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Q&A ラーメン橋脚の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)
ラーメン橋脚の設計計算(部分係数法・H29道示対応)

 Q&A ('24.11.25)
>> 旧基準製品Q&A


NEW! 更新内容

Q2−13.入力画面「レベル2地震動|橋脚条件」のタブ「柱基部断面力算定」で「水平震度がkhp未満の場合の橋脚部材の曲げ剛性」の選択項目のそれぞれの違いは何か。('24.11.25)

目  次
 1.適用範囲、制限事項

Q1−1.既設検討・補強設計に対応しているか

Q1−2.旧データの読込は可能か

Q1−3.柱が橋軸方向に並び、橋軸方向に伸びるはりの上面が道路となる構造は対応できるか

Q1−4.ラーメン橋脚で梁を無視した構造物の計算を行いたい。

Q1−5.杭基礎設計便覧(令和2年9月)に対応しているか。

Q1−6.製品名の「設計計算」と、「設計・3D配筋」の違いは何か
 2.入力

Q2−1.荷重として入力する値は、荷重係数γq、組合せ係数γpを考慮しない値でよいか

Q2−2.入力画面「レベル2地震動照査|共通条件」の「死荷重時の荷重ケース」が選択できない

Q2−3.入力画面「永続/変動照査|計算条件」のタブ「断面照査条件」の「鉄筋引張応力度制限値」で選択する「一般部材」、「気中部材」、「水中部材」は、計算にどう影響するか

Q2−4.入力画面「橋脚鉄筋」のタブ「斜引張鉄筋/横拘束筋」の「ns」として入力する圧縮側軸方向鉄筋本数nsは、鉄筋径が異なる場合どのように換算すればよいか

Q2−5.はりの入力において、ハンチ幅≧ハンチ高の形状が入力できない理由は何か

Q2−6.レベル2地震動照査において、フーチングの柱間照査が初期状態で「照査しない」となっているのはなぜか。

Q2−7.杭基礎モデルの入力画面「地層」に入力するγt、γsatの重量は、どのような値を入力すればよいか。

Q2−8.主鉄筋の入力箇所が多い。簡単に入力できないか。

Q2−9.柱の断面サイズが異なるラーメン橋脚をモデル化可能か。

Q2−10.入力画面「橋脚鉄筋」確定時に、警告「最大/最小の応力度照査ではハンチ筋を無視します。」が表示される。

Q2−11.入力画面「レベル2地震動照査|共通条件」の「死荷重時の荷重ケース」で、選択したい水位条件の荷重ケースが選択できない。

Q2−12.入力画面「基本条件」の「地盤種別」の入力値と、入力画面「地層」のタブ「土質」の「地盤種別の判定」で決定した地盤種別が異なる場合、計算ではどちらが使用されるか。

Q2−13.入力画面「レベル2地震動|橋脚条件」のタブ「柱基部断面力算定」で「水平震度がkhp未満の場合の橋脚部材の曲げ剛性」の選択項目のそれぞれの違いは何か。
 3.計算(橋脚の永続/変動照査)

Q3−1.H29道示Vの図−15.8.2(P333)のハンチの有効部分の扱いが、H24道示対応版と異なっているのはなぜか

Q3−2.限界状態1の照査で使用する降伏曲げモーメントの特性値Mycと最大鉄筋量照査で使用する降伏曲げモーメントの値が異なる場合があるのはなぜか

Q3−3.矩形断面の圧壊に対するねじり耐力の特性値Mtucの算出で使用する係数Ktを自動計算にした場合、どのように設定しているか

Q3−4.上部工荷重が橋軸方向に偏心しているため橋軸方向に変位が生じるが、はりの面外方向の曲げモーメントが0kN.mになる

Q3−5.橋座の設計は可能か

Q3−6.杭基礎モデルの計算時間を短縮したい。

Q3−7.3柱式ラーメン橋脚の死荷重時の軸力が、中柱に集中する。

Q3−8.永続/変動照査の橋軸方向の骨組解析モデルの支点が柱基部に設定されているのはなぜか。

Q3−9.張出し部のせん断照査にせん断補強鉄筋が考慮されない。

Q3−10.照査結果に、制限値に対する厳しい度合いを表示してほしい。

Q3−11.コーベルのCdc算出時のせん断スパンaは、どのように算出しているか

Q3−12.永続/変動照査のはりの橋軸方向照査時に、上下主鉄筋を考慮したい。

Q3−13.橋軸・直角方向検討用荷重ケースの一覧表において、はり・柱の照査を行わない箇所があるがなぜか?
 4.計算(橋脚のレベル2地震動照査)

