「アーチカルバートの設計計算」は「道路土工カルバート工指針(平成21年度版)(社)
日本道路協会」を参考としたアーチカルバートの横断方向、縦断方向の断面力算出および断面照査を行うプログラムです。
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アーチカルバートは、上部がアーチ状となっているため、上部の荷重は軸方向圧縮力として伝達され、上部および側壁に生じる曲げモーメントはボックス形状と比べ大幅に低減され、安定した形状となります。
■図1 モーメント図比較
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項目 |
内容 |
形式 |
1連で標準形/インバート形 |
基礎形式 |
直接基礎(地盤反力度/バネ基礎) |
死荷重 |
鉛直土圧、水平土圧、路面荷重、水圧、揚圧力、内水圧、任意死荷重 ※最大5ケース |
荷重 |
活定型1活荷重、定型2活荷重(側圧)、任意活荷重、分布荷重(土被り≧制限土被り)※最大7ケース |
断面方向 |
曲げ応力度、最小鉄筋量、最大鉄筋量、せん断応力度、安定計算 |
縦方向 |
曲げ応力度 |
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- 道路土工カルバート工指針(平成2 年度版)(H22.3)(社)日本道路協会
- 道路橋示方書・同解説Ⅳ下部構造編(H14.3)(社)日本道路協会
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設計手順に沿った処理モードボタンを左から右に並べ(入力→計算確認→計算書作成)、データ入力を行うモードでは、データ内容を分類した入力をツリーアイテムとして上から下に並べています。各入力画面は、ツリーアイテムの色で入力済み,未入力が一目で確認できます。各入力項目ごとに全てのボタンが入力済みになって、はじめて、次の(下の)項目に移行できるように制御しています。また、すべての入力が完了して、はじめて、計算へ移行できる(計算確認モードボタンが選択可能となる)ようになります。また、入力モード時、計算確認時には、[
形状確認] ボタンにより、正面図、側面図、3D図をいつでも確認することができ、データを視覚的に確認することができます。
■図2 メイン画面 |
■図3 形状入力画面 |
■図4 3D図 |
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アーチ部に作用する荷重の載荷は、下図のように鉛直荷重はアーチ天端、水平荷重はカルバート最外縁面に作用するものとしてモデル化しています。
■図5 荷重作用位置
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断面力算出
微小変形理論(力のつり合いを考える上では変形の影響は無視でき、力は変形前の形状に対して釣り合っていると考える。)に基づいた変位法による平面骨組みの構造解析により断面力を算出します。
■図6 FRAME モデル(断面方向)
照査位置
曲げおよびせん断の照査は、下図の位置で行います。
■図7 曲げ照査位置 |
■図8 せん断照査位置 |
曲げ応力度
曲げモーメントと軸力が同時に作用する鉄筋コンクリート断面として応力度を算出し、これが許容応力度以下であることを照査します。
最小鉄筋量
「道路橋示方書・同解説Ⅳ下部構造編(H14.3) (社) 日本道路協会」に準じて、下記(1),(3),(4)あるいは(2),(3),(4)を満足していることを照査します。
(1) Mu ≧ Mc、(2) 1.7M ≦ Mc
(3) As ≧ 5(cm2/m)、(4) As' ≧ 0.008A1'
最大鉄筋量
「道路土工カルバート工指針( 平成21年度版) (社)日本道路協会」に準じ、鉄筋の降伏よりもコンクリートの破壊が先行するようなぜい性的破壊を生じないよう、引張側使用鉄筋量が釣合鉄筋量以下であることを照査します。
せん断応力度
コンクリートのせん断応力度は平均せん断応力度として算出し、許容せん断応力度以下であることを照査します。コンクリートのみでせん断力を負担する場合の許容せん断応力度は、(1)~(3)の補正係数を考慮して算出します。
(1)部材断面の有効高に関する補正係数Ce
(2)軸方向引張鉄筋比に関する補正係数Cpt
(3)軸方向圧縮力による補正係数CN
安定計算
基礎形式が地盤反力度の場合、すべての荷重を載荷したときの地盤反力度を求め、許容値以内にあるかを照査します。
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断面力算出
カルバート本体を部材直角方向(鉛直方向)に分布バネを有する一本棒状の部材とし、ブロック左端を鉛直ローラー支点、ブロック継目(目地)はピン結合としてフレームモデル化し、骨組み解析により断面力を算出します。
■図9 FRAMEモデル(縦方向)
曲げ応力度
曲げモーメントが作用する(軸力=0)鉄筋コンクリート断面として応力度を算出し、これが許容応力度以下であることを照査します。
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計算結果を一覧表および図により表示します。入力と同様に結果画面を開くツリーアイテムを上から下に配置し、許容値を超えた結果を含む画面のボタンの色を変えて表示するなど、わかりやすく容易な操作性を実現しています。
■図10 結果確認画面
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計算結果をまとめた結果一覧と設計条件等詳細な内容を含んだ結果詳細を用意しており、その内容を画面,プリンタに出力します。出力箇所の指定,章節番号およびタイトルの編集を行うことができます。
■図11 計算書プレビュー
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以上、プログラムの概略を紹介させていただきました。今後も皆様からのご要望を取り入れて、改良・改善を加えていきますので、どうぞご期待ください。 |
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