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360度全天球カメラ |
HARDWARE INFORMATION
2016-No.3 |
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シータSは、リコーイメージング株式会社が販売する全天球デジタルカメラで、2013年発売の初代シータの後継となる機種です。
本体に2枚の魚眼レンズを備え、半球状の画像2枚を合成することで360度全てを1枚に含めた画像を撮影することができます。本体は44×23×130mmと小型でかつ指で握れる程度の扁平な形をしていますが、解像度1400万画素、内蔵メモリ8GB、最大25分の動画撮影が可能など、通常のデジカメにも引けを取らない性能を持っています。
ただし、画面が付いていないので、撮影した画像を確認するにはUSBやWifiを使ってパソコンやスマートフォンに転送し、専用のソフトまたは一般の画像ビューワーで閲覧する必要があります。一般的には趣味の用途で用いられますが、撮影した複数枚の画像から自動的に空間をモデル化するソフトなども開発され、業務における用途としての今後の発展が期待されます。
ご紹介したシータSについて、弊社のUC-win/Roadで活用することができるか検証を行いました。UC-win/Roadには空を表現するためにスカイドームの機能が備わっています。
スカイドームの場合、シータSと同様に長方形の画像を球状に歪ませて画面内に表示させるため(図1)、撮影した全天球の画像をそのまま空を表現するために利用することができます。
今回は、このスカイドーム機能における活用について紹介します。
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■図1 通常のスカイドームテクスチャ |
まず、全天球画像の下半分を削除します(図2)。
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■図2 空の切り取り |
UC-win/Roadでは、視点より低い部分の背景には上下反転した空を表示させるため、全天球画像のうち必要なのは上半分のみとなります。あとは、所定のフォルダに保存したうえでUC-win/Roadの描画オプションを開き、空のタブで保存した画像を選択するだけでVR空間上に撮影したスカイドームの空が広がります(図3)。
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■図3 VRに読み込んだ状態 |
また、空だけでなく、空と共に写りこんだ山並みや街並みもスカイドームとして活用するという方法もあります(図4)。
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■図4 山が写りこんだ画像 |
全天球画像を切り取る際に空以外の部分も含めて切り取ると、その部分も含めてスカイドームに反映されます。切り取る範囲をうまく調整すれば、画像のように遠景の山を含めたスカイドームになります。例えば、ドライビングシミュレータなどフレームレートを確保するために視野半径を狭くした場合や、視点が地形の端部に近い場合などは、遠景を表現するのが難しくなります。その場合、遠景の山並みやビル群などを含めたスカイドームテクスチャを用意することで、狭い視野半径で奥行き感を表現することが可能となります。その際に全天球の画像があれば、撮影画像を切り抜くだけの簡単な加工で利用できます。
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■図5 通常のスカイドームによる遠景 |
■図6 山を含めたスカイドームによる遠景 |
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■RICOH THETA S |
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