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   ホーム > セミナーフェア > セミナーレポート > フォーラムエイト デザインフェスティバル 2017-3Days+Eve > 11月17日(金) Day3

 フォーラムエイト デザインフェスティバル 2017-3Days+Eve
日時:2017年11月14日(Eve)、15〜17日(3Days) 会場:品川インターシティ ホール
(Up&Coming 2018年1月号)









11月14日(火) Eve  11月15日(水) Day1  11月16日(木) Day2  11月17日(金) Day3



新設・既設のコンクリート構造物と新道路橋示方書、CIMをめぐる最新動向

デザインフェスティバルDay3(2017年11月17日)は、午前の部から午後の部前半にかけて「第11回 デザインコンファランス」の<IM&VR・i-Constructionセッション>、午後の部後半は「第4回 ナショナル・レジリエンス・デザインアワード(NaRDA)」の各賞発表と表彰式が行われました。

主催者挨拶に続き、Day3は東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻コンクリート研究室の前川宏一教授による特別講演「新設構造物の性能照査と既設構造物の点検データ同化」でスタート。同氏はコンクリート系構造における非線形解析の適用範囲が拡大している現状に触れ、まずせん断伝達への独自の着眼点を示しつつ、新設構造の終局限界状態の照査、環境作用や荷重の組み合わせを含む中長期の使用限界状態の照査や評価などについて、具体例を挙げて解説。また、既設構造の点検データが急速に増大してくる中で、その有効活用が求められた反面、非線形解析でそれらを扱えない構造学上の問題などもあったことから試行錯誤を重ねたプロセスを述懐。それに関連し、進行中の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」(内閣府)で自身らが取り組んできた、検査の情報と数値解析を一体化させるデータシミュレーション(データ同化)の試み、点検データと非線形解析それぞれの利点と弱点を相互補完させることによる維持管理での活用可能性について説明。さらに、現行のSIPプロジェクトを通じ浮かび上がってきた制約と、その対策を探る中で考えられた、数値解析の結果を教師データとして人工知能(AI)を鍛え込むアプローチにも言及。そうした成果に基づき、高速道路を走行しながら自動的に橋梁の点検データを取得し、実際にそれを数値解析と結びつける試みを紹介しました。

東京大学大学院
工学系研究科
前川 宏一 氏

これを受け、「FEMシリーズ最新情報と今後の展望」と題し、当社担当者がプレゼンテーション。前半は、Engineer’s Studio®最新版の新機能と「橋、高架の道路等の技術基準」(道路橋示方書)の平成29年改定への対応、WCOMD Studioの新機能、Geo Engineer’s Studio の概要、およびFEMLEEGの最新情報についてデモとともに説明。後半は開発者の観点から、Engineer’s Studio®の平成29年道路橋示方書改定への更なる対応をはじめ、FEMシリーズを構成する各製品の今後の展開に向けた考え方やポイント、リリース予定を述べました。

また午前の部の最後は当社担当者によるプレゼンテーション「FORUM8の新道路橋示方書対応について」。初めに大幅な変更が見られる道路橋示方書最新版(平成29年改定)の主な内容と留意ポイントを解説。これを受けて、UC-1シリーズの橋梁上部工および橋梁下部工シリーズを中心とする当社製品における同改定への対応と段階的な対応予定、改定を反映した最新製品と旧版(平成24年道示対応版)との機能の比較を、事例に対する操作を交えて紹介しています。

