4.貯留施設編 |
Q4−1. |
「防災調節池等技術基準(案)解説と設計実例P-156、図33水位容量曲線図」に示しているH−F(水位−面積)図に対応しているか? |
A4−1. |
「貯留施設」入力画面−「入力」−「調節池」にて、調節池容量の水深と面積を直接入力いただけます。 |
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Q4−2. |
ポンプ方式による計算が可能か? |
A4−2. |
ポンプ方式は、排水量固定として計算することが可能です。 |
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Q4−3. |
貯留施設→入力の画面で、オリフィス詳細表入力の「下段計算」のON/OFFによる相違点は?
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A4−3. |
「下段計算」は、オリフィスが上下2段のモデル時に、下部オリフィスのみを用い排水することを意味しております(上部オリフィスは排水されません)。 |
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Q4−4. |
オリフィスの位置が池の底より低いケース(例:防災調整池等技術基準P44の図参照)の入力方法は? |
A4−4. |
本製品では、オリフィス寸法Hlは池底からの入力になっており、寸法Hlは最小値を0.0としているため、オリフィス寸法入力表で池底の下側にオリフィス寸法Hl入力することはできません。
但し、防災調整池等技術基準P44の図でいいますと、池底を放流施設の底面として考え、「調節池容量」の表に、放流施設底面から池底(計画堆砂面)までを考慮する入力を行うことで、池底より下側のオリフィスの入力に対応することができると考えております。 |
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Q4−5. |
放流施設が複数あるモデル化は可能か? |
A4−5. |
本製品の放流施設は以下のようになっていますのでご確認頂きたいと存じます。
(1)オリフィス
放流管(矩形)と放流管(円形)は、それぞれ上下に2段まで設置可能です。
また、オリフィス形状は最大10個配置することができ、最大20個のオリフィスをモデル化することができます。
(2)ポンプ放流
ポンプの設置段数は、無制限に設置可能です。
(3)せきによる放流
四角せき、三角せき、台形せき、矩形2段せきを1種類のみ配置可能です。
■最後に
オリフィス、ポンプ放流、せきによる放流の併用は可能です。 |
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Q4−6. |
上流側に設置した貯留施設からの放流量がモデルに反映していない理由は? |
A4−6. |
上流側に設置している貯留施設のスイッチ制御タブ内の「貯留施設の流出量あり」−「下流に放流する」計算スイッチがチェック(ON)されているかを確認して下さい。
この計算スイッチをチェック(ON)した場合には下流側に設定した貯留施設に放流することができます。 |
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Q4−7. |
最終貯留施設の洪水到達時間が指定した値と異なる理由は? |
A4−7. |
本製品の貯留施設の流入ハイドログラフは、上流施設(流域、浸透施設、貯留施設)で入力指定及び計算された洪水到達時間(計算時間Δt)が個別に指定できますので、ここではそれらの計算時間Δtの最大公約数を求め、流入ハイドログラフを計算します。
上記については、本製品オンラインヘルプ「計算理論及び照査方法→貯留施設→ハイドログラフ」に図解入りで説明していますのでこちらもご確認頂きたいと存じます。
例えば、最終貯留施設の流域の洪水到達時間(計算時間Δt)を18分と上流側の貯留施設の洪水到達時間(計算時間Δt)を11分と指定していますので最終貯留施設での洪水到達時間はその最大公約数1分として計算しています。
洪水到達時間をお考えの時間に変更する際には、上記にご説明しました各流域の洪水到達時間(計算時間Δt)の入力を再度ご検討頂きたいと存じます。 |
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Q4−8. |
製品添付のサンプルデータ「Sample林地開発基準」で洪水調節容量は、厳密解法<簡便法となるのが一般的だと考えていたが、異なる理由は? |
A4−8. |
簡便法と厳密解法の計算結果が異なる簡便法<厳密解法と算出される理由は、両者の計算方法が異なっていることが考えられます。
簡便法の計算は、流域面積、流出係数、許容放流量、降雨強度式を用い計算を行っていますが、厳密解法の計算は、降雨強度式から算出した流量、池の容量寸法(H-V,H-A-V)、オリフィス等放流施設の寸法により流入量と流出量の差が調節池に水平に貯留されるものとして計算していますので、両者の計算結果についての大小関係は必ずしも簡便法>厳密解法とならないと考えています。
