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最新SSD事情 |
HARDWARE INFORMATION
2012-No.4
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ソリッドステートドライブ(Solid State Drive: 以下SSD)は記憶媒体として半導体メモリを用いたストレージデバイスです。数年前に登場した比較的新しいデバイスで当初の価格はHDDに比べて高価で容量は32〜128GB程度でした。しかし最近では低価格化が進み導入のチャンスを迎えています。今回はSSD導入前の知識として内部構造、速度性能、耐久性を紹介します。
SDは記憶媒体にフラッシュメモリを使用しているため、チップ単価と総容量がそのまま価格に影響します。HDDに比べて高価小容量で登場しましたが、半導体チップ製造プロセスルールの微細化によってこの課題はクリアされてゆくと考えられていました。今では低価格化が進み容量512GBの製品が現実的な価格で購入できます。
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▲図1 容量別SSD販売価格の推移 |
SDはHDDにあるようなモータが不要で消費電力が小さく、騒音がありません。HDDは磁気ディスクを回転させて順次アクセスを行うためシーケンシャルアクセス性能はある程度優れていますが、ランダムアクセスではシーク動作が必要なのでアクセス速度が極端に落ちます。SSDはフラッシュメモリを利用しているので機械的な動作のオーバーヘッド時間が必要ないためアクセス速度が速くなります。このような理由からシーケンシャルアクセス、ランダムアクセスともにHDDより大幅に速くなっています。
SSDは2.5インチパッケージが一般的で、その内部は基板上に以下4つの部品が乗っている単純なものです(図2)。
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▲図2 PLEXTOR PX-256M5P SSD内部 |
- NAND型フラッシュメモリ
データを記録するメモリチップ。不揮発性のものを使用しており電源が無くても記録状態を維持する。
- キャッシュメモリ
コントローラが読み書きするデータを一時的に保存する高速なメモリで一般的には128〜512MBの容量がある。製品によっては搭載していない場合もある。
- インターフェース
マザーボードと接続するコネクタ。主流は6GbpsをサポートするSerialATA3.0だが、PCI-Express接続の製品もある。
- コントローラ
SSD全体を制御するチップ。インターフェースを介してコマンドを受け取り、データの読み書きや空きメモリの管理を行う。
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▲図3 一般的なSSDのブロック図 |
図4はHDDとSSDのベンチマークテスト結果です。SSDは2年くらい前の製品と最新製品とで比較しています。数値から分かるように最新製品は圧倒的なパフォーマンスがあります。計算上SerialATA3.0規格の上限が約700MB/sですので、これ以上は接続インターフェースを変えなければパフォーマンスが上がらない状況に近くなっています。
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1TBハードディスク 1世代前のSSD 128GB x 2 RAID 0 最新SSD 256GB |
▲図4 ベンチマーク結果
(左:1TBハードディスク、中:1世代前のSSD 128GB x 2 RAID 0、右:最新SSD
256GB) |
フラッシュメモリはセル単位でデータを記録します。この書き換え回数には上限があり1個のセルに対して約1万回です。これではすぐに寿命が来てしまいますから、これを全セルで管理し均一に書き換えするようにコントローラで制御します。そのためMTBF(平均故障間隔)は240万時間を達成している製品があります。一般用途ではほぼ故障なしと考えても良さそうです。しかしながらデータアクセスの多いサーバー用途では定期的に交換するのが望ましいでしょう。
※使用ベンチマークソフト:CrystalDiskMark 3.0.1 |
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※社名、製品名は一般に各社の登録商標または商標です。 |
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(Up&Coming '12 秋の号掲載) |
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