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はじめに
UC-win/Road
Ver5.0 は Autodesk 社の FBX SDK を利用し、FBX ファイル形式に対応しています。FBX
ファイル形式は業界で広く使われているモデルフォーマットです。UC-win/Road は
FBXファイルの正確なインポートに対応し、インポートした FBX モデルを UC-win/Road の FBX
シーン編集画面で、ビジュアル表現の追加や調整などを行うこともできます。 三次元業界では FBX 形式をサポートするアプリケーションがだんだん増加してきました。FBX を仲介形式として、UC-win/Roadは Google SketchUp、VISSIM などと連携することが可能です。
FBX ファイルを UC-win/Road にインポート
UC-win/Road Ver5.0 は、FBX ファイルのアニメーション情報以外の主な項目にほとんど対応しています。
内容 | 対応状況 |
位置関係 |
移動、回転、スケール完全対応 |
マテリアル |
Ambient、Diffuse、Emissive、Specular、Shininess 完全対応 |
テクスチャ |
通常のテクスチャは完全対応。 *マルチテクスチャ:DiffuseとEmissiveチャネルのテクスチャ対応。 |
透明 |
完全対応 |
アニメーション | 開発中 |
インポートされた FBX データは、UC-win/Road では FBX シーンと呼び、FBX シーン編集画面で編集します。FBX
シーン編集画面では、FBX の位置関係、構造などを調整できます。マテリアルやテクスチャなどの調整は、FBX ノード編集画面で行います。
FBX モデルの編集 (1)構造調整
FBX ファイルからインポートした結果の一部だけを利用したり、不要な部分を削除したい場合、構造ページからノードツリーを調整することが可能です。 図 1-1、1-2 では、FBX ファイルからインポートしたシーンに、ドラゴンの他にグラウンド、木などの環境が含まれています。ドラゴンのみ利用したい場合は、他のノードを削除するか非表示に設定することにより、簡単な操作で速やかに調整することができます。 (2)位置関係調整 各アプリケーションで指定されている単位と三次元軸の定義に差が存在するわけ、インポートした FBX シーンの拡大・縮小、回転、位置などをオフセットページで編集することができます。 ※ UC-win/Road の三次元空間では、距離単位はメートルを使い、X 軸は東西方向、Z 軸は南北方向、Y 軸は垂直方向を示します。
スケーリング | 0.001から1000 までの設定によって、同時に XYZ のスケーリングを調整する機能 |
係数 |
回転 |
モデルのローカル軸を表示し、グローバル軸と参照する機能 |
ローカル軸の表示 |
位置 |
モデルを画面の中心に自動的に配置する機能 |
自動調整 |
| | ■図 1-1 ※上記サンプルは 3ds MAX のサンプルモデルを改変したものです。 | ■図 1-2
※図 1-1、1-2、2-1 ~ 2-3 に使用した FBX ファイルは Autodesk 3ds MAX 2009 のサンプルからエクスポートしました。 |
| | | ■図 2-1 昼環境 ・壁:昼間のテクスチャ ・フロアー:ウッドテクスチャ ・円柱:木材テクスチャ | ■図 2- 2 夜環境 ・壁:昼間のテクスチャ ・フロアー:ウッドテクスチャ ・円柱:木材テクスチャ | ■図 2- 3 夜環境 + その他の光源(※) ・壁:壁色とライトのコンバイン結果 ・フロアー:コンクリートとウッドのコンバイン結果 ・円柱:木材と炎テクスチャのコンバイン結果 |
(3)FBX ノード編集ツール ノード編集画面で FBX のマテリアルの属性を編集します。
マテリアルチャネル | 色 | テクスチャ |
Diffuse |
○ | ○ |
Emissive |
○ | ○ |
Ambient |
○ | × |
Specular |
○ | × |
マテリアル他属性 | 範囲 |
不透明度 |
0% ~100% |
輝度 |
0 ~128 |
テクスチャ属性 | サポート |
ファイル形式 |
GIF、PNG、JPG、JPEG、BMP、TAG |
U&V マッピング方法 |
REPEAT/CLAMP |
U&V 位置調整 |
スケール、回転、オフセット |
| ■図 3-1 昼の表現 | | ■図 3-2 Emissive 色調整によるライト効果
窓ガラスのマテリアルにおける Emissive 色の設定により、夜環境でライト効果を表現可能 |
UC-win/Road で FBX モデルの再活用 (1)マルチテクスチャ Diffuse チャンネルと Emissive チャンネルのテクスチャの設定によって、マルチテクスチャの効果を実現できます。 昼間の表現には Diffuse テクスチャの色を強めにし、Emissiveテクスチャの色を弱めにして、二重のテクスチャをコンバインしてからレンダリングします(図 2-1)。 夜(太陽光源がない場合)は Emissive テクスチャをベースとしてレンダリングしますが、スポットライトがある場合は Diffuse テクスチャとコンバインして表現します。
(2)ライト効果
これまで UC-win/Road では、夜テクスチャの設定によって、夜景色を表現してきましたが、これから FBX のマテリアルの一属性-
