小さい方を改良地盤の許容鉛直支持力度qaとします。

▲図3 複合地盤として支持 ▲図4 改良体が独立して支持


4.改良地盤の水平支持力検討
管理指針では、改良地盤の水平支持力の検討として、以下の項目が規定されています。基本的に偏土圧の影響や地震時の慣性力などを考慮した改良地盤の安定計算や改良体の応力度照査などを行います。

  1. 常時および中地震動時については、偏土圧や中地震動時の構造物の慣性力によって、改良地盤が構造物に有害な変形を与えないことを確認する。
  2. 大地震動時における構造物の慣性力などによって、改良体の破壊や転倒などがおきないことを確認する。

【常時、中地震動時】
偏土圧や中地震動時の慣性力などの水平荷重が作用する場合、改良体に生じる応力度が許容圧縮応力度と許容引張応力度および許容せん断応力度以下であることを確認します。なお、改良体の曲げ応力度の算定に用いるモーメントと変位の算定については、単層地盤として計算する「chang式」または多層地盤として「弾性床上の有限長ばりとしての計算」から選択することができます。 常時、中地震動時の水平荷重に対する改良地盤の要求性能は、変形に関する規定ですが、経験上は改良体に生じる応力度が現行の許容応力度以下であれば構造物に有害な変形をほとんど生じていないことから、許容応力度の検討を行なって変形の照査に変えてもよいとされています(管理指針P. 66)。
  常時 中地震動時
許容圧縮応力度fc (1/3)Fc (2/3)Fc
許容引張応力度ft 0 (引張応力を生じてはならない) (-0.2)fc または (-2/3)qutmaxのうち絶対値が小さい方
Fc:設計基準強度、qutmax = 300kN /m2
▲許容圧縮応力度と許容引張応力度

【大地震動時】
大地震動時においては、改良体頭部に作用する鉛直荷重および水平力により改良体が転倒しないことを確認します。また、せん断応力度が設計基準強度Fc で規定される改良体のせん断強度を超えないことを確認します。また、仮想底面が改良地盤底面と一致するとき、改良地盤底面におけるスベリ(滑動)の検討を行ないます。
以下に安定検討のフローを示します。


5.偏土圧作用時の検討
構造物や改良地盤が偏土圧を受ける場合には、改良地盤の鉛直支持力の検討および水平支持力の検討に追加して、以下の項目を検討します。

  1. 改良地盤底面での滑動
  2. 改良体原地盤の抜出し
  3. 改良地盤底面における地盤反力(端し圧)

設計時の荷重としては、基礎スラブ底面における作用力(鉛直力、水平力、モーメント)、改良地盤の重量・慣性力、改良地盤に作用する土圧・水圧、周面摩擦力などを考慮することができます。

▲図5 改良体の転倒などの安定検討フロー

 その他の機能
本製品では、従来のUC-1シリーズで好評をいただいている多彩な出力、編集機能を備えたF8編集ツールや3D表示機能(改良体、地盤)なども対応を予定しています。また、地層や改良体の配置、基礎スラブについては、複数の設定を登録することが可能となっており、スラブ毎に設計荷重や改良条件が異なるデータをまとめて計算、出力が可能となっています。

 
▲図6 開発中画面(メイン画面、基準値) ▲図7 開発中画面(計算書)
(Up&Coming '11 新年号掲載)
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