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昨今の都市開発の複雑化、河川構造物の多様化に伴い、今後の数値シミュレーションにおいては、より複雑な流況をシミュレートすることが求められてくるといえます。このような解析の高度化に対して、新機能をご活用いただけますよう、今回は橋梁、柱状構造物等の抵抗を考慮した流況解析機能の設定要領につきましてご案内いたします。
橋梁のモデリング
河川遡上解析における橋梁や、沿岸での浮き桟橋、市街地における建築物の柱基礎等では、浸水氾濫流に対する構造物の抵抗の特性としては、高さ方向に異なる透過率であり、形状損失が異なります。
例えば、下図のような橋梁構造においては、浸水深に応じたエネルギー損失は、橋脚部と桁部、欄干部とで異なるため、河川遡上における実現象としては橋梁部における流れの抵抗は、遡上水位の変化と共に変化していきます。
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■図1 橋梁構造とそれに応じたレイヤー設定 |
本機能では、橋梁形式や柱状構造物形式に応じた形状の入力フォーマットが用意されています。当該形状のように、深さ方向に流れの抵抗が区分できるような形状に対しては、深さでレイヤー分けし、レイヤー毎に、流れの阻害率(Percentage
Blockage)及びエネルギー損失係数(Energy Loss Coefficient)を設定します。
橋梁の設定要領
従来の河川解析や津波の河川遡上解析では、下図のような河川を横断する道路橋部において、橋梁形状を反映させることなく、橋梁を考慮しない地形と地形表面粗度とでのモデリングでした。
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■図2 橋梁の設定ケーススタディ |
ここでは、設定例として上図の道路橋部において、橋梁の形状に応じた橋脚部と桁部と欄干部とに分けて、流れの阻害率及びエネルギー損失係数の設定を行います。
1.レイヤーコントロールパネルから流量収縮のレイヤーを追加します。
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■図3 2D モデルに流量収縮の追加 |
2. 道路橋範囲をポリゴンで入力します。
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■図4 流量収縮のポリゴンの入力 |
3. ポリゴンを選択して、データ編集を実行し、入力ダイアログを開きます。
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■入力したポリゴンのデータ編集 |
4. 入力ダイアログで構造物タイプからレイヤー分けを選択し、レイヤー数を設定します。
5. レイヤー毎に流れの阻害率及びエネルギー損失係数を設定します。
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■阻害率とエネルギー損失係数の入力 |
ここで、レイヤー1では橋脚部として流れの阻害率は10%、エネルギー損失係数は0.07を設定、レイヤー2では桁部として流れの阻害率は100%、エネルギー損失係数は0.80を設定、レイヤー3では欄干部として流れの阻害率を25%、エネルギー損失係数を0.10で設定します。流量収縮のポリゴンの頂点位置が表示されるので、頂点毎に各レイヤーの高さ情報を入力します。 |
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