emissive チャネルの調整をすれば、自然的なライト効果を実現できます。emissive
色は光源の反射色ではなく、自身が発する光の色なので、その色を設定すればマルチテクスチャ設定を行うことなく、簡単に夜環境でのライト効果を表現するこ
とができます(図 3-1、3-2)。
(3)LOD FBX シーンを描画する時、UC-win/Road の全体パフォーマンスを守るために、FBX の LOD を設定できます。特に、FBX シーンに透明ポリゴンが沢山含まれた場合、必要な機能の一つとして使われます。
Level | Detail |
1(ユーザ設定可) |
ポリゴン、マテリアル、テクスチャ、透明 |
2(自動) |
ポリゴン、マテリアル、テクスチャ |
3(自動) | ポリゴン、マテリアル |
Level
2 と Level 3 は UC-win/Road により自動的に描画されます。Level 1を描画するか否かは、ユーザが FBX
シーン編集画面のオプションページのパフォーマンスで、透過を無視する距離係数を設定することで調整できます。判定方法は、以下の通りです。
R :FBX シーンの最大半径 DIST:OpenGL 現視点から FBX シーン中心点までの距離 α :係数 DIST > R ×αの場合、Level1の描画を省略します。 |
| ■図 4-1 LOD 効果図 赤丸内:透明部分の描画を行わない 画像下緑部分:透明部分の描画を行う |
他社ツールとの連携 (1)Autodesk 3ds Max から FBX のエクスポート
3ds Max から FBX ファイルを UC-win/Road 用にエクスポートする際の推奨設定は、以下の通りです。
設定項目 | 推奨設定 |
Units |
inches を meter に変更 |
Axis Conversion |
Up Axis を Y-up に設定 |
FBX File Format | Version は FBX 2010 以降 |
(2)Google SketchUp
Google SketchUp Proでは、作成したモデルを FBX ファイルにエクスポートすることが可能です。エクスポートした FBX モデルを
UC-win/Road に導入して VR 空間で表現することができます(図 6-1、6-2)。
| ■図 5 3ds Max FBX エクスポート設定画面 |
(3)VISSIM
VISSIM は道路ネットワークのデータを Autodesk 3ds Max にエクスポートすることが可能です。
3ds Max で VISSIM の道路ネットワークを FBX ファイルに変換することで、UC-win/Road と連携することができます(図
7-1、7-2)。
まとめ
UC-win/Road 5 は FBX のモデル位置を正確にインポートすることが可能で、マテリアルとテクスチャの再現にも優れています。しかも、UC-win/Road
の三次元表現に適応したオプションを追加しました。業界で FBX 対応のアプリケーションが急増している今日、UC-win/Road も FBX
ファイルの対応を改善していきます。
次回のリリースでは、FBX アニメーションへの対応を予定しています。
FBX ファイルフォーマットとは
3D データを異なるアプリケーション間でスムーズに受け渡しができるように設計されたフォーマット。モントリオールの Kaydara 社(1993
年設立 )の“Filmbox”ソフトウェアのための交換ファイル形式が元になっており、オブジェクトベースのモデルで、2D・3D のオーディオ、ビデオ・データの動作の保存を考慮されています。FBX
ファイルからはノードの構造、3D メッシュデータ、マテリアル野読み取りが可能です。
| | ■図 7-1 VISSIM の道路データ | ■図 7-2 UC-win/Road における表示結果 |
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SUPPORT TOPICS |
サポートトピックス/ UC-1 シリーズ |
保守・サポートサービス
関連情報 |
UC-1 Series |
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ラーメン橋脚専用タイプと従来タイプとのモデル化の相違は? |
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本プログラム(ラーメン橋脚専用タイプ)と従来タイプとでは、以下の 6 点のモデル化の相違があります。このため、結果に相違が生じる場合があります。
(1)はりハンチ部の断面データの相違 |
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ラーメン橋脚専用版 |
従来版 |
はりハンチ部の断面(部材ごとの平均) |
はりハンチ部の断面(ハンチ全体の平均によるモデル化) |
i端側 |
断面積 |
A(m2) |
4.800000 |
断面二次
モーメント |
直角方向 |
Iz(m4) |
1.600000 |
橋軸方向 |
Ix(m4) |
2.304000 |
ねじり定数 |
J(m4) |
3.175031 |
j端側 |
断面積 |
A(m2) |
4.064000 |
断面二次
モーメント |
直角方向 |
Iz(m4) |
0.971085 |
橋軸方向 |
