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Oculus Rift |
HARDWARE INFORMATION
2014-No.1 |
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Oculus Riftは、アメリカの Oculus VR社が昨年春に開発キットとして提供を開始した、特にゲーム体験に向けられたヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display 以下MHDと称す) です。従来のHMDと比べて、低価格であること、非常に広い視野角を持つこと、内蔵のセンサーによるヘッドトラッキングを実現していることなどの特徴から、今世界中の開発者から熱い注目を集めているデバイスです。
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■図1 Oculus Rift本体 |
Oculus Rift の大まかな仕様は以下の表の通りです。
画面サイズ |
7インチ |
解像度 |
1280×800 (16:10) 片目あたり 640×800 |
視野角 |
水平90° 対角110° |
接続インターフェース |
DVI -D / HDMI |
Oculus RiftはHMDとして圧倒的な視野の広さを誇ります。これは魚眼モデルスクリーンによるもので、装着した際、液晶自体は平面でありながら、レンズによって目の前に半球状の投影スクリーンを置いている様に見せているためです。これに左右の視差による立体視を組み合わせることで、VR空間への没入感を更に向上させます。
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■図2 センサーの座標系 |
また従来のHMDが、光学系に多くのコストを掛けることでレンズの歪みを最低限に抑え、正常な映像を表示するのに対し、Oculus Riftでは、歪んだレンズを通した際に正常にみえるよう、ソース映像をレンダリングしています。GPU側での補正のプロセスが増えることになりますが、それにより、安価な光学系でも歪みの抑えられた映像を表示することが出来ます。
Oculus Riftは、3軸の加速度センサ・ジャイロセンサ・磁気センサを内蔵しており、毎秒1000回の頻度で値を更新します。これにより、精細なヘッドトラッキングを実現し、様々なアプリケーションへの利活用を可能としています。
Oculus Rift のレンズを通すと平面上のグリッドパターンは図3左の様に糸巻き状に歪んで見えます。これを補正するため事前に表示画像そのものを図3右の樽型歪みを加える必要があります。このレンズによって広い視野角を実現しています。
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■図3 レンズの歪み |
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■図4 魚眼レンダリング |
設計・製造の分野では既にHMDの業務での利用が始まりつつありますが、現状は透過型のHMDを用いて視野にマニュアルなどの情報を重畳表示するといった支援用途が主です。しかし、Oculus Rift のような非透過型HMDは没入感のあるVR空間を提示できるという利点で、今後強力な合意形成ツールとして活用されていくと考えられます。
また、Oculus Rift本体にOvrvision※1などの外部カメラを装着し、現実の風景を合成することでARやMR(複合現実感)といった表現も可能になるでしょう。現実世界の豊かな情報にCGモデルの情報を付加することで、より高度な合意形成と計画検討を行えるようになります。
現在プロトタイプ開発を進めています。今後にご期待ください。 |
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※1 Oculus Riftに装着可能なステレオカメラ。( http://ovrvision.com/jp/ )
Oculus Rift は米Oculus社の製品です。( http://www.oculusvr.com/ )
社名、製品名は一般に各社の登録商標または商標です。 |
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(Up&Coming '14 春の号掲載) |
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