Support Topics |
|
|
サポートトピックス / UC-1シリーズ |
|
橋脚の設計計算のなぜ? 解決フォーラム
塑性ヒンジ長の算定において、横拘束鉄筋の断面二次モーメント及び小判形断面の圧縮側軸方向鉄筋本数nsはどのように求めるのか |
|
|
|
「道路橋示方書・同解説X耐震設計編 平成24年3月(社)日本道路協会」(以下、道示X)の10.3(7)において、塑性ヒンジ長の算定方法が大きく変更されました。同解説の式(10.3.11)では、横拘束鉄筋の断面二次モーメントIhを用いており、横拘束鉄筋の公称直径を用いた円形の断面二次モーメントとして算定します。
例えば、D16の帯鉄筋を用いる場合は、公称直径をφ h =15.9(mm) とし次の式で計算します。
Ih =π・φ h4 / 64
=π・15.94 / 64
≒ 3137.3(mm4)
ここに,
Ih :横拘束鉄筋の断面二次モーメント(mm4)
φ h:横拘束鉄筋の公称直径(mm)
π :円周率
また、公称直径につきましては、道示TのP.80 表- 解3.1.5を参考にしてください。 |
塑性ヒンジ長の算定に用いる横拘束鉄筋に分割されたコンクリート部分と圧縮側軸方向鉄筋の本数nsについて、道示Xの解説を要約すると、次のとおりです。
- 有効長が最も大きいコンクリート部分に対して求める。
- 軸方向鉄筋が複数段配置される場合は合計本数とする。
- 側方鉄筋は計上しない。
- 最大となる有効長が複数ある場合は最も多い本数を用いる。
- 円形断面の場合は軸方向鉄筋の合計本数× 0.3 で求めた本数の小数点以下を切り捨てた値としてよい。
以上のように、小判形断面については明確な記述がありません。
この点については、日本道路協会HPの下記URLにて配布されている計算例が参考になります。
http://www.road.or.jp/
道路橋の耐震設計における鉄筋コンクリート橋脚の水平力−水平変位関係の計算例(H24版道示対応)
上記計算例の「小判形断面の水平耐力及び水平変位の計算例(P.26)」では、小判形断面の長辺方向(橋軸直角方向)の検討が行われており、円形に準じた算定方法が用いられています。
橋軸方向の検討においては、記載がないため設計者の判断となりますが、道示X(P.183)の下記の解説を踏まえ、直線部に着目し矩形に準じればよいと考えられます。
『なお、小判形断面は,円形断面と矩形断面の組合せにより形成される断面であるが,短辺方向に対して設計する場合には,両端の円形部分の挙動が支配的となることはないので,矩形断面部のみを対象としてよい。』
※上記は、コンクリートの応力度−ひずみ曲線に関する記述ですが、短辺方向の照査において、円形部分の挙動が支配的となることはないという点は同じであると考えられます。
|
|
■図1 矩形断面のns |
■図2 円形断面のns |
|
■図3 小判形断面のns |
|
|
(Up&Coming '12 夏の号掲載) |
|
|
>> 製品総合カタログ
>> プレミアム会員サービス
>> ファイナンシャルサポート
|