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New Products
UC-Draw Ver.7 OCF対応版 Ver.up
土木専用2次元汎用CAD、朱書き機能対応版

最新版製品価格 ●リリース 2010年12月予定
CALS/CAD

 はじめに
UC-Drawは、豊富な作図・編集・表示コマンドをそろえた柔軟で効率的な図面作成を可能とする2次元汎用CADであると同時に、土木専用CAD として、計算機能のある鉄筋表生成機能、ワークシートによる作表機能、ラスターベクタ混在編集が可能なラスター機能、シンボル集、帯表/柱状図作成機能、線形変換機能などを搭載し、土木製図に威力を発揮します(表1)。

また、以下の各基準に基づいた図面作成が可能で、図面チェック機能も備えています(表2)。

作図コマンド 垂直線/平行線/直交線/連続線/角度線/円接線/繰返線/円/接円/円弧/楕円/楕円弧/スプライン/ベジエ曲線/クロソイド曲線/多角形/点/文字列/寸法線/引出線/標高線/省略線/中心線/勾配線/傾斜マーク/ハッチング/下書き/オフセット/座標
編集コマンド 移動/複写/回転/反転/トリム/ストレッチ/カット/面取/等高線/部品登録/Undo/Redo/属性編集
表示コマンド 拡大/縮小/ズームイン/ズームアウト/表示順変更/代替フォント箇所表示/漢字使用箇所表示/平仮名使用箇所表示/片仮名箇所表示/要素情報ウィンドウ/要素選択制御ウィンドウ/幾何要素作図ウィンドウ/コマンド選択ウィンドウ/表示移動ウィンドウ/シンボル貼付ウィンドウ/レイヤ・スケールシートサムネイル表示/表示・非表示切替(朱書き/エリアコントロールなど)
入出力コマンド UC-Draw(PSX)/SXF(SFC、P21)/DWG/DXF/JWW/JWC/朱書きファイル(RDF)
土木製図コマンド 土木図形シンボル生成(構造図/帯表/柱状図/線形変換など)/配筋(展開図/鉄筋表/加工図)/完成平面図/測量/計測/SXF属性
計測コマンド 2点間距離[直線・円弧/周長/直線情報/円・円弧情報/角度/任意点座標/面積/三斜求積/ヘロン求積/座標求積

▲表1 UC-1設計シリーズおよびUC-Draw ツールズ製品とのスムーズな連携で
設計〜図面作成をトータルにサポート


CAD製図基準(案) 平成20年5月版 国土交通省
CAD図面作成要領(案) 平成17年3月版 国土交通省港湾局
CAD図面作成要領(案) 平成16年3月版 国土交通省港湾局
SXF 表示機能及び確認機能要件書(案) 平成19年11月 国土交通省
調査等業務の電子納品要領(案)−図面作成編 平成17年 4月 日本道路公団
CADによる図面作成要領(案) 平成13年10月版 日本道路公団
電子化図面データの作成要領(案) 平成17年4月版 農林水産省農村振興局
道路工事完成図等作成要領(改定版) 平成20年3月改定

▲表2 図面作成時の対応基準

 OCFへの対応
オープンCADフォーマット評議会(OCF: http://www.ocf.or.jp/)とは、紙媒体の電子化を推進する上で重要な位置づけであるCADデータ(SXF)の高度利用に関して、調査・研究・実装などを行うことを目的としたCADベンダーの団体で、当社も正会員として参加しています。
 UC-Draw Ver.7では、OCF対応を強化しOCFが定めた検定に合格しているため、UC-Drawで作成した図面は安心して電子納品の成果品として使用することができます(OCF検定合格:SXF対応ソフトウェア検定カテゴリ:CAD/UC-Draw Ver.7 (認証番号:11310050168))。
以下に、UC-DrawのOCF対応について詳しく紹介いたします。

 電子納品とCADデータ交換の」データ形式
公共事業支援統合情報システム(CALS/EC)と呼ばれる取り組みにより、従来は紙で交換されていた情報が電子化され、ネットワークを活用して各業務プロセスをまたぐ情報の共有・有効活用を図ることにより、公共事業の生産性向上やコスト縮減などが実現されました。CALS/ECは『情報の電子化』、『通信ネットワークの利用』、『情報の共有化』の3つの要素から成り立っています(図1)。


▲図1 CALS/EC

従来のように印刷した図面(紙)を成果品として納品している場合は、発注者・受注者間で使用するCADが異なっていても影響はありませんでしたが、CALS/ECによりCADデータでの納品が進められたことにより、発注者・受注者間で交換したCADデータが正確に再現されるCAD環境が必要になりました。発注者・受注者が既に使用中のCADソフトを統一することは困難なため、電子納品を推進するには異なるCAD間でも交換できる中間データ形式の開発が必須となります。このため、CADデータ交換標準コンソーシアム (SCADEC)が設立され、中間データ形式「CADデータ交換標準フォーマット」の開発が進められました(図2)。


