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ちょっと教えたいお話  ビッグデータ

  • ビッグデータとは、様々な種類・形式が含まれる莫大な量の非構造化・非定型的データを指し、記録・保管して即座に解析することで、ビジネスや社会に有用な知見を得たり、新たな仕組みやシステムを産み出す可能性が高まるとされています。ここでは、ネットワークサービスや道路交通分野など、さまざまな社会インフラのおけるビッグデータの活用事例を紹介します。

白衣の天使・ナイチンゲールが、看護師であると同時に優秀な統計家であったことをご存知でしょうか。彼女は陸軍兵士の多くが直接の戦闘より病院内での不衛生による感染症で死亡していることを、綿密な調査から客観的データとして捉え、これを統計的手法により分析した結果、陸軍の病院内の衛生管理を徹底することで兵士の死亡数を減らすことを提言したのです。円グラフさえなかった時代に彼女が考案した「鶏のとさかグラフ」を使いデータを分かりやすく視覚化して表現することで彼女の報告は認められ、この貢献により女性初の英国王立統計学会正会員となっています。

現代では、統計学やコンピュータの進歩により、さまざまな分野でデータを客感的事実として捉え分析し、容易に意思決定に用いることが可能となっています。インターネットとICT技術の進化により日々膨大なデータが生成されると共に、個々人がそこからさまざまなデータを検索・取得できるようになりました。我々はデータを取得して使用するユーザーであると同時に日々データを生成する主体でもあります。報告書やメール文書、さらにはICカードによる公共交通機関の利用履歴、キャッシュカードによる商品購入履歴なども全てデジタルデータとして記録されます。また、近年、データをクラウドサーバーで管理する傾向が強くなっています。明確な定義はありませんが、これらの大容量データのことをビッグデータと呼んでいます。

ビッグデータとは単に量が多いだけでなく、様々な種類・形式が含まれる非構造化・非定型的データであり、さらに、日々膨大に生成・記録される時系列性・リアルタイム性のあるようなものを指すことが多いようです。従来は管理しきれず見過ごされてきたそれらのデータ群を記録・保管して即座に解析することで、ビジネスや社会に有用な知見を得たり、新たな仕組みやシステムを産み出す可能性が高まるとされています。

ビッグデータの活用事例を紹介しましょう。Googleは検索と無料アプリケーションによって蓄積した膨大なデータを基に広告ビジネスを行っています。また、Facebookなどのソーシャルメディアは世界規模の膨大な会員データを基盤として広告やゲームなどのソフトウェア販売などで収益を上げています。さらに、Amazonや楽天などのECショップでは会員データ、購買履歴、クリックストリーム(サイト内での顧客の動き)などのデータを使って、過去の履歴や「おすすめ」を提示し、会員の購買意欲を高める情報提供を行っています。

社会インフラの分野では、複数の自動車が協調して様々なデータを収集する「プローブ情報ネットワーク」が注目されています。これは日々走行している自動車からリアルタイムで収集されるデータから渋滞状況や天候の変化、事故等の危険個所の情報を取得して活用しようというものです。

ビッグデータの活用については、国家の競争力強化の重要施策として産官学によるさまざまな取り組みがなされています。総務省が発表した「情報通信白書」によると、ビッグデータをフル活用した場合、現状でも年間7兆7700億円の経済効果が見込めると報告されています。また、米調査会社ガートナーは将来的に国内ではデータサイエンティストが約25万人不足すると予測しており、人材確保を巡って、今後は企業間での獲得競争も激しくなりそうです。

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■ビッグデータ事例   ■データ→情報分析→意思決定


  
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