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震度算出 Q&A

目 次
   
1.入力他

Q1−1.下部工基礎がケ−ソン基礎の場合はどう考えればいいのですか?またDOS版で作成したケーソン基礎のデ−タを開くことは可能ですか? 

Q1−2.1径間の単純はりにおいて、下部構造に作用する水平力の算出について、道路橋示方書・同解説W耐震設計編P.31より記されている可動支承におけるただし書きには準じているのでしょうか

Q1−3.上部工入力はDOSバージョンのように上部工反力のみとはできないか。

Q1−4.振動単位が1基下部構造の場合の隣接上部工の死荷重 反力と上部構造重量の考え方について、端支点部が可動支承の架違い橋脚の場合(隣接橋側も可動支承)、橋軸方向の死荷重反力の入力は、隣接する上部構造 の死荷重反力を加えるのか?また、この入力した死荷重反力は、直角方向(複数下部構造) の結果に影響するか?

Q1−5.異なる下部工を入力したにもかかわらず同じ下部工が採用されるのはなぜか?

Q1−6.入力データの印刷について
支承条件は打ち出されるのですが、支承のバネ値は印刷されません。印刷項目の設定以外で指定するところがあるのでしょうか。

Q1−7.両端張り出しのT型ラーメン橋の場合で、桁端部が両端ともに自由となるモデルを作成することは可能か。

Q1−8.上部工データや下部工データを変更したいが、現在入力のデータを削除出来ないのはなぜか?

Q1−9.道路橋示方書(平成8年)X 耐震設計編で、橋台については地震時保有水平耐力法による耐震設計の対象としなくてもよい。との記載がありますが、行う方法はあるか?

Q1−10.プレートガーダーの部材データの単位重量は、主桁1本当りの単位重量か?または、主桁の本数分なのか?

Q1−11.鋼橋プレートガーターの上部工データのうち、床版の剛度を考慮・無視のボタンはどのように使い分けるのか。

Q1−12.斜π橋での斜材、垂直材をのぞいた橋脚部の設計水平震度を求めたいが、可能か。

Q1−13.小判形橋脚の柱の剛度(断面2次モーメント)が、震度法と保有水平耐力法の場合で大きな違いがあるが、なぜか?

Q1−14.掛け違い橋については検討できるか?

Q1−15.支承条件の入力箇所におけるゴム支承(水平力分散)のバネ値(水平)入力では、橋脚1基当りのバネ値を入力すればよいのか?

Q1−16.入力した下部工データの複写は出来るのか?

Q1−17.一般的な形状に欠損が有るような場合、その降伏剛性はどう設計して良いか?

Q1−18.杭基礎を突出杭として入力する方法は?

Q1−19.杭軸方向バネ定数は、予め別途に計算が必要ですか?

Q1−20.降伏剛性時Iの入力をする場合、躯体の主鉄筋で段落しになっているものはどうすればよいか?

Q1−21.一基、複数下部工の解析時の上部工重量の入力の留意点は?

Q1−22.仮想部材とは?

Q1−23.床版の剛度を考慮するか否かのスイッチは、橋軸方向にのみ考慮されるのか?

Q1−24.震度算出と橋脚保耐forwinで同形状同条件で解析を行ったが、柱の降伏剛性値が異なるが?

Q1−25.ねじり抵抗モーメントはどのようにして求めるのか?またその基準はどこにその記載があるのか?

Q1−26.杭の軸直角方向バネ定数のK1、K2、K3、K4は、道示W P348 表-解 10.6.1より算出してるのか?

Q1−27.パラペット部分が竪壁より大きな橋台を設計する際の留意点は?

Q1−28.橋台の設計時背面土の影響を考慮し、基礎のバネを非線形(荷重の向きに応じて異なるバネ値を用いる)として扱いたいが、その鉛直回転連成バネAsr、Arsに異なる値を設定する必要があるか?

Q1−29.ねじり抵抗モーメントを算出する場合の幅・高さの比で求まる係数cとはどのように算出するのか?

Q1−30.設計震度の複数下部工計算において、地盤種別が橋台、橋脚それぞれ異なる場合、橋全体で最大値が採用されないのはなぜか?

Q1−31.ケーソン基礎の様にフーチング一体になった場合にはどう入力するか?

Q1−32.基礎バネ直接入力を行う際に入力値によっては、エラーになり入力が出来ないが?

Q1−33.部材番号表示の『入力-上部工-形状データ』の断面定数関係は、部材のどちら側(i端orj端)を入力すればよいのか?

Q1−34.入力した上部工のデータを削除する方法。

2.等価線形化法

Q2−1.応答塑性率の値(簡易推定法の場合)について。

Q2−2.橋脚の塑性化の判定で採用した値「δp’とδy」の考え方。

Q2−3.等価線形化法の計算を行う際の操作方法を教えて下さい。

Q2−4.等価線形化法による耐震性の照査について、橋脚の降伏判定において、δP'は、基礎−橋脚躯体の変位量ではないのか。
δy(橋脚躯体のみの)降伏変位との対比による降伏判定はおかしいのではないか。

Q2−5.(橋台)−(橋脚)−(橋台)の構造物については、等価線形化法を使用して行う必要があるのか、フォーラムエイトではどう考えているか教えて欲しい。

Q2−6.等価線形下法で 2柱式ラーメン橋脚の場合Paは柱2本分or1本分何れか。

Q2−7.雑誌”道路”10月号に示方書の追加修正でBタイプゴム支承の連続桁は「動的解析」を行うことと修正されましたが、等価線形化法に基づく非線形応答簡易推定法(震度算出のオプション)が、示方書修正に対応できるのか。

Q2−8.等価線形化法の計算ではどの剛性を使用するのか。

Q2−9.等価線形化法においてゴム支承の許容変位δBaは、一般的にどのように算出するのですか?