▲図2 SCADEC

 SXF
Scadec data eXchange Format(SXF)とは、SCADECが提唱する異なるCAD間でのデータ交換に使用する中間ファイル形式で、CAD交換標準仕様全体を指します。SXFファイルには以下の2種類が存在しますが、国土交通省が進めている各種電子納品においては、SXFファイル(.P21)を納品時の正式ファイルとして採用しています。

◆STEPファイル(拡張子 .P21)
STEP/AP202のルールに準拠したファイル形式で国際的に通用するファイル形式で、 国土交通省や主な自治体ではCAD図面の納品フォーマットをP21と定めている。

◆フィーチャコメントファイル(拡張子 .SFC)
STEPファイルのコメントの形で記載されたファイル形式で、P21に比べるとデータ量が小さく、CAD図面の交換に利用することができる簡易版的なフォーマット。

SXF仕様レベル
現在、レベル2が使用されています(下表参照)。

レベル1 面(紙)上で、図面表示が正確に再現できること。(寸法図形が文字や線分などで表現されている)
レベル2 2次元CAD製図データの要求を十分満たし、再利用時における使い勝手が確保されること。(寸法図形が一塊の図形として認識できる)
レベル3 STEP/AP202で決めている製図機能を全て満たすこと。(計測している図形の変更により、寸法図形を更新できる
レベル4 STEP/AP202の製図機能だけではなく、建設分野特有の情報も付け加え、図面データの高度利用ができること。 (建築部材の数量拾いができる))

 SXFの課題と解決
電子納品にSXFファイルが採用されたことで、オリジナルのデータファイルに加えSXFファイルの入出力に対応したCADソフトの開発が進められ、発注者・受注者で互いにCADソフトを限定することなくCADデータ交換が可能になりました。

しかし、SXF仕様では、データの形式について記されていますが、描画の方法については詳しく規定していないため、交換されたCAD図面の表示・編集などはCADソフトの仕様に依存し、図面によっては発注者・受注者間で表示状態が異なってしまう場合もあります。

OCFでは、このような問題がSXFでのCADデータ交換において発生しないように協議を行い、CADに実装する上で不足していると思われる描画の方法などを中心に、SXFに沿った独自の基準(SXF 仕様実装規約OCF版・幾何検定編/SXF 仕様実装規約OCF版・属性検定編)を定めています(http://www.ocf.or.jp/kentei/)。

また、この基準に沿った実装が正確に行われているかを図るOCF検定を実施しています(図3)。OFC検定に合格することでSXFの準拠性が保証され、CADユーザは安心してSXFでのデータ交換を実施することができます。


■図3 OCF検定

 UC-DrawのOCF対応について
OCFは1998年に設立されました。弊社も当初からOCF正会員となりSXF開発の実証実験、各部会、定例会での意見交換などに参加しています。OCF検定は2001年に開始され、UC-Drawは初回検定から受検し「UC-Draw Ver.2.7」で「CADデータ交換標準SXF Ver2.0形式のファイルの入出力機能」に合格していました。
 SXF仕様は、その後属性セットなど随時拡張され、2007年12月にSXF Ver3.1が公開されました。OCF検定もその拡張にあわせた検定強化がなされ、2008年10月からSXF Ver3.1での受検が必須となっています。

◆現在のOCF検定
 SXF仕様 : SXF Ver3.1に準拠
 適合クラス : 以下の3クラス

▽CC1= 幾何(見た目)に関する機能のみ実装しているソフトウエア
▽CC2= CC1に加え、属性に関する機能を限定的に実装しているソフトウエア
      (属性の新規作成や編集には制限を認めるが保持・確認は必須)
▽CC3= CC1に加え、属性に関する機能を総合的に実装しているソフトウエア

◆SXF Ver3.1の主な改訂内容
・フィーチャーの拡張(クロソイド、弧長寸法線の追加)
・表示順の制御対応(表示順の入替え対応とその情報保持)(図4)
・ラスターの表示対応(表示色の指定と透過して表示する機能)(図5)
・表題欄、背景色、等高線、画像は属性(SAF)ファイル必要としない

▲図4 表示順の変更 ▲図5 透過処理


このSXF Ver3.1の改訂は、UC-Drawの仕様に大きな影響がありましたが、改善・拡張を行い「UC-Draw Ver.7」にて「SXF Ver3.1(CC3)」に合格しました。
なお、UC-Drawには円弧に沿う文字列を扱う機能を備えていますが(図6)、SXFにはそれに対応した仕様がありませんので、一直線状の文字列として出力しています(図7)。SXF仕様は今後も拡張・改善されると思われますが、このような機能を出来るだけ取込めるよう、OCF検定やSXF規約に対して改善提案などを行っていきたいと考えています。

▲図6 UC-Drawの文字   ▲図7 SXFの文字

 おわりに
今後もOCF活動に積極的に参加し、ユーザの皆様の図面作成・CAD図面の交換がスムーズに行えるようにし、また、ご意見、ご要望を取り入れ、UC-Drawが業務のお役に立てる製品となることを目標としていきたいと考えております。
(Up&Coming '11 新春号掲載)
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