また、ご指摘されたSample林地開発基準.f7aが簡便法<厳密解法と算出される理由は、林地開発基準では、排水施設入力画面のスイッチ制御タブ内の流出係数、流域面積「調節(調整)池の集水区域面積a、集水区域の開発後流出係数f’」を簡便法の計算に用いており、また、上記にご説明した両者の計算方法の違いよることであり、両計算(簡便法、厳密解法)結果は正しく算出されていることをどうぞご理解頂きたいと存じます。 |
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Q4−9. |
下水道雨水調整池技術指針(案) 解説と計算例 昭和59年 社団法人 日本下水道協会を適用基準で作成することができないでしょうか? |
A4−9. |
お客様のご質問は恐らく、本製品入力データに「下水道雨水調整池技術基準(案)解説と計算例」の切り替えスイッチがないとご指摘されていると考えておりますが、本製品は、「防災調節池等技術基準(案) 解説と設計実例 社団法人 日本河川協会」を主たる適用基準としており、「防災調節池技術基準(案)」 (調節池)と「大規模宅地開発に伴う調整池技術基準(案)」(調整池)についての「貯留施設、浸透施設」における、単独、複合設計および総合評価をおこなうことができます。
お客様がご希望されている「下水道雨水調整池技術基準(案)解説と計算例」についても当然ながら本製品開発時に参考にしておりますが、基本的に「防災調節池技術基準(案)」と計算手法が同様な為に計算スイッチ等は設けておりません。
また、「下水道雨水調整池技術基準(案)解説と計算例」に記述している以下の計算には現在対応しておりません。どうぞ、ご了承ください。
第1章 確率雨量と降雨強度曲線
1-1 確率雨量の計算
第3章 容量の算定
3-3 調節容量の計算(横越流方式)
第4章 ダム式調整池の放流施設及び余水吐き
4-2 放流管
第5章 ダムの安定
第6章 掘込み式調整池の計画 |
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Q4−10. |
調節池が地山の斜面等がそのまま残っておりいびつな形状になる場合でも対応しておりますでしょうか。自分で面積の計算をすることが必要でしょうか。 |
A4−10. |
面積は入力値となっています。
本製品の池の容量入力は、「水位と容量を直接入力する」か「水位とその時の湛水面積を与え容量を算出する」の何れかの方法にて指定して頂きたいと存じます。
また、「水位とその時の湛水面積を与え容量を算出する」を指定時には、算定式「せつ頭錐体、平均面積を有する柱体」の何れかを選択することができます。 |
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Q4−11. |
降雨終了後の水位低下の算出は可能か? |
A4−11. |
本製品は「防災調節池等技術基準(案) 解説と設計実例 社団法人 日本河川協会」を主な基準書としており、同基準書のP-155 図32 防災調節池の洪水調節計算フローチャートに従って、池の容量計算を行っており、その際にお客様のご質問内容「降雨終了後の水位低下」も含み計算しています。
本製品に付随している「Sample防災調節池等技術基準(案).F7A」が、「防災調節池等技術基準(案) 解説と設計実例 社団法人 日本河川協会」の[計算例-6]P-153〜P-159をモデル化したものでございますのでこちらについても是非、ご確認頂きたいと存じます。 |
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Q4−12. |
親子調整池(調整池を二つ設定し、親からの流入を考慮)のモデル化は可能か? |
A4−12. |
複数(2以上)の調整池を設置してモデル化することは可能です。
上流側に親の貯留施設(調整池)、下流側に子の貯留施設(調整池)を設置するモデルとして作成して頂きたいと存じます。
但し、親→子、子→親の両方向に流入、流出する関係である場合には本製品でモデル化することができません。
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Q4−13. |
調節池の入力箇所のC1、C2の違いは何ですか |
A4−13. |
C1は、オリフィス(水位高がオリフィス以内)、せきの流量係数の初期値を指定します。
また、C2はオリフィス(水位高がオリフィスより高い)の流量係数の初期値を指定します。 |
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Q4−14. |
本製品はオンサイト方式に対応していますか? |
A4−14. |
はい、対応しております。
適用基準入力画面の貯留施設の種類スイッチ「オフサイト、オンサイト」にて指定してください。
適用基準を林地開発基準に指定した場合にはオフサイト固定であり、流域貯留施設等技術指針(案)を指定した場合にはオンサイト固定と設定します。
貯留施設の種類をオフサイトに指定した場合には、調節池、調整池の種類を指定することができますが、オンサイトを指定した場合には調節池、調整池の種類の指定を不可として調節池、調整池の呼び名を「流域貯留施設」と固定します。