Q4−1.形状、荷重条件とも左右対称で、配筋も右側部材の配筋を左側部材から参照して定義したラーメン橋脚モデルだが、レベル2地震動照査の面内解析では右→左方向と左→右方向の結果が異なっている

Q4−2.ラーメン橋脚の設計の面内方向のレベル2地震動照査で、エラーメッセージ【終局ステップ:Mls算出で軸力が適用範囲外になりました】が表示された。このエラーは、どの様な状態で発生するのか?

Q4−3.入力画面「レベル2地震動照査|橋脚条件」のタブ「荷重条件」でWuを全て0.1倍にして結果を比較したところ、水平耐力Pa(kN)は変化しなかった。なぜか。

Q4−4.レベル2地震動照査で任意の死荷重を考慮したい。

Q4−5.結果画面「レベル2地震動照査|橋脚」のタブ「直角方向|詳細|照査結果」の「破壊形態」でせん断力が赤色で表示されるが問題ないか。

Q4−6.橋軸直角方向のレベル2地震動照査時に「Mc≦My0≦Mlsの関係が成立しません」のエラーが表示されて計算が中断される。

Q4−7.入力画面「レベル2地震動照査|共通条件」の「部材の塑性化」で橋脚の塑性化を「期待する」を選択しているが、計算書出力時には「塑性化しない」になっているのはなぜか。
 5.計算(基礎のレベル2地震動照査)

Q5−1.杭基礎モデルの入力画面「レベル2地震動照査|基礎条件」のタブ「条件@」の「着目点ピッチ」で指定したピッチに分割されない。
 6.ファイル

Q6−1.「震度算出(支承設計)(部分係数法・H29道示対応)」がインストールされていないPCで、震度連携ファイル(*.PFU)での保存、読み込みは可能か

Q6−2.H29道示対応版の「ラーメン橋脚の設計・3D配筋」、「ラーメン橋脚の設計計算」、「RC下部工の設計・3D配筋」、「RC下部工の設計計算」、およびSuite版の各製品のファイル拡張子は同じだが、製品間で読込可能なバージョンはどのように判断すればよいか。

Q6−3.「震度算出(支承設計)」ファイルの保存に時間がかかる。

Q6−4.骨組解析モデルの出力方法を教えてほしい。







 1.適用範囲および制限事項

Q1−1.

既設検討・補強設計に対応しているか
A1−1. 現在は対応しておりません。
H29道示を適用した既設検討・補強設計に関する参考資料や基準類の発刊後に対応を検討する予定です。
 

Q1−2.

旧データの読込は可能か
A1−2. Ver.10以降の、拡張子が「*.F4U」、または「*.F3W」のファイルの読込が可能です。
ただし、H24道示から計算手法が大幅に変更されているため、形状及び配筋以外は全ての項目の再設定が必要です。
 

Q1−3.

柱が橋軸方向に並び、橋軸方向に伸びるはりの上面が道路となる構造は対応できるか
A1−3. 申し訳ございませんが、対応しておりません。
本製品では、上部工が橋脚上に支承を介して配置される構造物としており、必ず定義する必要があります。
上部工がはりと一体となったり、ラーメン橋脚の面内方向が上部工の軸方向となる構造物は、モデル化することができません。
 

Q1−4.

ラーメン橋脚で梁を無視した構造物の計算を行いたい。
A1−4. 本製品はラーメン構造の橋脚として計算しますので、梁を無視した構造物の計算はできません。
弊社製品「二柱式橋脚の設計計算(部分係数法・H29道示対応)」をご検討ください。
 

Q1−5.