Q2−10.等価線形化法で設計時に、上部工慣性力作用位置における「水平変位≠支承の変形+橋脚天端の水平変位」となったがこれはなぜか?

Q2−11.橋台の設計時背面土の影響を考慮し、基礎のバネを非線形(荷重の向きに応じて異なるバネ値を用いる)として扱いたいが、その鉛直回転連成バネAsr、Arsに異なる値を設定する必要があるか?

Q2−12.等価線形法の計算において、ケーソン基礎の場合の底版厚さは0でよいのか?

Q2−13.等価線形化法照査の際の入力値は、地震時保有水平耐力結果 Pu,δu,δy,Py等から連動出来ないのか?


1.入力他
Q1−1. 下部工基礎がケ−ソン基礎の場合はどう考えればいいのですか?
またDOS版で作成したケーソン基礎のデ−タを開くことは可能ですか? 
A1−1. 震度算出ではケーソン基礎形状入力はサポートしておりません。そのため設計を行う際には、バネ値の直接入力で対応して下さい。また、DOS版のデータでケーソン基礎が指定されている場合、これをWindows版で読み込むと、当該基礎のデータは強制的に「地盤の変形を無視」として読み込まれます。そのため実際には、ケーソン基礎としての値にはなりません。使用に当たっては以上の点をご理解下さい。
なお、別売の弊社ケーソン基礎の設計計算forwinをご利用いただければ基礎バネ算出機能をサポートしておりますので容易に求めることが可能です。
 
Q1−2. 1径間の単純はりにおいて、下部構造に作用する水平力の算出について、道路橋示方書・同解説W耐震設計編P.31より記されている可動支承におけるただし書きには準じているのでしょうか
A1−2. 道路橋示方書・同解説X耐震設計編P30のA)
「ただし、支承の摩擦力は、その支承が固定とした場合に分担する上部構造から下部構造に作用する慣性力よりは小さいものとする。」 という記述に準じています。
 
Q1−3. 上部工入力はDOSバージョンのように上部工反力のみとはできないか。
A1−3. 1基下部構造で計算する場合は、上部工はダミーデータでかまいません。 基数を上部工の径間数で決定しています。 従いまして、1基下部構造で計算する場合、上部工の入力画面では径間数 (支間データ)のみ入力すれば良く、詳細に全てを入力する必要はありません。 また、1基下部構造で計算する場合、基数分全ての下部工を定義する必要 はありません。 定義された下部工のみが1基下部構造の計算の対象になり、未定義の下部 工は無視されます。
 
Q1−4. 振動単位が1基下部構造の場合の隣接上部工の死荷重反力と上部構造重量の考え方について、端支点部が可動支承の架違い橋脚の場合(隣接橋側も可動支承)、橋軸方向の死荷重反力の入力は、隣接する上部構造の死荷重反力を加えるのか?また、この入力した死荷重反力は、直角方向(複数下部構造) の結果に影響するか?
A1−4. 死荷重反力の入力は、固有周期、震度算出には直接必要となるデータではありません。
しかし、下部構造に作用する慣性力を求めるために必要なデータです。したがって、支承条件が可動の場合には加える必要はありません。またその入力値で、計算を行うため影響します。
詳細は、ヘルプの(計算論理および照査の方法)-(複数下部構造)-(下部構造に作用する慣性力の算出方法)を参照してください。
 
Q1−5. 異なる下部工を入力したにもかかわらず同じ下部工が採用されるのはなぜか?
A1−5. 例えば、下部構造をA1、A2共に逆T式橋台で入力していると、下部構造の入力画面では「逆T式橋台1」「逆T式橋台2」と表示されているにも関わらず、メインの画面では「逆T式橋台2」「逆T式 橋台2」と表示されていたり、骨組みの絵も左右同じ形状 になってしまっているという様なケースであると思います。
2基下部工を入力された際に、何れか片側の決定の際に下部工を上手く選択できなかったために、1基目2基目が同じデータになっていることが原因です。入力の際に以下の点を確認してみて下さい。
まず、1基目を左ツリーで選択して下部工画面を出すと、1基目として選択している下部工形式が青色反転した状態で表示されています。
これが1基目として確定されているデータです。
ここで考えているデータと違う下部工データにチェックが付いていると、別の下部工が選択されていることになります。
メイン画面のツリーでは何番目の下部工を選択するかを選び 下部工画面では どの下部工をその下部工とするかを選択するのですが、ここで1基目2基目どちらもが下部工画面を開いたときに同じ下部工にチェック(青色反転)が付いている為、同じ下部工が採用されたことになっています。
ここでは、必ず選択したいデータにあわせて「確定」とすれば入力データが選択されたことになり、画面設計伴に反映されます。
ver1.24以降では確定の際に選択を有効とするか否かの問合せチェックボックスを設けていますのでこの機能もご利用下さい。
 
