A3−1. |
H24道示V P294では、「(5) 節点部の応力度を照査する場合のハンチの有効部分は…」と記述されています。 このため、ハンチのコンクリートに応力が生じる下側圧縮時に適用する仕様としていました。
しかし、H29道示V P333では、「3) 設計曲げモーメントの照査におけるハンチの有効部分は…」と記述されています。
H29道示では、応力度ではなく曲げモーメントの照査となり下側圧縮時に限定する根拠がなくなったため、常に有効範囲を適用する仕様に変更しました。 |
|
|
Q3−2. |
限界状態1の照査で使用する降伏曲げモーメントの特性値Mycと最大鉄筋量照査で使用する降伏曲げモーメントの値が異なる場合があるのはなぜか |
A3−2. |
限界状態1の照査で使用する降伏曲げモーメントの特性値Mycは、H29道示V P126の解説より、圧縮応力度が設計基準強度の2/3に達する状態が先行する場合はこのときの抵抗曲げモーメントを採用します。
一方、最大鉄筋量照査はH29道示W P70の(2) 2) i)の解説の通り、鉄筋の降伏よりもコンクリートの破壊が先行しないかを照査しますので、降伏曲げモーメントは設計基準強度の2/3に達するか否かを考慮しません。
このため、限界状態1の照査で使用する降伏曲げモーメントの特性値Mycが設計基準強度の2/3に達する状態で決定された場合は、最大鉄筋量照査で使用する降伏曲げモーメントの値と異なります。 |
|
|
Q3−3. |
矩形断面の圧壊に対するねじり耐力の特性値Mtucの算出で使用する係数Ktを自動計算にした場合、どのように設定しているか |
A3−3. |
H29道示Vの表−解5.7.1の長方形の式から算出します。
η1は、V編表−解5.7.1に示されていますが、これは「構造力学公式集 土木学会」(平成15年3月31日発行)のP46表2.2(b)「長方形断面のねじり剛性と最大せん断応力を求める係数」の1/k1の値です。
η1の線形補間値と、1/k1の値の差が無視できないため、本製品の計算では1/k1を使用しています。
詳細は、ヘルプ「計算理論及び照査の方法|橋脚躯体の部材照査|ねじりモーメントに対する照査」の「・圧壊に対するねじりモーメントの制限値Mtusd」をご覧ください。 |
|
|
Q3−4. |
上部工荷重が橋軸方向に偏心しているため橋軸方向に変位が生じるが、はりの面外方向の曲げモーメントが0kN.mになる |
A3−4. |
ラーメン橋脚躯体形状が左右対称で、荷重条件も左右対称の場合、左柱と右柱の橋軸方向の変位量は同じになります。
この場合、はりは橋軸方向に変形せず、曲げモーメントは0.0kN.mになります。 |
|
|
Q3−5. |
橋座の設計は可能か |
A3−5. |
可能です。Ver.3.1.0で橋座の設計機能を追加しました。 |
|
|
Q3−6. |
杭基礎モデルの計算時間を短縮したい。 |
A3−6. |
入力画面「杭形状」のタブ「杭条件A」の「永続/変動計算ピッチ」(初期値0.100m)を大きくすることで計算時間を短縮することができます。 杭基礎の計算時間には、荷重ケース数、杭列数、杭の計算ピッチ、杭長が大きく影響します。
|
|
|
Q3−7. |
3柱式ラーメン橋脚の死荷重時の軸力が、中柱に集中する。 |
A3−7. |
乾燥収縮の影響が考えられます。 乾燥収縮は、はりと柱の全部材に設定します。 これにより、3柱式ラーメン橋脚の場合は、左右の柱に引張力、中央の柱に圧縮力が生じる傾向になります。 本製品のヘルプ「計算理論及び照査の方法|2柱式と3柱式ラーメン橋脚の乾燥収縮による影響」もご参考ください。
|
|
|
Q3−8. |
永続/変動照査の橋軸方向の骨組解析モデルの支点が柱基部に設定されているのはなぜか。 |
A3−8. |