杭基礎設計便覧(令和2年9月)に対応しているか。
A1−5. Ver.4で対応しました。
入力画面「杭形状」のタブ「杭条件@」のチェックボックス「杭基礎設計便覧(令和2年9月)」にチェックを入れてください。
 

Q1−6.

製品名の「設計計算」と、「設計・3D配筋」の違いは何か
A1−6. 「設計・3D配筋」は、図面作成機能が追加されています。
 2.入力

Q2−1.

荷重として入力する値は、荷重係数γq、組合せ係数γpを考慮しない値でよいか
A2−1. 上部工基本荷重、任意死荷重、温度荷重等、本製品で入力する荷重値はγq、γpを考慮しない値を入力してください。
プログラムで自動的にγp、γqを乗じます。
 

Q2−2.

入力画面「レベル2地震動照査|共通条件」の「死荷重時の荷重ケース」が選択できない
A2−2. 「死荷重時の荷重ケース」は、入力画面「永続/変動照査|組合せ荷重ケース」の画面で選択した「偶発」のケースが選択候補になります。
入力画面「永続/変動照査|組合せ荷重ケース」の画面で「偶発」のケースを選択してください。
 

Q2−3.

入力画面「永続/変動照査|計算条件」のタブ「断面照査条件」の「鉄筋引張応力度制限値」で選択する「一般部材」、「気中部材」、「水中部材」は、計算にどう影響するか
A2−3. 「気中部材」は、V編6.2.2の制限値を使って腐食の照査を行います。
「気中部材」と「一般部材」は、V編6.3.2の制限値を使って、疲労の照査を行います。
「水中部材」は、W編6.3の制限値を使って、疲労の照査を行います。
 

Q2−4.

入力画面「橋脚鉄筋」のタブ「斜引張鉄筋/横拘束筋」の「ns」として入力する圧縮側軸方向鉄筋本数nsは、鉄筋径が異なる場合どのように換算すればよいか
A2−4. H29道示X p195の解説に「nsとして計上される軸方向鉄筋において直径の異なる軸方向鉄筋が含まれる場合には,小さい方の直径を式(8.5.4)における軸方向鉄筋の直径φ’とする。」と記載されています。
これより、鉄筋径の違いに関わらず、鉄筋本数を指定するものと考えます。
φ’は、プログラム側で自動的に小さい鉄筋径を抽出します。
具体的には、側面鉄筋よりも内側の範囲で断面中心から圧縮側にある鉄筋のうち鉄筋径の最も小さい値を採用します。
 

Q2−5.

はりの入力において、ハンチ幅≧ハンチ高の形状が入力できない理由は何か
A2−5. 「道路橋示方書・同解説X耐震設計編に関する参考資料 平成27年3月」の図−8.25に示される「ハンチ幅≧ハンチ高さ」の場合の塑性ヒンジ位置の考え方に対応していないためです。
ご了承ください。
 

Q2−6.

レベル2地震動照査において、フーチングの柱間照査が初期状態で「照査しない」となっているのはなぜか。
A2−6. 連続フーチングの柱間照査を行うには柱から伝えられる断面力が必要ですが、レベル2地震時においてこの断面力をどのように考えて求めるか基準類に明示されていません。
本製品ではヘルプ「計算理論及び照査の方法|杭基礎|レベル2地震動照査|フーチング橋軸直角方向レベル2地震動照査」に示した考え方で照査を行っておりますが、基準等に沿ったものではないため、初期値を「照査しない」としています。
 

Q2−7.

杭基礎モデルの入力画面「地層」に入力するγt、γsatの重量は、どのような値を入力すればよいか。
A2−7. 水位より上の単位重量を湿潤重量γtとしてご入力ください。
水位以深は水中重量として(飽和重量−水の単位重量)を用いていますので、飽和重量γsatには水中重量に水の単位重量を加えた値を入力してください。
 

Q2−8.