Q1−6. 入力データの印刷について
支承条件は打ち出されるのですが、支承のバネ値は印刷されません。印刷項目の設定以外で指定するところがあるのでしょうか?
A1−6. 項目のみの指定は有りませんが、複数下部構造データを出力頂ければ印刷されます。
 
Q1−7. 両端張り出しのT型ラーメン橋の場合で、桁端部が両端ともに自由となるモデルを作成することは可能か?
A1−7. 本プログラムでは、最初に支間数を設定すると下部工の設定項目が現れますが、実際は、中央の橋脚の設定のみで両端の下部工を設定する必要が無いとお考えになると思いますが、擬似的に両端の下部工に中央の下部工を指定していただき、両端の支承条件を自由にしていただければ両端の下部工が計算の対象外になります。
この方法で計算は可能です。

上部工1
  |
  |―下部工1 →(自由)
  |―下部工1
  |―下部工1 →(自由)
 
Q1−8. 上部工データや下部工データを変更したいが、現在入力のデータを削除出来ないのはなぜか?
A1−8. 現仕様では、データ変更後に削除いただく仕様です。
その操作方法は以下の手順に成ります。
まず上部工の場合には、入力データの左ツリーで既存データの上部工をダブルクリックし、上部工入力窓へ移ります。そこで変更する上部工モデルを選択し、別の上部工を入力します。 この際画面上で反転している「上部工の削除」ボタンが選択可能になります。しかしここでは 新規入力の上部工しか削除できませんので、新規入力した上部工を選択し、確定として下さい。 この後もとの画面から再度上部工を選択し、上部工入力画面に移動しここで余っている上部工を 削除するこの様な作業で削除が可能です。

下部工入力も同様にまず画面の左ツリーから、変更したい下部工を選択します。 この下部工を選択後、下部工入力画面に変わりますので、ここで新規に下部工を選択入力します。その後画面上で反転している「下部工の削除」ボタンが選択可能になりますのが、この状態では削除できません。新規選択した下部工で確定し、元の画面に戻し、再度下部工を選択します。このとき、決定されていない下部工が削除可能になりますので、ここでその下部工を 選択し「下部工の削除」ボタンにより削除して下さい。
 
Q1−9. 道路橋示方書(平成8年)X 耐震設計編で、橋台については地震時保有水平耐力法による耐震設計の対象としなくてもよい。との記載がありますが、行う方法はあるか?
A1−9. 橋台形状を選択した場合には、設計震度を求めるときに地震時保有耐力法による計算はおこなわれていません。此は道路橋示方書軒債に従っているからですが、簡易入力および直接入力で形状を橋台とし、剛性の入力に降伏剛性時の値を入力すれば橋脚と同じように計算を行うことが出来ます。
ただし、これを橋台の設計水平震度として適用するかはについては設計者のご判断によるものとなります。

複数下部構造では、同一振動系であれば震度算出で求めた設計水平震度を橋台の設計水平震度として適用する事も可能かと思いますが、これを橋台の設計水平震度として適用出来るかどうか設計者の判断によるものとなります。
 
Q1−10. プレートガーダーの部材データの単位重量は、主桁1本当りの単位重量か?または、主桁の本数分なのか?
A1−10. 主桁の本数分入力してください。
 
Q1−11. 鋼橋プレートガーターの上部工データのうち、床版の剛度を考慮・無視のボタンはどのように使い分けるのか。
A1−11. 剛度算出時の床版の扱いでは、橋軸方向検討時に用いる断面積、断面2次モーメントの算出で床版の剛度を考慮するか否かを選択します。
「床版の剛度を無視する」を選択した場合、鋼桁部分のみの断面積、断面2次モーメントを算出します。「床版の剛度を考慮する」を選択した場合、床版の剛度を考慮した断面積、断面2次モーメントを算出します。(詳細はhelpを参照下さい)

基本的には床版が桁と一体となって挙動すると考える場合には床版の剛性を考慮することとなります。合成桁である否かは問いません。
橋軸方向について言えば、重要なファクターは水平軸回りの曲げ剛性よりも橋軸方向の伸び剛性です。上部構造の伸縮を考えると、床版と桁は同じ挙動を示すと考えられます。また、橋軸直角方向では鉛直軸回りの曲げ剛性が重要なファクターになりますが、この場合も床版と桁は一体になって挙動するとみなせます。
したがって、通常の桁橋であれば床版の剛性を考慮すべきであるといえます。
本プログラムでは、お客様の方の考えをある程度反映できるような仕様として無視する場合の検討も可能なようにしています。
 
Q1−12. 斜π橋での斜材、垂直材をのぞいた橋脚部の設計水平震度を求めたいが、可能か。
A1−12. 震度算出では、斜π橋はサポートしておりませんので、設計水平震度は計算できません。
 