※このスイッチは、計算には影響しません。 |
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Q4−15. |
下流へ放流するケースの番号を指定できない理由はなんですか? |
A4−15. |
ご質問の「下流へ放流するケース」は複数ケースを指定したモデル時のみに有効となります。従いまして計算を行うケース数が1ケースの場合、ケース番号を修正・変更することができません。 |
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Q4−16. |
上流側に複数の施設を設置した貯留施設の場合に、この貯留施設への流入量が正しく計算されていないのはなぜ? |
A4−16. |
本製品の施設配置の入力は上流側から下流側へ施設の種別毎に入力致しますが、このルールと異なっている場合には正しく計算することができません。
従いまして、施設配置の入力を見直していただきたいと存じます。 |
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Q4−17. |
林地開発基準にて貯留施設が設置されない理由は? |
A4−17. |
林地開発基準については、排水施設において調節池設置の必要性の判定(現況流下能力Qpcとピーク流量Q30の比較)を行っており、調節池の設置が不要(Qpc>Q30(Qpc/Q30>1.0)の場合)には貯留施設(調節池)の計算は行いません。 |
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Q4−18. |
ポンプのみで排水するモデル化の作成方法は? |
A4−18. |
以下の入力手順でモデルを作成することができます。
1.貯留施設入力画面のスイッチ制御タブ内の「ポンプ放流」を「放流する」にチェックして下さい。
2.同入力画面の入力タブ−調節(整)池タブ内のオリフィス情報、調節(整)池容量を入力します。
3.同入力画面の入力タブ−ケース1タブ内の「ポンプ放流」スイッチを「含む」に設定して下さい。
4.同入力画面の入力タブ−ポンプ放流タブ内の表入力(駆動位置、停止位置、排水量)を入力して下さい。
注記)
ポンプによる排水は一定量である為に、大きな排水量を指定すると正しく計算しない場合がございます。 |
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Q4−19. |
洪水調節計算結果の容量Vの算出方法を教えて下さい |
A4−19. |
本製品の必要調節容量計算は、「防災調節池等技術基準(案)解説と設計実例」計算例-6(P-155)図32 防災調節池の洪水調節計算フローチャートに準拠して計算しており、容量についてはP-154の以下をご確認頂きたいと存じます。 |
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Q4−20. |
流出量が0.000の場合など計算上の桁数はどのようになっているのでしょうか(小数点以下の4桁目は計算しているのでしょうか)? |
A4−20. |
本製品のプログラム内部の計算は実数(倍精度→範囲:50×10^-324〜1.7×10^308)で行っており、数値を出力・表示する際は、表示する小数点桁数の次の数字を四捨五入した値を表示・出力しております。
しかし、電算上、明らかに計算上0割が発生する箇所及び、収束計算上収束できないような微小数値の防止等の除き、これらの実数値に制限は設けておりません(流入量、流出量の計算においては制限は設けておりません)。
なお、洪水調節計算における計算終了条件については、貯留施設入力画面-調節池or調整池タブ内の「計算終了条件(m^3/s)」に0.1〜0.00000001を指定することが可能としています
また、本製品における計算誤差を詳細に説明すると、防災調節池等技術基準(案)P-155 図32 防災調節池の洪水調節池の洪水調節池フローチャート内の許容誤差εの値を貯留施設入力画面-調節池or調整池タブ内の「許容誤差(1mm,0.1mm,0.01m)」において指定することができます。 |
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Q4−21. |
洪水吐きの減勢工の計算について、全水頭、接近水路水深及び接近流量に用いられる「越流幅L」の算出根拠を教えて下さい。 |
A4−21. |
越流幅Lは、以下の通り「設計洪水流量」、「洪水吐き、および非越流天端高」の入力、および計算結果を使用して算出します。
「防災調節地等技術基準(案)」P.41の式(3.3)より、
L = Q / (C・H(3 / 2))
ここに、
L : 越流幅(m)
Q : 設計洪水流量(m3/s) (入力画面「洪水吐き」|タブ「設計洪水流量」の計算結果)
H : 堤頂を基準面とした接近流速水頭を含む全水頭(m) (入力画面「洪水吐き」|タブ「洪水吐きおよび非越流部天端高」の「越流水深」の入力値)