主鉄筋の入力箇所が多い。簡単に入力できないか。
A2−8. 入力画面「橋脚鉄筋」のタブ「主鉄筋配置」に、「主鉄筋配置参照断面」の選択を設けています。
ここで断面を選択すると、その断面で定義した鉄筋配置を参照します。
ただし、参照可能な断面には制限があります。
詳細は、ヘルプ「入力|橋脚鉄筋|鉄筋配置」の「主鉄筋配置:(1)主鉄筋配置参照機能」をご覧ください。
 

Q2−9.

柱の断面サイズが異なるラーメン橋脚をモデル化可能か。
A2−9. 可能です。「橋脚形状」−「柱」にて柱毎に寸法値を入力いただけます。
ただし、柱の断面形状の種類は矩形、円形、小判形、八角形から選択し、これは全柱共通です。
柱ごとに異なる断面形状を設定することができないことをご了承ください。
 

Q2−10.

入力画面「橋脚鉄筋」確定時に、警告「最大/最小の応力度照査ではハンチ筋を無視します。」が表示される。
A2−10. 「はり支間X|左端部(または右端部)」で定義した「ハンチ筋」の「有効範囲」がハンチ幅以上のときに表示されます。
ハンチ幅の範囲以外の区間ではハンチ筋は無視されるため、警告を表示しています。
警告ですので、計算は可能です。
 

Q2−11.

入力画面「レベル2地震動照査|共通条件」の「死荷重時の荷重ケース」で、選択したい水位条件の荷重ケースが選択できない。
A2−11. 入力画面「永続/変動照査|組合せ荷重ケース」で、対象となる荷重ケースにチェックが付いているかをご確認ください。
「死荷重時の荷重ケース」は、入力画面「永続/変動照査|組合せ荷重ケース」でチェックした死荷重時の組合せ荷重のみ選択可能です。
 

Q2−12.

入力画面「基本条件」の「地盤種別」の入力値と、入力画面「地層」のタブ「土質」の「地盤種別の判定」で決定した地盤種別が異なる場合、計算ではどちらが使用されるか。
A2−12. 計算は、入力画面「基本条件」の「地盤種別」を使用します。
入力画面「地層」のタブ「土質」の「地盤種別の判定」は地盤種別を判定するツール的な機能で、計算では使用しません。
 

Q2−13.

入力画面「レベル2地震動|橋脚条件」のタブ「柱基部断面力算定」で「水平震度がkhp未満の場合の橋脚部材の曲げ剛性」の選択項目のそれぞれの違いは何か。
A2−13. この項目は柱基部断面力算出時の橋脚の剛性を選択します。
「初降伏時の剛性」は、「道路橋示方書・同解説V 耐震設計編に関する参考資料 平成27年3月」図−参8.23(P.218)に示されている降伏限界の曲げ剛性を使用します。
「全断面有効の剛性」は、全断面を有効として断面二次モーメントを算出したもので、許容応力度法と同じ剛性です。

柱基部断面力を求める際の橋脚部材の剛度についての基準等での規定が確認できていないため、選択する仕様としています。
どちらを選択すべきかについては、設計者様のご判断となりますことをご了承ください。
 3.計算(橋脚の永続/変動照査)

Q3−1.

H29道示Vの図−15.8.2(P333)のハンチの有効部分の扱いが、H24道示対応版と異なっているのはなぜか
A3−1. H24道示V P294では、「(5) 節点部の応力度を照査する場合のハンチの有効部分は…」と記述されています。
このため、ハンチのコンクリートに応力が生じる下側圧縮時に適用する仕様としていました。

しかし、H29道示V P333では、「3) 設計曲げモーメントの照査におけるハンチの有効部分は…」と記述されています。
H29道示では、応力度ではなく曲げモーメントの照査となり下側圧縮時に限定する根拠がなくなったため、常に有効範囲を適用する仕様に変更しました。
 

Q3−2.