橋軸方向の梁、柱の断面力を算出するために、面外方向の骨組解析を行っています。 フーチングの影響を剛とした断面力を計算する必要がありますが、面外方向の解析では剛部材を定義することができないため、柱基部を完全拘束することで、梁、柱の断面力を計算しています。
|
|
|
Q3−9. |
張出し部のせん断照査にせん断補強鉄筋が考慮されない。 |
A3−9. |
出し部がコーベルと判定された場合はH29道示W編5.2.7のP81の解説ii)「下部構造を構成する部材等をコーベルとして設計する場合は,…コンクリートが負担できるせん断力のみを考慮することが基本となる。」より、せん断補強鉄筋を考慮しない仕様としています。 詳細はヘルプ「計算理論及び照査の方法|橋脚躯体の部材照査|コーベル」の「■コーベルのせん断力に対する照査」をご覧ください。
|
|
|
Q3−10. |
照査結果に、制限値に対する厳しい度合いを表示してほしい。 |
A3−10. |
Ver.4の改訂で、永続/変動照査結果画面に制限値比を表示する機能を追加しました。
計算書の永続/変動照査の結果概要、結果一覧表に出力することも可能です。
照査結果画面では、はり、柱、部材ごと、および荷重ケースごとに、応答値÷制限値の値を制限値比として表示します。
制限値比が1.000を超えた場合に場合は判定がNGになります。
なお、最小鉄筋量照査など構造細目の照査の制限値比は判定がNGの場合のみ考慮しますので、照査を満たしている場合は耐久性、耐荷性の照査が表示されます。
|
|
|
Q3−11. |
コーベルのCdc算出時のせん断スパンaは、どのように算出しているか |
A3−11. |
Cdc算出時のせん断スパンaは以下の式から算出します。 a=M/S ここに、 M:照査断面とその外側の支承鉛直反力による柱前面でのモーメント(kN.m) S:照査断面とその外側の市場鉛直反力による柱前面でのせん断力(kN) 支承が配置されないとき、せん断スパンa=0.0mとなります。
|
|
|
Q3−12. |
永続/変動照査のはりの橋軸方向照査時に、上下主鉄筋を考慮したい。 |
A3−12. |
入力画面「永続/変動照査|計算条件」のタブ「断面照査条件」の「はりの断面照査|橋軸方向照査に上下主鉄筋を考慮する」にチェックを入れてください。 チェックを入れた場合、入力画面「橋脚鉄筋」のタブ「主鉄筋配置」で、はり部材の「上側両端」,「下側両端」,「ハンチ両端」として定義された鉄筋を橋軸方向照査時の曲げ照査に考慮します。 なお、「はりの断面照査|曲げ照査時、「側面」鉄筋より外側のみ考慮する」にチェックを入れると、「上側両端」,「下側両端」,「ハンチ両端」のうち、側面鉄筋より外側の鉄筋のみ考慮します。
|
|
|
Q3−13. |
橋軸・直角方向検討用荷重ケースの一覧表において、はり・柱の照査を行わない箇所があるがなぜか? |
A3−13. |
荷重種別「1.00(D+L)」は、基礎の設計のみ照査します。
これは、「道路橋示方書 W 下部構造編 平成29年11月」のP.167の解説(3)の条文2)の「1.00( D+L+PS+CR+SH+E+HP+(U) )」の組合せケースです。
タイプ「D+L」のうち衝撃を含まないケースは、安定計算、フーチングの設計に用い、はり、柱の照査は行いません。
タイプ「D+L」の衝撃を含むケースのみ、はり、柱の照査を行います。
これは、「道路橋示方書 I 共通編 平成29年11月」のP.106の解説(5)「ラーメン橋脚のように衝撃による曲げ応力の影響が無視できない構造形式・・・では、活荷重による衝撃の影響を考慮することとしている。」によるものです。
また、荷重種別「D+EQ(L2)」はレベル2地震動照査時の死荷重時の断面力、作用力を計算するためのものなので、永続/変動照査は行いません。
|