C : 流量係数(入力画面「洪水吐き」|タブ「洪水吐きおよび非越流部天端高」の「流量係数 C」の入力値) |
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Q4−22. |
計算結果についてピークのときの数値を知りたいのですが、1分でのピーク値を表示する方法はありますでしょうか? |
A4−22. |
貯留施設入力画面−スイッチ制御タブ−洪水調節計算結果のピーク時の1分毎の出力の「ピーク時の1分毎の出力を行う」スイッチをチェックしていただき、「出力する時間範囲t(分)」にてピーク時の1分毎の出力する時間範囲を指定していただくことで、ピーク時間−t(分)からピーク時間+t(分)の範囲について、1分毎の結果を表示・出力します。 |
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Q4−23. |
オリフィス形状の放流管(矩形)と小型矩形の使い分けは何でしょうか? |
A4−23. |
両者の違いは、放流量の計算が異なります。
計算式の詳細は製品のオンラインヘルプ「計算理論及び照査方法|貯留施設|洪水調節計算(厳密解法)」の■オリフィスからの放流 1)放流管(矩形、円形→放流量の計算が矩形の場合)@オリフィスが1段の場合及び、3)小型(矩形)をご確認頂きたいと存じます。 |
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Q4−24. |
湛水(水位)を考慮した貯留計算には対応しているか? |
A4−24. |
対応しています。
貯留施設入力画面の入力タブ-調節池or調整池タブ内の洪水調節容量計算 湛水水位にて入力してください。 |
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Q4−25. |
洪水調節方式をピークカット方式にして計算すると放流量が非常に小さな値となりました。オリフィスを設けているのになぜでしょうか? |
A4−25. |
ご指摘の現象が発生する理由は、ピークカット方式の場合は貯留施設-入力タブ-調節池タブの洪水調節容量計算内の「調節後流量(m^3/s)」で指定した流量より大きな流量は放流しないからであり、この値に適値(通常は許容放流量を超えない値)を指定して頂きたいと存じます。 |
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Q4−26. |
許容放流量の指定方法をManningの平均流速公式で算出するに指定した場合はどの値が設定されるのか? |
A4−26. |
貯留施設入力画面-入力タブ-Manningの平均流速公式による流下能力で入力指定した値を用い、内部計算して一番小さな流量を許容放流量として採用しています。 |
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Q4−27. |
池底の入力する際に、堆積土砂を考慮して入力する必要があるのか? |
A4−27. |
堆積土砂量を池の容量(水位容量曲線)に含めモデル化する場合には、池底は堆積土砂量を含め指定して頂きたいと存じます。
堆積土砂量を池の容量(水位容量曲線)に含めずにモデル化する場合には、堆積土砂量の上側を池底の標高として堆積土砂量は無視して入力して頂きたいと存じます。
防災調節池等技術基準(案) 解説と設計実例P-156 図33 水位容量曲線では、堆積土砂量を池の容量(水位容量曲線)に含めたモデル化を行っています。 |
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Q4−28. |
水位容量曲線の入力を「水位とその時の湛水面積を与え容量を算出する」を指定していますが、洪水調節計算計算結果の水位が算定式から手計算した水位と若干の差異が生じています。
なぜこのような結果となるのでしょうか。 |
A4−28. |
本製品の「水位とその時の湛水面積を与え容量を算出する」指定時の水位容量曲線につきましては、貯留施設入力画面−入力タブ−調節(整)池タブ−調節(整)池容量にて入力された水深と面積を元にその水深での容量を計算しており、中間の容量につきましては線形補間にて計算しております。
上記の理由としましては、「防災調節池等技術基準(案)解説と設計実例」P-158〜P-159の表19 洪水調節計算結果数値表においてグラフより読み取り(線形補間)の値を算出しているためでございます。 |
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Q4−29. |
オリフィス計算について、貯留施設入力画面で入力する計画水位と計算書−総括表の計画水位(HWL)で明示される計画水位の違いはどこにありますか? |
A4−29. |
貯留施設入力画面−入力タブ−調節(整)池タブの計画水位Huにつきましては、池底から洪水吐き敷高までの高さ(入力)であり、洪水調節計算に用いています。
一方、計算書の総括表に出力しております計画高水位HWLは、洪水調節計算より求めた最終的な計画水位(計算結果)となります。