限界状態1の照査で使用する降伏曲げモーメントの特性値Mycと最大鉄筋量照査で使用する降伏曲げモーメントの値が異なる場合があるのはなぜか
A3−2. 限界状態1の照査で使用する降伏曲げモーメントの特性値Mycは、H29道示V P126の解説より、圧縮応力度が設計基準強度の2/3に達する状態が先行する場合はこのときの抵抗曲げモーメントを採用します。
一方、最大鉄筋量照査はH29道示W P70の(2) 2) i)の解説の通り、鉄筋の降伏よりもコンクリートの破壊が先行しないかを照査しますので、降伏曲げモーメントは設計基準強度の2/3に達するか否かを考慮しません。
このため、限界状態1の照査で使用する降伏曲げモーメントの特性値Mycが設計基準強度の2/3に達する状態で決定された場合は、最大鉄筋量照査で使用する降伏曲げモーメントの値と異なります。
 

Q3−3.

矩形断面の圧壊に対するねじり耐力の特性値Mtucの算出で使用する係数Ktを自動計算にした場合、どのように設定しているか
A3−3. H29道示Vの表−解5.7.1の長方形の式から算出します。
η1は、V編表−解5.7.1に示されていますが、これは「構造力学公式集 土木学会」(平成15年3月31日発行)のP46表2.2(b)「長方形断面のねじり剛性と最大せん断応力を求める係数」の1/k1の値です。
η1の線形補間値と、1/k1の値の差が無視できないため、本製品の計算では1/k1を使用しています。

詳細は、ヘルプ「計算理論及び照査の方法|橋脚躯体の部材照査|ねじりモーメントに対する照査」の「・圧壊に対するねじりモーメントの制限値Mtusd」をご覧ください。
 

Q3−4.

上部工荷重が橋軸方向に偏心しているため橋軸方向に変位が生じるが、はりの面外方向の曲げモーメントが0kN.mになる
A3−4. ラーメン橋脚躯体形状が左右対称で、荷重条件も左右対称の場合、左柱と右柱の橋軸方向の変位量は同じになります。
この場合、はりは橋軸方向に変形せず、曲げモーメントは0.0kN.mになります。
 

Q3−5.

橋座の設計は可能か
A3−5. 可能です。Ver.3.1.0で橋座の設計機能を追加しました。
 

Q3−6.

杭基礎モデルの計算時間を短縮したい。
A3−6. 入力画面「杭形状」のタブ「杭条件A」の「永続/変動計算ピッチ」(初期値0.100m)を大きくすることで計算時間を短縮することができます。
杭基礎の計算時間には、荷重ケース数、杭列数、杭の計算ピッチ、杭長が大きく影響します。
 

Q3−7.

3柱式ラーメン橋脚の死荷重時の軸力が、中柱に集中する。
A3−7. 乾燥収縮の影響が考えられます。
乾燥収縮は、はりと柱の全部材に設定します。
これにより、3柱式ラーメン橋脚の場合は、左右の柱に引張力、中央の柱に圧縮力が生じる傾向になります。
本製品のヘルプ「計算理論及び照査の方法|2柱式と3柱式ラーメン橋脚の乾燥収縮による影響」もご参考ください。
 

Q3−8.

永続/変動照査の橋軸方向の骨組解析モデルの支点が柱基部に設定されているのはなぜか。
A3−8. 橋軸方向の梁、柱の断面力を算出するために、面外方向の骨組解析を行っています。
フーチングの影響を剛とした断面力を計算する必要がありますが、面外方向の解析では剛部材を定義することができないため、柱基部を完全拘束することで、梁、柱の断面力を計算しています。
 

Q3−9.

張出し部のせん断照査にせん断補強鉄筋が考慮されない。
A3−9. 出し部がコーベルと判定された場合はH29道示W編5.2.7のP81の解説ii)「下部構造を構成する部材等をコーベルとして設計する場合は,…コンクリートが負担できるせん断力のみを考慮することが基本となる。」より、せん断補強鉄筋を考慮しない仕様としています。
詳細はヘルプ「計算理論及び照査の方法|橋脚躯体の部材照査|コーベル」の「■コーベルのせん断力に対する照査」をご覧ください。
 

Q3−10.