午後の部セッションは、大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻の矢吹信喜教授による特別講演「CIM最新情報 〜VR/AR/IoT/ビッグデータ活用〜」で再開しました。建設業界を巡る様々な課題に触れた後、そうしたソリューションの一つとして建築分野で2004年から取り組まれたBIM、その考え方を基に国交省が2012年から土木分野向けに推進してきたCIMへの流れを、世界の関連動向と日本との対比を交えて整理。その上で氏の考えるCIMの定義、これまでのCIM導入に向けた国交省の取組み、その一環として2017年3月に策定された「CIM導入ガイドライン(案)」の概要とポイント、buildingSMART Internationalをはじめ関連する国際標準化の動向と日本の対応などについて解説。また、2015年から国交省がこれと並行して推進しているi-Constructionの骨格的な施策と狙い、欧米やアジアの主要国を中心とする海外のBIM/CIM関連の取組み、品質確保を目的とした発注方式を巡る新たな動きとECI(Early Contractor Involvement)への注目、BIMにおける米国のProgram Managerを参考にしたCIM技術者育成に向けた取組みへと話を展開しました。加えて、こうした流れを踏まえた自らの研究室における近年の取組みとして、1)VRやマルチエージェントを用いた駅の方向案内板の視認性検討、2)ARによる温度や湿度、風など環境データの可視化、3)IoT対応の一環としてのLPWA(Low Power Wide Area)活用、4)ディープラーニングによるコンクリートひび割れ検出、5)SFM(Structure from Motion)で作成した3Dモデルを使った画像マッチングによる写真の位置検出、6)IoTで蓄積されるセンシングデータのARと連携した活用検討などを紹介。さらに、Society 5.0に向けSIPを通じて取り組むインフラの維持管理におけるAI利用、「官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)」(内閣府)における革新的建設インフラ維持管理技術や革新的防災・減災技術に関するICT活用の新たな展開にも期待を示します。

大阪大学 大学院
工学研究科
環境・エネルギー工学
専攻 教授
矢吹 信喜 氏

続いて、当社担当者が「IM&VR CIMソリューションとi-Construction」と題してプレゼンテーション。UC-win/Roadを中核とし、そこに設計や解析の各種ソフトウェアのデータを連携するというフォーラムエイトの提供するIM&VR CIMソリューションの考え方、過去20年にわたる3Dモデル活用と各種シミュレーション機能の拡張の流れ、主要なCIM対応製品と今後の開発予定を説明。併せて、i-Constructionへの対応として点群モデリングとその活用に触れ、SFMなどの手法も用いて作成したVRの多様な活用について過去の3D・VRシミュレーションコンテスト・オン・クラウド受賞作品を例に解説しました。また、UC-win/Road最新版(Ver.12)の主な特徴や開発中の新機能、多様なシステムとの連携、Society 5.0など国の施策を睨んだ今後の展望にも言及しました。

デザインコンファランス最後のプレゼンテーションは一般財団法人最先端表現技術利用推進協会(表技協)理事の稲垣竜興氏による「表現技術検定(建設ICT)について」。表技協の基本方針を提示した上で、その一つのアプローチとして表現技術検定を着想するに至った背景、同検定を通じて国の施策(超スマート社会やCIM、i-Constructionなど)に対応した先進かつ高度な建設ICTの普及への貢献を目指そうとの考え方を解説。2018年春の正式公開に向け検討を進めている現状にも触れました。

一般財団法人
最先端表現技術
利用推進協会理事
稲垣 竜興 氏
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エネルギー関連という新たな試みにも注目

Day3のフィナーレは、国土強靭化に資する事例や成果を顕彰する「第4回 ナショナル・レジリエンス・デザインアワード(NaRDA)」の各賞発表および表彰式が飾りました。審査員は昨年に引き続き、審査委員長である東京都市大学災害軽減工学研究室の吉川弘道教授、芝浦工業大学副学長・工学部土木工学科都市環境工学研究室の守田優教授、群馬大学理工学部の若井明彦教授の3氏が務めました。
NaRDAは土木・建築構造解析、地盤、水工、防災といった各分野を対象とする応募作品について、11月14日に最終審査会を開催。表彰式ではまず、審査会で応募作品の中から選ばれたノミネート作品の概要を紹介した、各出品者にノミネート賞を授与。この中から、グランプリの「太陽電池支持物の架台構造設計」(ネクストエナジー・アンド・リソース株式会社)、準グランプリ優秀賞の「PC-壁体の実大実験と非線形プッシュオーバー解析による整合性の検討」(日本コンクリート工業株式会社)、「審査員特別賞 Performance-based Design賞」(シビックアーツコンサルタント株式会社)ほか、各審査からの特別賞が表彰されました。
吉川委員長による審査員総評では、グランプリ受賞作品について、エネルギー関連という新たな試みであることに注目。また、計算書にすれば数百ページにおよぶと考えられる設計を、NaRDAのコンセプトに沿って少ない枚数でわかりやすい作品として示すということについてもポイントであると述べられました。
その他のノミネート作品および作品の詳細は以下のバナーからご覧ください。

受賞者の皆様
最終審査の様子:左から吉川氏、
守田氏、若井氏
フォーラムエイト東京本社
セミナールームにてノミネート作品
審査会を実施

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