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 xpswmm 総合情報 Vol.30

 最新バージョン改訂機能

前回に引き続き、最新バージョンxpswmmj2012の改訂機能についてご案内します。主な改訂内容である、

  1. 橋梁、柱状構造物、ボックスカルバート等の抵抗を考慮した流況解析機能
  2. 2D土地利用における浸透損失の設定(任意パラメータ設定およびUSDA(米国農務省)パラメータ自動セット)
  3. グリーンアンプト法および一定初期損失・一定継続損失での浸透能の計算
  4. 浸水深に応じた粗度係数を任意曲線での設定
  5. 1D/2Dインターフェース流量変換オプション
  6. 1次元解析での2D浸水アニメーション
  7. さまざまなリスクを表現した2次元マップ(ハザード、河床せん断応力、質量保存等)出力
  8. 1次元解析結果の任意指定断面での横断図アニメーション出力
  9. ノードからの累積溢水量のグラフ出力
  10. 結果のESRI ASCII Gridファイル形式エクスポートロジックの改訂
  11. ノードおよびリンク入力値のGIS形式属性エクスポート
  12. XPテーブルのGIS形式属性エクスポート

の改訂機能の中から、前回の続きとして、今回は[7]以降についてご案内します。

 ポスト機能

様々なリスクを表現した二次元マップ
日本では現在、一般に氾濫シミュレーション結果は最大浸水域及び最大浸水深により評価され、各種ハザードマップはそれに基づき作成されます。つまり、現象に対するリスク評価は、一律に水没程度に主眼を置いた浸水深で行われています。しかしながら、対象とする現象が内水氾濫なのか洪水氾濫なのか、高潮なのか津波なのかにより、ハザードマップで表現されるべきリスクが異なるといえます。例えば、洪水や津波のように流速や波力が大きい現象に対しては、浸水深が小さい地点におけるリスクが必ずしも低いとは限らず、低水深箇所であっても射流となっている場合では流速は大きく、構造物が受ける波力も大きく、むしろリスクが大きい場合もあります。このような観点から海外では、州や自治体ごとにハザードマップは、浸水深のみでなく、流速も考慮に入れた独自のハザードの定義により、多角的な評価が行われており、わが国においても、一律に浸水深のみでの評価が見直される方向にあります。

本バージョンでは、海外で採用されている様々なハザードの定義による解析結果の2D マップ出力に対応しております。これにより、今後の日本におけるハザードの定義の見直しの検証に際して、本機能を活用いただけると思います。

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
■図1 各種2D マップの出力設定画面

これら様々なハザードマップに加えて、摩擦抵抗の評価のための河床せん断力、解析の安定条件となるクーラン数、マスバランスの出力や、ポテンシャル分布のわかる比エネルギーの出力、常流/ 射流の流況判定がわかるフルード数の出力、乱流の程度が変わる渦粘性の出力、また海底地形のDTM データにポリゴン等で追加設定した解析上の海底地形等の様々なコンター出力に対応しており、これにより、ハザードマップとは別途、解析結果の流況を様々な角度から評価・検証が可能となりました。操作手順としては、2D 解析設定(上図)で、出力したいハザードまたは解析結果のチェックボックスをチェックして解析実行します。レイヤーコントロールパネルの2D 氾濫図で水位/ 水深/ ハザード(:水深×流速)に加え、各種ハザードや解析結果が選択できます。

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
■図2 各種2D マップの表示設定

任意断面での横断面水面形出力
従来バージョンでは、任意断面を指定した横断地形図のみの出力でしたが、本バージョンより、横断水面波形も出力されます。断面はポリラインでの設定が可能なため、横断のみでなく縦断出力としても利用できます。

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
■図3 横断面水面形出力

ノードからの累積溢水量のグラフ出力
ノードのグラフ出力において、従来バージョンでは水位時刻歴(下図青線)の出力でしがが、本バージョンより、累積溢水量(下図桃色線)での出力が追加されました。

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
■図4 累積溢水量出力

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(Up&Coming '13 春の号掲載)
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