計画水位Hu、計画水位HWL、および洪水調節計算につきましては、本製品の主たる準拠基準である「防災調節池等技術基準(案) 解説と設計実例」のP.154〜P.157の[計算例-7]の内容に準拠しておりますので、こちらもご確認いただきたいと存じます。
なお、本製品に付属のサンプルデータ「Sample防災調節池等技術基準(案).f7a」は「防災調節池等技術基準(案)解説と設計実例」P.153〜159、P.182〜186までの検証用データとしていますので、同時にこちらもご確認いただきたいと存じます。 |
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Q4−30. |
ポンプのみの放流を計画していますが、オリフィスのないモデルを作成することはできますでしょうか |
A4−30. |
可能です。
オリフィスが入力されている場合、貯留施設入力画面の入力タブ-各ケースタブのオリフィス詳細表入力画面にて、削除したいオリフィスの自動計算をマウスで選択され、Deleteキーを選択することで削除します。 |
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Q4−31. |
貯留施設の許容放流量にはどのような値を入力すればよいか |
A4−31. |
「防災調節池等技術基準(案)」P-150には、「一般に調節池下流河川の流下能力によって決定される。」と記載がございます。
許容放流量は、Manningの平均流速公式で求められますが、河川毎に許容放流量を定められている自治体等があると考えており、この許容放流量については、設計する市の河川担当者にご確認いただくことをお勧め致します。 |
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Q4−32. |
ポンプで放流するモデルを作成しましたが、ポンプにて排水されないようです。原因を教えて下さい。 |
A4−32. |
本製品のポンプの駆動位置と停止位置は、池底からの高さの入力となります。
駆動位置と停止位置が正しく指定されているかをご確認いただきたいと存じます。 |
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Q4−33. |
貯留施設の結果確認画面の最大放流量や流入量、放流量が3桁で表示されていますが、この桁数を変更することはできますか |
A4−33. |
貯留施設結果確認画面、および計算書出力時の最大放流量、流入量、放流量の計算結果の表示・出力時の桁数につきましては、オプションメニューの表示項目の設定画面−表示・描画・出力タブ−結果画面用タブの流量表示・計算書出力小数点桁数にて2桁から7桁までを指定することができます。
こちらをご希望の桁数に指定していただきたいと存じます。 |
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Q4−34. |
貯留施設のハイドログラフが水位がある状態から開始していますが何が原因でしょうか |
A4−34. |
貯留施設入力画面−入力タブ−調節池(調整池)タブ−洪水調節容量計算の湛水水位が入力されている場合、入力された水位より洪水調節計算を開始します。 |
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Q4−35. |
2種類のモデルを作成しましたが、貯留施設の計算結果でハイドログラフを確認すると計算時間が異なっています。
1つ目のモデルは降雨継続時間を超えて計算を行っていますが、2つ目のモデルでは降雨継続時間前に計算が終了しています。
これはどのような理由からでしょうか? |
A4−35. |
本製品の貯留施設の洪水調節計算は、貯留施設入力画面|入力タブ|調節池(調整池)タブ|洪水調節容量計算の計算時間、または計算最大時間にて指定された時間まで洪水調節計算を行います。
ただし、上記の計算時間前に流出量が0となった場合にはその時点で計算を終了します。
ご質問のモデルの場合、1番目のモデルは指定された時間までの計算時間、または計算最大時間まで計算を行っており、2番目のモデルでは流出量が0となったため降雨継続時間に達する前に計算が終了していると考えられます。 |
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Q4−36. |
貯留施設の結果確認画面のハイドログラフにて表示されている黒、青、赤の線は何を表しているのでしょうか |
A4−36. |
初期設定では、黒が貯留施設への流入量、青が貯留施設からの放流量、赤が許容放流量となります。
線色につきましては、メインメニュー|オプション|表示項目の設定または結果確認画面内の表示設定ボタンから開きます表示項目の設定画面の表示・描画・出力タブ|結果画面用タブ|曲線図にて変更することができます。
貯留施設結果のハイドログラフの場合、第1曲線は流入量、第2曲線は放流量、第3曲線は許容放流量の線色となります。 |
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Q4−37. |
