「HoloLens」はWindows10を内蔵した独立のPCとなっており、別のPCやスマートフォンなどのデバイスに接続することなく、単独で使用することができます。 操作は、Gaze、Air Tap、Bloom、Voiceにより行います。
Gazeは注視や視線という意味ですが、眼球の動きを追っているわけでなく、額から線が出ていて、顔ごと動かしながら操作するマウスのような感じです。
AirTapはマウスのクリックにあたるもので、人差し指を立て、空中にある画面をタップするように人差し指を前に出します。
BloomはWindowsキーを押したようにスタートメニューなどを表示・あるいは非表示にする時に行う操作で、手を握った状態で手の甲を下にして顔前で開くような動作(花が開くイメージ)をします。
Voiceは文字通り音声による操作です。音声操作が可能なCortanaが装備されていて、音声により様々な操作が可能です。(今のところ英語のみ対応のようです。)
フォーラムエイトにて実際に使用を行いました。視野は約30度と比較的狭く、注視している範囲は表示されますが、周辺視野にあたる範囲は表示されないため、周りに何があるかを確認するためには首を振って見回す必要があります。このため、没入感はそれほど高いとは言えません。
また、サンプルデータとして、さまざまなホログラムのデータ(バレリーナの人形、宇宙服のヘルメット、犬など)が用意されており、空間上に配置することができます。いったん配置すると、顔を動かしても全くぶれることなく、実際にそこにあるかのような現実感があります。また、Kinect™ベースの深度センサも内蔵しており、手の動きに応じた操作を行うこともできます。
現時点では米国・カナダ向けの販売となっており、日本国内での販売はこれからとなりますが、活用事例としてはすでに、日本航空(JAL)で「HoloLens」を用いた航空機の運行乗務員や整備士の訓練用のアプリケーションの開発を進めていることが発表されています。
活用場面としては、設計・デザインの分野で完成後の状態を体感することはもちろん、工事現場で施工段階ごとのシミュレーションを行って共有を図るなど、建設分野におけるさまざまな利用方法が考えられます。また、VR空間内のオブジェクトを動作させたり操作も可能なことから、各種訓練のシミュレーションなどにも活用が期待されます。他にも、無線通信が可能であることから、複数のユーザで同じ空間を確認しながらの会議や、お互いの空間上の視線を確認できることから技術説明のサポートに、またARのように現実にある構造物に重ねて経年劣化・修復状況確認などといった活用方法が期待できます。
フォーラムエイトでは、今後、UC-win/Roadとの連携プラグインの提供も視野に入れて、VR空間との連携での様々な活用方法について種検討を行う予定です。
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