照査結果に、制限値に対する厳しい度合いを表示してほしい。
A3−10. Ver.4の改訂で、永続/変動照査結果画面に制限値比を表示する機能を追加しました。
計算書の永続/変動照査の結果概要、結果一覧表に出力することも可能です。
照査結果画面では、はり、柱、部材ごと、および荷重ケースごとに、応答値÷制限値の値を制限値比として表示します。
制限値比が1.000を超えた場合に場合は判定がNGになります。
なお、最小鉄筋量照査など構造細目の照査の制限値比は判定がNGの場合のみ考慮しますので、照査を満たしている場合は耐久性、耐荷性の照査が表示されます。
 

Q3−11.

コーベルのCdc算出時のせん断スパンaは、どのように算出しているか
A3−11. Cdc算出時のせん断スパンaは以下の式から算出します。
a=M/S
ここに、
 M:照査断面とその外側の支承鉛直反力による柱前面でのモーメント(kN.m)
 S:照査断面とその外側の市場鉛直反力による柱前面でのせん断力(kN)
支承が配置されないとき、せん断スパンa=0.0mとなります。
 

Q3−12.

永続/変動照査のはりの橋軸方向照査時に、上下主鉄筋を考慮したい。
A3−12. 入力画面「永続/変動照査|計算条件」のタブ「断面照査条件」の「はりの断面照査|橋軸方向照査に上下主鉄筋を考慮する」にチェックを入れてください。
チェックを入れた場合、入力画面「橋脚鉄筋」のタブ「主鉄筋配置」で、はり部材の「上側両端」,「下側両端」,「ハンチ両端」として定義された鉄筋を橋軸方向照査時の曲げ照査に考慮します。
なお、「はりの断面照査|曲げ照査時、「側面」鉄筋より外側のみ考慮する」にチェックを入れると、「上側両端」,「下側両端」,「ハンチ両端」のうち、側面鉄筋より外側の鉄筋のみ考慮します。
 

Q3−13.

橋軸・直角方向検討用荷重ケースの一覧表において、はり・柱の照査を行わない箇所があるがなぜか?
A3−13. 荷重種別「1.00(D+L)」は、基礎の設計のみ照査します。
これは、「道路橋示方書 W 下部構造編 平成29年11月」のP.167の解説(3)の条文2)の「1.00( D+L+PS+CR+SH+E+HP+(U) )」の組合せケースです。

タイプ「D+L」のうち衝撃を含まないケースは、安定計算、フーチングの設計に用い、はり、柱の照査は行いません。
タイプ「D+L」の衝撃を含むケースのみ、はり、柱の照査を行います。
これは、「道路橋示方書 I 共通編 平成29年11月」のP.106の解説(5)「ラーメン橋脚のように衝撃による曲げ応力の影響が無視できない構造形式・・・では、活荷重による衝撃の影響を考慮することとしている。」によるものです。
また、荷重種別「D+EQ(L2)」はレベル2地震動照査時の死荷重時の断面力、作用力を計算するためのものなので、永続/変動照査は行いません。

 4.計算(橋脚のレベル2地震動照査)

Q4−1.

形状、荷重条件とも左右対称で、配筋も右側部材の配筋を左側部材から参照して定義したラーメン橋脚モデルだが、レベル2地震動照査の面内解析では右→左方向と左→右方向の結果が異なっている
A4−1. 入力画面「橋脚鉄筋」のタブ「主鉄筋配置」で、柱の配筋を参照している場合、参照先の鉄筋配置が反転されないことにご注意ください。
例えば、左柱の配筋が左側12本、右側10本で左右対称でない場合、これを右柱で参照すると、右柱も左側12本、右側10本の配筋になります。
左右対称となるためには、右柱は左側10本、右側12本とする必要がありますが、参照機能ではそのようになりません。
この場合は、参照機能を使用せず、それぞれの配筋を定義する必要があります。
 

Q4−2.