「防災調節池等技術基準」で計算を行う場合、「貯留施設」入力画面の簡便法の設定時に「貯留施設の貯留可能容量の総和」を指定できますが、これは計算にどのように影響するのでしょうか |
A4−37. |
「貯留施設の貯留可能容量の総和」は、簡便法計算時の貯留施設併用による容量低減量となります。
簡便法の計算結果の洪水調節容量から、入力された「貯留施設の貯留可能容量の総和」を減算することで、貯留施設を併用する場合の洪水調節容量を算出します。
貯留施設による容量低減につきましては、「防災調節池等技術基準(案)」P.119および、P.173をご参照ください。 |
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Q4−38. |
貯留施設入力画面にて結果確認を表示しようとすると、「調節池容量にデータが入力されていません」のエラーが表示されるのはなぜでしょうか |
A4−38. |
ご質問のエラーは、貯留施設入力画面の調節池(調整池)容量表に、データが2行以上入力されていない場合に表示します。 本製品の貯留施設入力画面の調節池(調整池)容量表は、洪水調節計算時に水位容量曲線として用います。 従いまして、データが1行以下の場合は水位容量曲線を作成することができないため、エラーを表示しております。
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Q4−39. |
調節池に複数のオリフィスを設置していますが、オリフィス毎の流量を確認する方法はありますか? |
A4−39. |
複数の放流施設(オリフィス、せき、ポンプ)を設置した場合、本製品の貯留施設計算結果確認画面の「洪水調節計算」タブより、右上の表ボタンで開く「洪水調節計算結果データ一覧」画面にて、設置されている放流施設毎の放流量を表示します。 また、計算書の「貯留施設|洪水調節計算結果」の項目に、放流施設毎の流量の表を出力しますので、こちらでご確認いただくことができます。
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Q4−40. |
概算として簡便法での洪水調節容量の結果を確認後、厳密解法による計算を行いたいのですが、簡便法だけの計算を行う事はできますか |
A4−40. |
簡便法のみの計算を行うことができます。
「貯留施設」入力画面|「スイッチ制御」タブ内の「洪水調節容量の計算」より、「厳密解法の計算」スイッチのチェックを外すことで、簡便法での洪水調節容量計算のみを行うことができます。
なお、「厳密解法の計算」スイッチのチェックを外した場合、厳密解法の計算に必要な入力は不要となります。
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Q4−41. |
貯留施設の水位容量曲線にて、同じ水深で水面積が異なるモデルを入力したいのですが、可能でしょうか。 |
A4−41. |
以下の手順で入力することができます。
1. 「貯留施設」入力画面の「スイッチ制御」タブの「水位容量曲線の入力方法」に「水位とその時の湛水面積を与え容量を算定する」を選択します。
2. 「入力」タブ内の「調節池」(または「調整池」、「流域貯留施設」)タブ内の「調節池容量」(または「調整池容量」、「流域貯留施設容量」)にて、水深と面積を入力します。
なお、水深の入力は、下の行の水深 ≧ 上の行の水深となるように制限していますので、同水深を指定する場合は、この条件を満たす必要があります。
また、最終行の水深は同水深にならないように入力する必要があります。
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Q4−42. |
「貯留施設」入力画面でせき放流を設けるように設定しましたが、「入力|せき放流」タブで入力する「せきの底面までの高さD」の寸法はどのように計算に影響するのでしょうか。 |
A4−42. |
ご質問の寸法Dは、貯留施設の洪水調節計算に使用します。
本製品の洪水調節計算は、「防災調節池等技術基準(案)」P155のフローチャートを参考に逐次計算を行います。
この計算時に、貯留施設の水位がDを超えた場合は、この水位とDの差をHとして、せきの放流量を計算します。
貯留施設の水位がDを超えない場合は、堰から放流がないものとして計算を行います。
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Q4−43. |
「貯留施設」の結果画面や計算書の「水位〜容量曲線図」に表示・出力される「池底の標高」が、「貯留施設」の入力画面で入力した値と一致しません。この理由を教えて下さい。 |
A4−43. |
「水位〜容量曲線図」で表示・出力する「池底の標高」は、「貯留施設」入力画面の「池底の標高」の入力値に、同画面の「調節池(調整池)容量」の表入力の1行目の水深を加算した値を出力しています。
上記の水深に0.0(m)以外の値が入力されていないかをご確認ください。
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Q4−44. |