Q1−13. 小判形橋脚の柱の剛度(断面2次モーメント)が、震度法と保有水平耐力法の場合で大きな違いがあるが、なぜか?
A1−13. 「道路橋示方書・同解説X耐震設計編 平成8年12月」の26ページ1)に、「橋脚の剛性は、震度法による耐震設計では橋脚の全断面を有効とみなして算出される剛性を、地震時保有水平耐力法による耐震設計では橋脚の降伏剛性を用いる。」と記載されています。
その為大きな差となる場合があります。また地震時保有水平耐力法の剛性は、降伏剛性になります。
 
Q1−14. 掛け違い橋については検討できるか?
A1−14. 本プログラムでは残念ながら対応出来ません。弊社別売のUC-winシリーズのT&Wuでは検討いただけますのでこちらのご利用をお奨めいたします。
さて上部構造入力にて、かけ違い橋脚を考慮し、隣接上部工重量を入力した場合の各橋脚への分担重量がおかしい等のご指摘を頂くことがあります。
これは隣接上部構造重量は上部構造の骨組みに直接作用し、全体のモデルに影響する仕様となっているためお考えのような掛け違いとモデル化が異なるためです。

隣接上部構造の重量;ゴム支承以外の場合で、かつ隣接橋の支点条件が固定の場合を想定した入力項目
隣接上部構造重量の重量を入力すれば当該下部構造の分担重量としてそのまま計算に考慮されます。

作用位置としては橋脚天端になるのではないかというご意見もありますが、力の伝達そのものについては両者の違いは殆どなく、上部工骨組み載荷で問題ないと考えています。
隣接上部構造重量は着目下部構造にそのまま考慮する仕様となっており、モデルによっては議論のあるところですが、その点は設計者の判断を加えていただきたいと考えています。 
 
Q1−15. 支承条件の入力箇所におけるゴム支承(水平力分散)のバネ値(水平)入力では、橋脚1基当りのバネ値を入力すればよいのか?
A1−15. 1基当りのバネ値を入力して下さい。
 
Q1−16. 入力した下部工データの複写は出来るのか?
A1−16. 可能です。既に入力している下部工があるとき下部工画面上に、 「複写」ボタンが表示されます。
既に入力されている下部工を左ツリー部で選択し、このボタンを押してください。これにより下部工名称を変えて追加します。
必要に応じて下部工名称を変更しご利用下さい。

なお、上部工についても手順は同様です。

※尚この機能はver1.23以降の機能です。最新版をご利用下さい。
 
Q1−17. 一般的な形状に欠損が有るような場合、その降伏剛性はどう設計して良いか?
A1−17. 柱部の配水施設考慮などによる断面の欠損(切り欠き形状)など特殊な形状については形状入力機能として準備しておりません。その為一般形状として、直接形状を選択して計算する事は出来ません。
降伏剛性時Iの入力で「入力」を選択いただき、お手数ですが、降伏剛性時Iを別途計算し直接入力しご利用下さい。
 
Q1−18. 杭基礎を突出杭として入力する方法は?
A1−18. 耐震設計上無視する層(土質定数0の層とその上層)がある場合などの入力方法は、
1.地盤条件入力部では地層入力しない
2.フーチング下面の地表面からの深さに負の値を入力する
を行うことで杭を突出杭とすることができます。
 
Q1−19. 杭軸方向バネ定数は、予め別途に計算が必要ですか?
A1−19. 杭軸方向バネ定数に0を入力すれば、
「道示.下部構造編-10.6.1 杭の軸方向バネ定数」
の解説の式に従い杭軸方向バネ定数をプログラム内で算出します。
ただし、杭軸方向バネ定数に0以外の値を入力した場合は、杭軸方向バネ定数の計算は行わず、杭種に関係なく入力された値を優先します。
また、「入力データ」の出力では、入力データをそのまま出力していますので、杭軸方向バネ定数に0が入力されていても計算を行わず、そのまま0を出力しています。
杭軸方向バネ定数に0を入力された場合には、「計算結果」の出力でその結果をご確認ください。
 
Q1−20. 降伏剛性時Iの入力をする場合、躯体の主鉄筋で段落しになっているものはどうすればよいか?
A1−20. 橋脚の形状入力では、主鉄筋段落しの入力はサポートしておりません。その為直接入力による設計としては対応ができません。
「骨組直接入力」で、変断面の区分を分割し、骨組でモデル化頂ければいいかと思います。
この際「骨組直接入力」では、降伏剛性を自動計算することはできませんので、弊社別売の
「UC-1 RC橋脚の地震時保有水平耐力」「UC-1 橋脚の設計計算」などを用いて降伏剛性を算出し、直接入力頂くか別途設計頂き、その値を御入力下さい。
なお、降伏剛性の入力に関しましては、ヘルプの「Q&A|保有耐力照査|保有耐力照査」のQ1をご参照ください。
 
Q1−21. 一基、複数下部工の解析時の上部工重量の入力の留意点は?
A1−21. 上部構造重量の入力画面の分担重量および載荷位置は、1基下部構造の計算でのみ使用されます。複数下部構造として計算される場合、分担重量の入力は必要ありません。
一方、上部工部材データの部材長と始端・終端の単位重量は、複数下部構造の計算でのみ使用されます。
その為、1基下部構造として計算される場合、上部工のデータを詳細に入力する必要はありません。(ダミーで構いません)