ラーメン橋脚の設計の面内方向のレベル2地震動照査で、エラーメッセージ【終局ステップ:Mls算出で軸力が適用範囲外になりました】が表示された。このエラーは、どの様な状態で発生するのか?
A4−2. 限界状態2、または限界状態3に対応する水平変位の特性値δls2、δls3を算出するときに、「道路橋示方書・同解説X耐震設計編に関する参考資料 平成27年3月」のP222の7)の解説より、「終局水平耐力Puに達した時に各塑性ヒンジ位置に生じる軸力を見込んで」、Мls、φlsを算出します。
軸力と限界状態曲げモーメントМlsの関係は、同資料の図−参8.26(P220)のように楕円状になりますが、終局時の軸力がこの楕円より下側、または上側になると、Мls、φlsを求めることができません。
エラーメッセージは、この状態を指しています。
 

Q4−3.

入力画面「レベル2地震動照査|橋脚条件」のタブ「荷重条件」でWuを全て0.1倍にして結果を比較したところ、水平耐力Pa(kN)は変化しなかった。なぜか。
A4−3. 慣性力は「道路橋の耐震設計に関する資料 平成9年3月」の図−3.3.3(P3-21)のように、上部工重量Wuのみ考慮します。
この慣性力を徐々に大きくして、2柱式橋脚の場合は4つ目の塑性ヒンジ点が発生したときの水平変位、水平力、断面力が終局状態です。
支承位置や上部工慣性力作用位置等の条件が同じであれば、4つ目の塑性ヒンジ点が発生したときの水平変位、水平力、断面力は同じになります。
 

Q4−4.

レベル2地震動照査で任意の死荷重を考慮したい。
A4−4. 入力画面「永続/変動照査|基本荷重ケース」のタブ「任意荷重ケース」で定義した任意死荷重は、レベル2地震動照査時の死荷重として考慮されます。
 

Q4−5.

結果画面「レベル2地震動照査|橋脚」のタブ「直角方向|詳細|照査結果」の「破壊形態」でせん断力が赤色で表示されるが問題ないか。
A4−5. せん断力Sがせん断耐力Ps、Ps0を超えた場合に青、赤文字で表示しています。
この文字色は、照査結果のOK、NGを表すものではありません。

赤文字のせん断力が1つ以上あれば、せん断破壊型です。
赤文字がなく青文字のせん断力が1つ以上あれば、曲げ損傷からせん断破壊型です。
赤文字も青文字もない場合は、曲げ破壊型です。

詳細は、ヘルプ「結果確認|レベル2地震動照査−橋脚」の「(2)直角方向|2)詳細|・照査結果|−破壊形態」をご覧ください。
 

Q4−6.

橋軸直角方向のレベル2地震動照査時に「Mc≦My0≦Mlsの関係が成立しません」のエラーが表示されて計算が中断される。
A4−6. H29道示Xでは、図−6.2.1(P.137)の大小関係となる曲げモーメント−曲率の関係の設定の考え方が規定されています。
この関係にならない場合、このエラーが発生します。

・Mc>My0になる場合
Mcは、ラーメン橋脚の橋軸直角方向の照査に使用しません。
Mcを無視して計算する場合は、入力画面「レベル2地震動照査|橋脚条件」のタブ「計算条件」の「直角方向解析設定|ひび割れ(Mc、φc)を計算する」のチェックを外してください。

・My0>Mlsになる場合
「道路橋示方書・同解説X耐震設計編に関する参考資料 平成27年3月」の図−参8.24(P218)のように降伏剛性を部材剛性とする必要がありますが、
My0>Mlsの場合は、降伏剛性を適切に計算することができないため、エラーとして計算を中断しています。
このエラーは、入力画面「レベル2地震動照査|橋脚条件」のタブ「計算条件」の「直角方向解析設定|My0>MlsのときMy0=Mlsとする」にチェックを入れることで回避することができます。
この機能の詳細は、ヘルプ「入力|レベル2地震動−橋脚条件」の【計算条件−Mc≦My0≦Mlsの関係逆転時】の「・My0>MlsのときMy0=Mlsとする」をご参考ください。

 

Q4−7.