林地開発基準の計算時に、入力画面「排水施設」の直接放流域の流域面積と流出係数を入力しましたが、これは貯留施設への流入量に影響するのでしょうか。 |
A4−44. |
ご質問の入力画面「排水施設」の「直接放流域の面積 ay (ha)」、「直接放流域の流出係数 f''」、「直接放流域の開発前流出係数 f0''」は排水施設の計算において、許容放流量の計算に使用する入力項目となります。 このため、貯留施設計算時の流入量に影響はありません。
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Q4−45. |
2段調整池の場合、下流の貯留施設の流入ハイドログラフはどのように計算されるのでしょうか。 |
A4−45. |
本製品の2段調整池は、上流に配置した貯留施設の下流に調整池を配置してモデル化します。 このため、下流の貯留施設の流入ハイドログラフは、上流に配置した貯留施設の流出ハイドログラフになります。
また、下流の貯留施設に流域が接続している場合は、上流貯留施設の流出ハイドログラフ+流域の流出ハイドログラフを、流入ハイドログラとして計算に使用します。
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Q4−46. |
貯留施設のオリフィス寸法を自動計算する際に入力する「オリフィス敷高を基準とする設計水頭Ho」ですが、オリフィス敷高(池底の標高+断面下端高Hl)+HoがH.W.Lになると思います。しかし、この値と結果確認画面の「計画高水位H.W.L」が一致しません。この理由を教えて下さい。 |
A4−46. |
本製品の計算結果における「計画高水位H.W.L」は、洪水調節計算結果の最高水位としています。 これは、本製品の洪水調節計算は「防災調節池等技術基準(案)」P.154から157の[計算例-7]を参考としており、この計算例では、P.157の図34 洪水調節計算結果より、画高水位H.W.Lを洪水調節計算結果のH=31.94(m)としているためです。
一方、本製品の「オリフィス敷高を基準とする設計水頭Ho」は、オリフィス寸法の自動計算における入力値となります。このHoには、想定したH.W.Lからオリフィス敷高を差し引いた値を入力することになります。 これは、「防災調節池等技術基準(案)」の[計算例-7]のP.156を参考としているためです。 この計算例では、第1次近似計算における設計水頭Hoは、想定したH.W.L(32.0m)−オリフィス敷高(24.0m)として計算を行っています。
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Q4−47. |
貯留施設の計算において設計堆積土砂量を計算する場合、算出した設計堆積土砂量は洪水調節計算に影響するのでしょうか。 |
A4−47. |
設計堆積土砂量は洪水調節計算には影響しません。 「防災調節池等技術基準(案)」P.157では、洪水調節容量計算結果の必要調節容量+設計堆積土砂量を調節池総容量としているためです。
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Q4−48. |
貯留施設の計算結果や、計算書の総括表で出力される洪水到達時間が、等流流速法、土研式、Kinematic Wave理論の計算結果の何れの値とも一致しません。この理由を教えてください。 |
A4−48. |
流域の洪水到達時間の計算結果は、貯留施設の計算では使用しないためです。
本製品では、入力画面「流域」のタブ「降雨波形」に計算時間単位Δtを設けており、同画面の洪水到達時間参照値(各計算手法の洪水到達時間の計算結果)を参考に、「計算時間単位Δt」を設定します。
貯留施設の計算では、この「計算時間単位Δt」を洪水到達時間として使用します。
洪水到達時間(計算時間単位Δt)につきましては、「Q2−6.洪水到達時間の指定方法について?」をご参照ください。
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Q4−49. |
上流の貯留施設の放流のうち、越流(せき放流)のみを下流の貯留施設に流入させることはできますか。 |
A4−49. |
可能です。 本製品Ver.9.1.0より、中間の貯留施設の場合、入力画面「貯留施設」|タブ「入力」より、オリフィス、せき、ポンプの放流を、下流に設置された貯留施設の流入量として考慮するかを選択することができます。 オリフィスの場合、タブ「ケース#」のオリフィス詳細入力表の「…」ボタンより開く画面「オリフィス詳細入力」の「下流の貯留施設へ放流する」をチェックすると、下流の貯留施設の流入量として考慮します。 せき放流の場合、タブ「せき放流」の「下流の貯留施設へ放流する」をチェックすると、下流の貯留施設の流入量として考慮します。 ポンプ放流の場合、タブ「ポンプ」の入力表の「下流施設へ放流」の列にて、「する」を選択すると、下流の貯留施設の流入量として考慮します。
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Q4−50. |