現仕様では1基複数両方を設計される際には両データの詳しい入力が必要ですが、1基下部構造と複数下部構造と区別して設計する際にはこの様にお考え下さい

また、上部工死荷重反力は、1基下部構造および複数下部構造の双方の計算に使用され、2/3・Kh・Rdや降伏剛性の算定に使用されています。
ここでの注意は、入力された上部工死荷重反力の合計と上部工入力画面の部材データで入力された部材長と始端・終端の単位重量から求まる上部工全重量は一致する必要があります。
このとき、上部工重量は、(始端単位長さ当たりの重量+終端単位長さ当たりの重量)×部材長÷2の合計値で求められます。
 
Q1−22. 仮想部材とは?
A1−22. 「仮想部材」は、「道路橋示方書・同解説X耐震設計編 平成8年12月」の26ページ 「図-解 3.3.8 固有周期算定モデル」で、EI = ∞ と書かれている部材の剛度の入力です。
剛域ですので、部材の剛度にはそれ相当の大きな値(他の部材よりも大きな値)を入力します。本プログラムでは、無限大の剛度を持つ部材の処理はできませんので、他部材の剛度に対して、10倍程度の剛度を入力頂ければよいと思います。
また、高さには、沓座面から上部構造重心までの高さを入力します。
設計条件の橋軸方向仮想部材[沓座面〜上部工重心位置]で、複数下部構造の震度算出で仮想部材を考慮するか否かを指定します。
「無視する」を選択した場合でも、橋軸直角方向の震度算出では常に仮想部材を考慮しますので、「入力(I)|仮想部材(V)」で必ず仮想部材のデータを入力する必要があります。
この使い分けについては、「道路橋示方書X」の17ページ(4)項をご参照ください。
橋軸方向の場合は、(4)項1)により、通常は「無視する」を選択すればよいと存じます。
橋軸直角方向の場合は、(4)項2)により、常に考慮されることになりますが、本プログラムでは、設計者判断をある程度反映できる仕様として、橋軸方向の震度算出で仮想部材を考慮する場合の検討も可能なようにしています。
 
Q1−23. 床版の剛度を考慮するか否かのスイッチは、橋軸方向にのみ考慮されるのか?
A1−23. 剛度算出時の床版の扱いでは、橋軸方向検討時に用いる断面積、断面2次モーメントの算出で床版の剛度を考慮するか否かを選択します。
直角方向検討時に用いる断面2次モーメント、ねじり抵抗モーメントは耐震設計編参考資料の例に従って床版の剛度を考慮した値を算出します。
その為、橋軸方向にのみスイッチは考慮され、直角方向にはこの選択は影響はありません。
 
Q1−24. 震度算出と橋脚保耐forwinで同形状同条件で解析を行ったが、柱の降伏剛性値が異なるが?
A1−24. 「震度算出」の降伏剛性時Tにおける「柱区間高さ方向分割数」が、「RC橋脚」での入力値と異なるのではないかと思われます。
この部分は、最大で50分割まで指定分割計算ができますので、RC橋脚の入力と同じ値を入力してください。
「柱区間高さ方向分割数」、及び「断面方向分割数」を確認下さい。
 
Q1−25. ねじり抵抗モーメントはどのようにして求めるのか?またその基準はどこにその記載があるのか?
A1−25. ねじり定数Jを表しています。「道路橋示方書・同解説 T共通編 Vコンクリート橋編 平成8年12月」P148をご参照ください。
参考例として矩形断面として計算する場合、ねじり定数の計算は以下のように行います。

他の形状については  (社)日本橋梁建設協会 デザインデータブック 等を参考にされ、求めた諸元を御利用下さい。
 
Q1−26.  杭の軸直角方向バネ定数のK1、K2、K3、K4は、道示W P348 表-解 10.6.1より算出してるのか?
A1−26. 本プログラムでは、杭軸直角方向のバネ定数は、杭を地層毎に異なるバネで支持された弾性床上のはりがつながっているものとして解析しています。
その為、地層毎の評価で解析しており精度の高い結果を得る事が可能です。
比較確認で手計算で求める際に、「水平方向地盤反力係数が深さによらず一定で、杭の根入れの深さが十分に長い場合」にのみ適用できるChangの式で計算されることが有りますが、この場合には一般には両者のバネ定数は一致しません。
これは「水平方向地盤反力係数が深さによらず一定で、杭の根入れの深さが十分に長い場合」には両者は極めてよい精度で一致します。
 
Q1−27. パラペット部分が竪壁より大きな橋台を設計する際の留意点は?
A1−27. 現版ver1.29までの仕様では、以下の問題点が発生しております。

・パラペット部分が竪壁より大きな構造の橋台では、骨組み化の際に、下図の節点4が節点5より上に設定されることがある。

これは、解析モデル上の質点である節点4の位置を「竪壁+パラペット」の重心位置としているためで、パラペットが大きくなるにつれて重心位置が上にずれいき、形状によっては節点5を越えるケースがでてきます。
その為、 計算においてフーチング上面から橋台天端までの距離が、実際より長く評価されてしまいます。
一見すると、天端より高くなっている重心位置より、低くなっているように思われますが、骨組みの上では2重にカウントされ、その分だけ長く評価されていることになります。
そのため、結果としては誤差程度の微少な違いではありますが、わずかながら固有周期が長くなり、分担重量も大きくなってしまいます。
此方で確認したオーダーでは、1%未満程度の差で生じますが、微少であり影響は無いものと考えております。
 
