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Vol. 13
このコーナーでは、ユーザーの皆様に役立つような税務、会計、労務、法務などの総務情報を中心に取り上げ、専門家の方にわかりやすく紹介いただきます。今回は、給与所得者の確定申告について、事前確認事項や作成方法等を解説します。

 給与所得者の確定申告について

給与所得がある大部分の方は、年末調整により所得税及び復興特別所得税が精算されるため、確定申告は不要です。ただし、給与所得者でも確定申告をしなければならない場合や、確定申告をすると源泉徴収された所得税及び復興特別所得税が還付される場合があるため、注意が必要です。平成27年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告の相談及び申告書の受付は、平成28年2月16日(火)から同年3月15日(火)までとなっています。還付申告については、平成28年2月15日(月)以前でも行えます。

 確定申告が必要な場合

次の計算(図1)において残額があり、さらに1から6のいずれかに該当する方は、所得税及び復興特別所得税の確定申告が必要です。

  1. 給与の収入金額が2,000万円を超える
  2. 給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える
  3. 給与を2か所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)との合計額が20万円を超える
    ※給与所得の収入金額の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、寄附金控除及び基礎控除を除く)を差し引いた残りの金額が150万円以下で、さらに各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円以下の方は、申告は不要です。
  4. 同族会社の役員やその親族の方などで、その同族会社からの給与のほかに、貸付金の利子、店舗・工場などの賃貸料、機械・器具の使用料などの支払を受けた
  5. 給与について、災害減免法により所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた
  6. 在日の外国公館に勤務する方や家事使用人の方などで、給与の支払を受ける際に所得税及び復興特別所得税を源泉徴収されないこととなっている


▲図1 確定申告が必要な方を求める計算式

 確定申告による納期限

平成27年度分確定申告による所得税及び復興特別所得税の納期限は、平成28年3月15日(火)となっています。対象者は、納期限までに現金に納付書を添えて金融機関(日本銀行歳入代理店)または住所地等の所轄税務署の納税窓口で納付する必要があります。納付書は税務署又は所轄税務署管内の金融機関に用意されていますが、金融機関にない場合には、所轄税務署に連絡して取得します。

また、期限内申告に係る所得税及び復興特別所得税については、指定した金融機関の口座から自動的に納税額が引き落とされる振替納税が利用でき、非常に便利になっています。

なお、申告書の提出後に、納付書の送付や納税通知等による納付のお知らせはありません。また、納付が法定納期限(平成28年3月15日(火))に遅れた場合または残高不足等により口座振替ができなかった場合には、法定納期限の翌日から納付日までの延滞税を併せて納付する必要がありますので、注意が必要です。


 確定申告をすれば税金が戻る場合

給与所得者で確定申告の必要がない方でも、次のような場合で、源泉徴収された税金が納め過ぎになっている場合には、還付を受けるための申告(還付申告)により税金が還付されます。

  1. 災害や盗難、横領により住宅や家財などの資産に受けた損害などについて雑損控除を受ける場合
  2. 病気やけがなどで支払った多額の医療費について医療費控除を受ける場合
  3. 家屋を住宅借入金等で新築や購入、増改築等をして、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除を受ける場合 など

※給与所得者で確定申告の必要がない方が還付申告をする場合は、その他の各種の所得(退職所得を除く。)も申告が必要です。
※それぞれの控除の適用を受けるための要件や必要な添付書類等を事前に確認
※国税還付金の受取りには、口座振込が利用できます

みなし制度の施行に関しては、特段の経過措置が設けられていないため、施行日時点で違法行為が行われている場合、派遣先はその時点において労働契約の申込みをしたものとみなされることに注意が必要です。


 所得税及び復興特別所得税の確定申告とは

所得税および復興特別所得税の確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得の金額とそれに対する所得税及び復興特別所得税の額を計算し、申告期限までに確定申告書を提出して、源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金などとの過不足を精算する手続です。日本国内に住所を有しているか、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有している方(居住者)のうち非永住者以外の方は、所得が生じた場所が国の内外を問わず、その全ての所得について所得税及び復興特別所得税を納める義務があります。

平成25年分から平成49年までの各年分については、復興特別所得税を所得税と併せて申告・納付することとされています。復興特別所得税は、平成25年分から平成49年分までの各年分の基準所得税額に2.1%の税率を乗じて計算します。平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間に生ずる所得については、源泉所得税の徴収の際に復興特別所得税が併せて徴収されています。

所得税及び復興特別所得税の確定申告書の作成に当たっては、「復興特別所得税額」欄の記載漏れのないよう注意が必要です。 還付申告の方も含め、申告される全ての方について「復興特別所得税額」欄の記載が必要となります。


 申告書の作成方法

国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、画面の案内に従って金額等を入力することにより、税額などが自動的に計算され、計算誤りのない申告書を作成できます。
確定申告書は印刷して所轄税務署に郵送等により提出してください。また、「e-Tax(電子申告)」を利用して提出することもできます。

定申告書等作成コーナー
https://www.keisan.nta.go.jp/h26/ta_top.htm#bsctrl
e-Tax
http://www.e-tax.nta.go.jp/

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
▲図2 e-Taxトップページ

▲図3 e-Tax利用の場合に必要となる事前準備

Step1 利用環境の確認

Windows環境
OS Windows 7/8/10 
ブラウザ Internet Explorer 11
PDF閲覧 Adobe Reader XI / Adobe Reader DC
Macintosh環境
OS Mac OS 10.8/10.9/10.10
ブラウザ Safari 6.2/7.1/8.0
PDF閲覧 Adobe Reader XI / Adobe Reader DC

Step2 利用環境の確認
e-Taxで申告手続等を行う際に利用する「公的個人認証サービスに基づく電子証明書」は、平成28年1月より交付が開始される個人番号カードに格納されます。個人番号カードの交付開始以前に発行された住民基本台帳カードに格納された電子証明書は、その有効期間内であれば継続して使用することができます。(※電子証明書が不要な場合:税理士等が納税者の申告書等のデータを作成し、送信する場合は、税理士等の電子証明書により送信することができます。)
また、e-Taxを利用する場合は、電子証明書をe-Taxに登録する必要があります。電子証明書の有効期限が過ぎた場合や引越しなどにより電子証明書の更新を行った方は、更新した電子証明書をe-Taxに再度登録する必要があります。

Step3 ICカードリーダライタの準備
公的個人認証サービスに基づく電子証明書は、個人番号カード及び住民基本台帳カードに格納されていますので、別途電子証明書に適合したICカードリーダライタを使用します(ICカードリーダライタは、家電販売店等で別途購入の必要があります)。




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