入力画面「貯留施設」|タブ「入力|調節池」の「洪水調節容量計算」の「最大収束計算回数」には、どのような値を指定すればよいのでしょうか。 |
A4−50. |
通常は初期値1000で問題ないと判断しています。 洪水調節計算では、「防災調節池等技術基準(案)」P.155 図32 防災調節池の洪水調節計算フローチャートの手順で収束計算を行います。 「最大収束計算回数」は、この収束計算の最大の回数となります。 初期値1000で収束せずにエラーとなる場合は、この値を大きくすることで収束する可能性があります。
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Q4−51. |
H-V曲線を確認することはできますか。 |
A4−51. |
可能です。 H-V曲線(水位容量曲線)は、貯留施設結果確認画面のタブ「水位容量曲線」、および計算書の「貯留施設|1)貯留施設情報|貯留施設の容量と水位」に表示・出力します。
この曲線は、入力画面「貯留施設」|タブ「入力|調節池」の「調節池容量」にて入力された水位と容量より作成します。
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Q4−52. |
複数の貯留施設を設けたモデルにて、入力画面「貯留施設」で1つの貯留施設の入力を完了してタブ「結果確認」で計算結果を確認しようとしたところ、別の貯留施設の入力を確認する旨のエラーが発生しました。 この理由を教えて下さい。 |
A4−52. |
本製品では、複数の貯留施設を設けたモデルの場合、計算実行時に全ての貯留施設を一括で計算します。 このため、全ての貯留施設の入力後に、タブ「結果確認」にて結果をご確認ください。 入力する貯留施設は、画面上部の「施設切替」にて変更することができます。
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Q4−53. |
「貯留施設」でオリフィス断面の自動計算をしているが、この時の流量係数Cの値を変更したい。 |
A4−53. |
入力画面「貯留施設」のタブ「入力|ケース#」(#はケース番号)のオリフィス詳細の入力表より、変更したいオリフィスの行の右端の「…」ボタンから詳細入力画面を開き、タブ「自動計算」で変更することができます。
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Q4−54. |
貯留施設の計算で簡便法の計算を行った際、「簡便法の計算に失敗しました。」というエラーが出ます。このエラーの解消方法を教えて下さい。 |
A4−54. |
このエラーの主な原因として、容量が最大となる時間tが求められなかったことが考えられます。
本製品の貯留施設の簡便法の計算は、「防災調節池等技術基準(案)」p.151〜154を参考にしています。
この方法ではtn=xとおいて、二次方程式からxを計算し、tを求めます。
しかし、式中の値によってはxが負の値となることがあり、この場合はtを求めることができません。
「防災調節池等技術基準(案)」p.153の式(41)の通り、x(=tn)の計算には降雨強度式のパラメータa, b, nと降雨強度rcを使用します。
rcは以下の通り算出します。
rc = (360・Qo)/(f・A)
Qo:許容放流量
f:流出係数
A:流域面積
このため、以下の入力を変更することで、このエラーを解消できる可能性があります。
- 入力画面「流域」|タブ「降雨強度式」の式のパラメータa, b, n
- 入力画面「流域」|タブ「流出係数、面積」の流出係数f、流域面積A
- 入力画面「貯留施設」|タブ「スイッチ制御」の許容放流量Qo
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Q4−55. |
貯留施設の計算結果、および計算書に「必要洪水調節容量(厳密解法)」と「洪水調節容量」の2種類の値が表示・出力されていますが、どちらも同じ値となりました。 この両者の違いについて教えて下さい。 |
A4−55. |
「必要洪水調節容量」と「洪水調節容量」は、「防災調節池等技術基準(案) 解説と設計事例」では、明確な使い分けは記載されていませんが、p116の「8.2 必要調節容量」に以下の記載があります。
「必要洪水調節容量(必要調節容量)」
・宅地開発後の確率1/50洪水ピーク流量を下流許容放流量に低減して放流するのに必要な容量
「洪水調節容量」
・洪水調節容量の計算は、連続式による繰り返し計算となる。
そのため、本製品では上記のように「必要洪水調節容量(必要調節容量)」はピーク流量を下流許容放流量の値に低減して放流するのに必要な容量、「洪水調節容量」は厳密解法の洪水調節計算として表記しています。
また、「防災調節地等技術基準(案)」p.157の[計算例−7]では、洪水調節容量(厳密解法の結果)を必要調節容量としていることから、本製品では「必要調節容量(厳密解法)」に「洪水調節容量」の値を表示・出力しているため、2つの値は同値となります。
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