Q1−28. 橋台の設計時背面土の影響を考慮し、基礎のバネを非線形(荷重の向きに応じて異なるバネ値を用いる)として扱いたいが、その鉛直回転連成バネAsr、Arsに異なる値を設定する必要があるか?
A1−28. 「道路橋示方書・同解説X耐震設計編 平成8年12月」P23(2)Aに、「橋台のモデル化に際しては、橋台背面土の質量、変形等の影響を無視してよい。」と記載されています。
本プログラムでは、この記述に準拠し、背面土の影響を考慮せず、基礎のバネを線形として扱っています。
すなわち、橋台の前面方向、背面方向どちらに対しても同じバネ値を使用しています。

通常の設計例をみましても、より安全側に設計しますので、背面土による荷重は考慮しますが、その抵抗は考慮しません。地震荷重の正負交番作用の検討でも矛盾は生じないと思われます。
 
Q1−29. ねじり抵抗モーメントを算出する場合の幅・高さの比で求まる係数cとはどのように算出するのか?
A1−29. 「道路橋示方書・同解説 T共通編 Vコンクリート橋編 平成8年12月」P148の「表-解2.4.1」の表をご参照下さい。
C=1/η3
となります。
 
Q1−30. 設計震度の複数下部工計算において、地盤種別が橋台、橋脚それぞれ異なる場合、橋全体で最大値が採用されないのはなぜか?
A1−30. 本プログラムでは、「道示X」P28「3.3.3 慣性力の算定方法」の(2)項、および、P35の「この値と各橋脚ごとに求めた設計水平震度もしくは等価水平震度のうち、それぞれ最も大きな値を用いるものとする。」という記載に準拠し、同一の設計振動度単位では、設計水平震度に、橋脚というグループの中での設計水平震度の最大値を用いる仕様となっています。

本件につきましては、上記の記載から、以下のように見解が分かれるところだと思います。

『同一振動単位内で最大の設計震度を用いるべきであるとも橋脚というグループの中で最大の設計震度を用いるべきであるとも解釈できます。』
現仕様では結果として最大値を採用する仕様ですが、設計者の判断に委ねられる仕様に改定する方向で検討させていただきます。

設計者の方が全下部工に対して適用されるのであれば、橋台に対しても橋脚と同様の地盤種別にして頂ければいいと思います。
橋脚と橋台において地盤種別が異なるということは同じ固有周期に対して異なる応答をするということになりますが、実際には動的解析を実施しないとその性状については明確にはとらえることが出来ないと存じます。
また、現在の橋台設計法は、地震時保有水平耐力法の対象外となっております。(この部分は今後の道路橋示方書改定にて対象となる予定です。)
その為、橋台においては、等価水平震度が算出できないこととなり、最大値をとる対象からも外さざるを得なくなります。
すなわち、混乱をなくすため、現仕様では、橋台を含まず最大値を取るという仕様としております。
 
Q1−31. ケーソン基礎の様にフーチング一体になった場合にはどう入力するか?
A1−31. 本プログラムでは、橋脚を、梁部、柱部、フーチング部の3つの部分から成るものとして骨組データを自動生成しています。
このため、フーチング高、フーチング幅何れも有限の幅とすることが必要です。
したがいまして、形状入力では対応できませんので、「骨組直接入力」の「基礎バネ直接入力」にて対応して頂く必要があります。
  
Q1−32. 基礎バネ直接入力を行う際に入力値によっては、エラーになり入力が出来ないが?
A1−32. 基礎バネ直接入力に関しまして、道路橋示方書X耐震設計編P22の「解3.3.5」より、

H0>0.0、Arr>0.0、M0>0.0、Asr<0.0

ですので、

H0Arr-M0Asr>0.0

になります。
ここで、(Ass×Arr-Asr^2)<0.0とすると、δ0<0.0となり、正の荷重に対して負の変位が発生することになります。
従って、(Ass×Arr-Asr^2)>0.0とする必要があり、これを制限としています。
 
Q1−33. 部材番号表示の『入力-上部工-形状データ』の断面定数関係は、部材のどちら側(i端orj端)を入力すればよいのか?
A1−33. 部材番号は、部材データでの部材番号に対応しており、i端・j端ではなく入力部材長間の断面となります。
 
Q1−34. 入力した上部工のデータを削除する方法。
A1−34. 新しい形状の上部工を上部工入力の画面で追加し、これを選択しなおすことにより、不要となる上部工データの削除が可能となります。
この場合、以前に選択されていた上部工は、そのまま上部工入力の画面に残っていますので、不必要であれば、前記選択を行った後に削除して下さい。
(選択されている上部工は削除できませんので、震度算出モデルから一旦選択を外す必要があります。)