Ix(m4) |
1.950720 |
ねじり定数 |
J(m4) |
2.193407 |
i端側 |
断面積 |
A(m2) |
4.064000 |
断面二次
モーメント |
直角方向 |
Iz(m4) |
0.971085 |
橋軸方向 |
Ix(m4) |
1.950720 |
ねじり定数 |
J(m4) |
2.193407 |
j端側 |
断面積 |
A(m2) |
3.600000 |
断面二次
モーメント |
直角方向 |
Iz(m4) |
0.675000 |
橋軸方向 |
Ix(m4) |
1.728000 |
ねじり定数 |
J(m4) |
1.650393 |
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格点 |
Area |
Iz |
Iy |
J |
i 端 |
4.200 |
1.137 |
2.016 |
2.413 |
j 端 |
4.200 |
1.137 |
2.016 |
2.413 |
格点 |
Area |
Iz |
Iy |
J |
i 端 |
4.200 |
1.137 |
2.016 |
2.413 |
j 端 |
4.200 |
1.137 |
2.016 |
2.413 |
A =(4.8+3.6)/2 = 4.2
Iz =(1.6+0.675)= 1.1375
Iy =(2.034+1.728)= 2.016
J =(3.175031+1.650393)= 2.4127 |
| (2)側面鉄筋の取扱いの相違 |
ラーメン橋脚専用版 |
従来版 |
・側面鉄筋のモデル化(段ごと) | ・側面鉄筋のモデル化(帯状) |
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※断面計算では、鉄筋段数は最大 500 段 に制限されています。 ※円形断面の鉄筋配置も段ごとにモデル化 されます。鉄筋本数を奇数としている場 合は、照査方向に応じて、断面特性を非 対称と判断します。 | |
| (3)許容応力度法照査用面外モデルの支点位置 |
ラーメン橋脚専用版 |
従来版 |
・許容応力度法照査用面外モデルの支点位置(柱基部)面外方向の骨組解析にフーチング剛度の影響が発生しないように、支点を柱基部としました。 | ・許容応力度法照査用面外モデルの支点位置(フーチング中心下端) |
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| (4)はりに勾配を持つモデルの剛域長算出 |
ラーメン橋脚専用版 |
従来版 |
・はりに勾配を持つモデルの剛域長算出(勾配を考慮する) 道示Ⅳ 8.3.2 から、部材の軸線が 25 度以上傾斜するハンチを有する場合は、部材厚さが 1.5倍となる断面より内部を剛域とします。 この時、1.5 倍となる断面厚さの算出にはりの勾配分を考慮しています。 | ・はりに勾配を持つモデルの剛域長算出(勾配を考慮しない)勾配分の断面高さが考慮されません。 | | |
| (5)直接基礎の偏心方向(基礎底面地盤の許容鉛直支持力における有効載荷面積の算出方法)の取扱いの相違 |
ラーメン橋脚専用版 |
従来版 |
・直接基礎の偏心方向(1方向偏心) | ・直接基礎の偏心方向(2方向偏心) |
| (6)杭基礎の設計方法の相違 |
ラーメン橋脚専用版 |
従来版 |
・直接基礎の偏心方向(1方向偏心) | ・直接基礎の偏心方向(2方向偏心) |
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Q. 平板要素に対する面分布荷重の載荷方法は?
A. Engineer's StudioTM Ver.1.04.00 より、平板要素に対する面分布荷重に対応しています。今回は、その具体的な操作方法を解説します。 図1のような1枚の平板要素に対して、台形分布荷重を載荷します。
| 図1 |
ツリーの「荷重の定義」から「荷重値」をダブルクリックします。その後、平板面荷重の「全体分布」を選択します(図 2)。
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■図 2 |
| ■図 3 | | ■図 4 |
「荷重」には任意の荷重ケースを選択し、対象は荷重を載荷する平板要素の要素名称を入力します。v1と v2 は荷重値を入力しますが、平板要素に対してどの位置に v1、v2 が作用するのかは、この右側に表示される「分布の向き」で定義されます(図 3)。
「荷重の向き」は荷重ベクトルの方向を表しています。今回、鉛直下向きの荷重を考えていますので、y に -1を入力します。「分布の向き」は上記
v1と v2 の位置を定義するものです。今回は「タイプ」に「全体分布」を選択しています。また全体座標系 -X 側をv1、+X 側を v2
としたいので、ベクトル x に1を入力します(図 4)。 以上のように入力すると、図 5 のような台形分布荷重を設定できます。 応用として、「分布の向き」のベクトルで x に1、z に1を入力すると図 6 のように頂点で v1、v2 となる荷重となります。さらに設定によっては、図 7のような荷重を作成することも可能です。 Ver.1.06.00 では左右のオフセットにも対応し、より複雑な荷重を入力できるようになります。ぜひご活用ください。
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