「柔構造樋門の設計」は、2006年10月の初版リリース後、本体横方向計算、門柱レベル2地震時検討、斜層地盤、本体縦方向レベル2地震時検討(オプション)対応などの改訂を重ねてきましたが、今回、Ver.5として、下記の対応を予定しています。
(1)本体縦方向と翼壁の一体化設計への対応
(2)本体縦方向2連函体の隔壁厚変化への対応(函体端部寸法拡張)
(3)本体縦方向レベル2地震時主鉄筋編集機能追加
(4)門柱の上屋荷重入力追加
(5)門柱横方向における主鉄筋入力の拡張
(6)門柱レベル2地震時主鉄筋編集機能追加
以下に、これらの追加・拡張機能の概要を紹介します。
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本体縦方向の常時、レベル1地震時の計算では、函体を対象とし、左右端部に指定された境界条件を設定したFRAMEモデルを作成、解析していますが、これに左右翼壁の部材を追加したモデルを作成し、函体設置範囲と同様に相対変位量の照査を行います(図1)。この場合、函体と翼壁との接合部には二重格点を設け、指定された結合条件に応じたモデル化を行います。 結果確認画面で、川表翼壁、川裏翼壁、函体各スパンごとに詳細に相対変位量を確認することができます(図2)。
▲図1 基本条件入力画面 |
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▲図2 相対変位量計算結果確認画面 |
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本体縦方向2連函体の隔壁厚変化への対応(函体端部寸法拡張) |
2連函体の場合、Ver.4までは、隔壁(中壁)の厚さを一定としていましたが、今回、ブロックごとに隔壁厚の入力を可能とし、端部で標準部より厚くなるケースに対応できるようになります(図3)。なお、内空幅を保持し、隔壁厚の変化に応じて函体幅が自動的に変化するようにしています。また、本体横方向も含め、隔壁ハンチ寸法を左右個別に入力できるようにしています(図4)。
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▲図3 本体縦方向-2D平面図 |
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▲図4 本体縦方向-断面・
ブロック入力画面 |
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本体縦方向レベル2地震時検討用の主鉄筋データ入力について、現行の入力方法では表現できない配筋状態があるとのご意見をいただき、新たに、詳細入力を設け、主鉄筋データの編集(移動、削除、追加)を可能としました(図5)。現行の入力画面はそのまま保持し、詳細入力を行うと指定されたときに、詳細入力画面を開き、鉄筋1本ごとにデータを編集できるようにしています。また、配筋可能な鉄筋段数(鉛直方向の鉄筋位置数)についても100段から500段に拡張しています。
▲図5 本体縦方向-鉄筋詳細(レベル2)入力画面
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門柱の上屋荷重について、従来は、任意荷重として設定する必要がありましたが、今回、ゲート、開閉装置と同様に上屋の荷重を入力に対応します(図6)。上屋に関する荷重情報として、上屋の自重、上屋の高さ、縦方向検討用荷重の作用位置の入力を設け、本荷重は、常時、レベル1地震時、レベル2地震時の計算に反映します。
▲図6 門柱-荷重入力画面
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門柱横方向の常時、レベル1、レベル2地震時検討用の主鉄筋データ入力について、以下の拡張を行います。
・操作台(上下)(図7)、柱部(左右)(図8)それぞれ2段まで配筋を可能とする。
・操作台の部位(隅角部、支間部)ごとの配筋を可能とする。
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▲図7 門柱-L1横方向操作台
主鉄筋入力画面 |
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▲図8 門柱-L1横方向柱部
主鉄筋入力画面 |
また、レベル2地震時検討時に用いる横拘束筋、帯鉄筋についても操作台の部位(隅角部、支間部)ごとの入力を可能としています(図9・10)。
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▲図9 門柱-L2横拘束筋入力画面 |
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▲図10 門柱-L2帯鉄筋入力画面 |
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本体縦方向と同様に、レベル2地震時検討用の主鉄筋データ入力に、詳細入力を設け、主鉄筋1本ごとのデータ編集(移動、削除、追加)を可能としました(図11)。入力方法も本体縦方向と同様に、詳細入力を行うと指定されたときに、詳細入力画面を開くようにし、また、配筋可能な鉄筋段数についても100段から500段に拡張しています。
■図11 門柱-L2操作台主鉄筋入力画面図
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以上、「柔構造樋門の設計 Ver.5」の追加・拡張機能の概要を紹介いたしました。今後も皆様からのご要望にお応えして、改良・改善に努めてまいります。どうぞご期待ください。 |
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