上部工に「箱桁」を追加し、「箱桁」を選択後、「プレートガーダー」を削除する手順をご説明いたします。

以下に選択手順をご説明いたします。
1)メイン画面左のツリーから「プレートガーダー」をダブルクリックし、上部工入力画面に移ります。
2)上部工入力画面左のツリーの「箱桁」にカーソルをあわせます。
3)「確定時に上部工の選択を有効とする」をチェック状態にし、「確定」ボタンをクリックします。

上記手順で「プレートガーダー」が未選択状態になり、「箱桁」が選択状態になります。
選択状態の上部工は、メイン画面左のツリーの一番上に表示されます。
下部工も同様の手順で選択することができ、メイン画面左のツリーの上部工の下に上部工左から順次表示されます。
メイン画面左のツリーに表示された上部工および下部工が固有周期算定に使用されます。

上記手順後、再度上部工入力画面を開き、未選択の上部構造を削除します。

以下に削除手順をご説明いたします。
1)メイン画面左のツリーから「箱桁」をダブルクリックし、上部工入力画面に移ります。
2)上部工入力画面左のツリーの「プレートガーダー」にカーソルをあわせ、「上部工の削除」ボタンをクリックし、「確定」ボタンをクリックします。
2.等価線形化法
Q2−1. 応答塑性率の値(簡易推定法の場合)について。
A2−1. 応答塑性率μRは以下の式で求めます。

μR=δp/δy

δp:等価線形化法により求められた橋脚天端の水平変位(m)
δy:入力された橋脚の降伏変位(m)


なお、弾性域と判定された場合のδpは以下の式で求めます。

δp=CdL×δU1×ΦP1/ΦU1

CdL:補正係数(1.1)
δU1:2自由度系モデルの一次振動モードの固有値,減衰定数,加速度応答スペクトルから求めた上部構造の慣性力作用位置に生じる水平変位(m)
ΦP1:橋脚天端の正規化された固有振動モード
ΦU1:上部構造の正規化された固有振動モード
 
Q2−2. 橋脚の塑性化の判定で採用した値「δp’とδy」の考え方。
A2−2. δp’は、橋脚が塑性化すると仮定して求めた支承の変形δB’から以下の式で求めています。

δp’=δU1−δB’

δU1:@に同じ
δB’:支承の変形で以下の式で求めます。

δB’=Py/KB

Py:入力された橋脚の降伏水平耐力
KB:入力された支承のバネ定数

δyは入力された橋脚の降伏変位です。

なお、照査の計算式につきましては、ヘルプ「概要→プログラムの機能概要→等価線形化法による耐震性の照査の「照査の流れ」に詳細を記載しておりますので、そちらをご参照ください。
 
Q2−3. 等価線形化法の計算を行う際の操作方法を教えて下さい。
A2−3. 等価線形化法による耐震性の照査は震度の計算が実行済みでかつ下部工のツリーで橋脚(簡易入力および骨組み直接入力の橋脚を含む)が選択された場合のみ可能になります。
  
Q2−4. 等価線形化法による耐震性の照査について、橋脚の降伏判定において、δP'は、基礎−橋脚躯体の変位量ではないのか。
δy(橋脚躯体のみの)降伏変位との対比による降伏判定はおかしいのではないか。
A2−4. 等価線形化法では

上部構造の慣性力の作用位置に生じる水平変位δU1
橋脚天端の水平変位δP1 の算出

支承がδB' 変形するときの橋脚天端の水平変位δP' を求める。
δP'=δU1−δB'

橋脚の塑性化の判定
δP'>δy :橋脚は塑性化している。
δP'≦δy :橋脚は弾性域にとどまっている。

δP’は、2自由振動系モデルで橋脚天端と上部工慣性力作用位置の振幅比から求められていますので、両者に含まれる基礎の変位は相殺されるものと思われます。
この判定は、土研の資料を参照していますので、詳細がお知りにないたければ土研の方へお問い合わせ頂いた方が確実かと存じます。
   
Q2−5. (橋台)−(橋脚)−(橋台)の構造物については、等価線形化法を使用して行う必要があるのか、フォーラムエイトではどう考えているか教えて欲しい。
A2−5. ゴム支承で水平力分散を図る橋梁形式の橋脚の耐震設計をエネルギー一定則を適用して行うと、十分な精度が得られないことがあります。等価線形法はこのような橋梁形式の橋脚の耐震設計をより合理的に精度よく行うための手法です。したがって、このような形式の場合には径間数にかかわらず適用するのが望ましいと考えます。

橋台−橋脚−橋台からなる橋梁で、ゴム支承で反力分散を図る場合、橋脚の耐震設計に等価線形化法を適用しないという積極的な理由は見当たりません。
両端が橋台で弾性支持されているにしても、橋脚が2自由度振動系でモデル化されることには変わりがありませんので適用して計算するのが望ましと思われます。
 
Q2−6. 等価線形下法で 2柱式ラーメン橋脚の場合Paは柱2本分or1本分何れか。
A2−6. 等価線形化法では、橋脚躯体を1本の柱としてモデル化して いますので2柱式橋脚の場合は橋軸/直角方向共に水平耐 力は2本分を足した値として下さい。
 