入力画面「レベル2地震動照査|共通条件」の「部材の塑性化」で橋脚の塑性化を「期待する」を選択しているが、計算書出力時には「塑性化しない」になっているのはなぜか。
A4−7. 橋脚の塑性化の設定は、橋脚躯体の照査判定方法に影響します。
橋脚の塑性化を制御する設定ではありません。

「期待する/しない」の設定は、橋脚の破壊形態が曲げ破壊型にならなかった場合の判定に影響します。
  • 「期待する」の場合
    曲げ破壊型以外の場合に耐震性の照査をNGとします。これは、H29道示Vの解説によるものです。
    p.181の下から5行目の解説より
    =====
    曲げ損傷からせん断破壊移行型の場合には、......塑性化を期待してはならないことが規定されている。
    =====
    また、p.183の(4)の解説にも同様の解説があります。
  • 「期待しない」の場合
    曲げ破壊型にならなくても塑性化しなければOKとしています。
詳しくは、ヘルプ「入力|レベル2地震動−共通条件」の【部材の塑性化】の「・橋脚」をご確認ください。

 5.計算(基礎のレベル2地震動照査)

Q5−1.

「杭基礎モデルの入力画面「レベル2地震動照査|基礎条件」のタブ「条件@」の「着目点ピッチ」で指定したピッチに分割されない。
A5−1. 分割ピッチは、地層ごとに設定しています。
層下端が、杭頭〜1/βの範囲内の場合、「上」の設定値が適用されます。
層下端が、1/β〜(1/βと杭先端の中点)の範囲内の場合、「中間」の設定値が適用されます。
層下端が、(1/βと杭先端の中点)〜杭先端の範囲内の場合、「下」の設定値が適用されます。
 6.ファイル

Q6−1.

「震度算出(支承設計)(部分係数法・H29道示対応)」がインストールされていないPCで、震度連携ファイル(*.PFU)での保存、読み込みは可能か
A6−1. 可能です。
 

Q6−2.

H29道示対応版の「ラーメン橋脚の設計・3D配筋」、「ラーメン橋脚の設計計算」、「RC下部工の設計・3D配筋」、「RC下部工の設計計算」、およびSuite版の各製品のファイル拡張子は同じだが、製品間で読込可能なバージョンはどのように判断すればよいか。
A6−2. ファイルバージョンが同じか、それ以前のバージョンで作成されたものであれば読込可能です。
使用中の製品のファイルバージョンは、メニュー「ヘルプ|バージョン情報」のタブ「主要モジュールのバージョン一覧」の実行exeファイル名の「バージョン」列に表示されます。
 

Q6−3.

「震度算出(支承設計)」ファイルの保存に時間がかかる。
A6−3. 非線形動的解析用データや、設計計算書データを付加して保存した場合は、保存に時間がかかる場合があります。
このデータが不要な場合はメニュー「オプション|動作環境の設定」の「非線形動的解析用データを付加する」、「設計計算書データを付加する」のチェックを外すことで保存時間の短縮やデータ量の削減を行うことができます。
 

Q6−4.

骨組解析モデルの出力方法を教えてほしい。
A6−4. 出力方法はモデルにより、異なります。
それぞれの出力方法についてご紹介します。
・永続/変動照査モデル
 メニュー「ファイル|FRAMEデータのエクスポート」より、$O1形式のファイルを出力することができます。
 以下の3つのファイルが出力されます
  −正面図の面内モデル:***In.$O1
  −正面図の面外モデル:***Out.$O1
  −側面図の面内モデル:***Side.$O1

・レベル2地震動照査モデル
 橋軸直角方向の骨組解析モデルを出力することができます。
 ただし、レベル2地震動照査はプッシュオーバー非線形解析を行いますので、出力する解析モデルは、プッシュオーバー解析で使用した、指定したステップの骨組モデルを出力します。
 手順は以下の通りです。
  1. 結果確認画面「レベル2地震動照査|橋脚」のタブ「直角方向|詳細」を表示します。
  2. 出力する方向、地震動タイプを選択し、プッシュオーバー解析で使用したステップから出力する解析ステップを選びます。
  3. ボタン「骨組参照」をクリックし、骨組み解析結果画面を開きます。
  4. ボタン「フレーム形式で保存」をクリックすることで、$O1形式のファイルを出力することができます。



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