Q2−7. 雑誌”道路”10月号に示方書の追加修正でBタイプゴム支承の連続桁は「動的解析」を行うことと修正されましたが、等価線形化法に基づく非線形応答簡易推定法(震度算出のオプション)が、示方書修正に対応できるのか。
A2−7. 今回の示方書の修正における「動的解析」 に「等価線形化法による簡易推定法」を含める事ができるのかどうかがはっきりしませんが、「等価線形化法による簡易推定法」は2自由度振動系モデルの動的解析に基づいているので、動的解析に含めていいと考えています。発注元と十分協議して、ご利用下さい。
Q2−8. 等価線形化法の計算ではどの剛性を使用するのか。
A2−8. 等価線形化法の計算では、剛度は直接使用していませんが、降伏変位、水平耐力、終局変位を使用しますので、実質的には保有水平耐力法の剛性を使用しているといえます。
 
Q2−9. 等価線形化法においてゴム支承の許容変位δBaは、一般的にどのように算出するのですか?
A2−9. ゴム支承の許容変位は支承形状が確定してからでないと正確な値を得ることはできません。この許容変位はゴムの許容ひずみから得られるもので、ゴム層の厚さや鉛直荷重等によって変わってきます。
詳しいことは「道路橋の耐震設計に関する資料」(平成9年3月 日本道路協会)2.4.2ゴム支承本体の設計に書かれています。(ここではひずみの照査を行っています。)

・当社のプログラムをご利用頂く場合には、変位等を仮定してゴム支承の形状を決める。
・等価線形化法で変位や慣性力を求める。

を繰り返される方がいいと思います。

上記において地震時の慣性力が確定しているのであれば、ある固定された形状に対して地震時の変位を変えて許容値をぎりぎり満足できる値を求めれば、これが許容変位になります。
実際の設計においてはこの値を求める必要はなく、与えられた条件の下で照査項目全てがOKであればそれでいいことになります。
 
Q2−10. 等価線形化法で設計時に、上部工慣性力作用位置における
「水平変位≠支承の変形+橋脚天端の水平変位」
となったがこれはなぜか?
A2−10. 上部構造の慣性力の作用位置に生じる水平変位δU 、支承の変形δB および橋脚天端
の水平変位δP の算出方法を以下に記述します。
δU=CdL・δU1
δP=CdL・δP'
δB=CdB・δB'
ここに、
CdL :上部構造の慣性力作用位置に生じる水平変位の算出に用いる補正係数で、これは等価線形化法による上部構造の慣性力の作用位置に生じる水平変位の解析精度を補正するものであり、1.1 とする。
CdB :ゴム支承に生じる水平変位の算出に用いる補正係数で、これは等価線形化法
によるゴム支承に生じる水平変位の解析精度を補正するものであり、橋脚の損傷状態
に応じて以下の値とする。
橋脚が塑性化していると判断された場合 :CdB=1.2
橋脚が弾性域にとどまっていると判断された場合 :CdB=1.1

支承の変形量は橋脚の降伏の如何にかかわらず次のようになります。
δB’=δU1−δP’
   =δU/CdL−δP’
したがって、
δP+δB=CdL・δP’+CdB・δB'
=CdL・δP’+CdB(δU/CdL−δP’)
=(CdL−CdB)δP’+CdB/CdL・δU
ゆえに、CdLとCdBが一致する場合に始めて、
δU=δP+δB
が成立します。
橋脚が降伏しない場合は、CdBが1.1でCdLと等しくなり上記の式が成立します。
 
2−11. 橋軸直角方向に死荷重時偏心モーメントが作用する際の等価線形化法による照査の方法はどのようにすればいいか?
A2−11. 等価線形化法の入力値である、降伏変位、水平耐力、終局変位に、偏心モーメントを考慮した値を入力すれば偏心荷重を考慮した設計が可能です。
しかし、本プログラムでは直接偏心モーメント載荷時の諸値を求めることが出来ませんので、弊社別売の「UC-1 橋脚の設計計算」を御利用いただき、偏心モーメントを考慮した降伏変位、水平耐力、終局変位を算出することができます。
この諸元をもって入力設計されることをお奨めします。
なお、偏心がある場合には始点側に曲げた場合と終点側に曲げた場合とでは剛性が異なりますので、偏心を考慮した場合と無視した場合の両方で照査する事をお奨めいたします。
 
Q2−12. 等価線形法の計算において、ケーソン基礎の場合の底版厚さは0でよいのか?
A2−12. 骨組み直接入力で設定されるケーソン基礎の場合、フーチングは設置せず、直接基礎から柱構造になる場合が多いと思います。
等価線形化法の計算においては、フーチング厚0も問題なく計算を行うことが出来ますので、「フーチング厚」は0として計算して下さい。
 
Q2−13. 等価線形化法照査の際の入力値は、地震時保有水平耐力結果 Pu,δu,δy,Py等から連動出来ないのか?
A2−13. 震度算出で算出している降伏変位や水平耐力は、初降伏時のものです。
一方、等価線形化法が要求している降伏変位や水平耐力は、降伏時のものです。
従いまして、震度算出からのデータとして連動はせず、等価線形化法固有のデータとして入力していただく仕様としております。

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