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前回に続きxpswmm2013の新機能についてご紹介いたします。
今回は、結果のグラフ表示において流域に関する詳細な情報を表示することができるHydromodification機能をご紹介いたします。
本機能の実装により、水理環境の変化に伴う流量変化の予測や流量緩和対策の結果についての比較をすることができるようになります。
Hydromodificationとは、河川水域および非河川水域(河口、湾や湖など)における変化に対する計画的な対応や対策を包括する用語として米国環境保護庁(USEPA:The
United States Environmental Protection Agency)が定義したものです。近年、土地開発に伴う水理環境の変化、不浸透域(水を通さないコンクリートやアスファルト地帯)の増加や自然植生の減少によって水害が発生しやすい環境になっています。また、それに伴う水害対策によって河川や水路における流量およびその持続時間と頻度が増加し、河口部における総流量が増加しています。その結果、無計画な水害対策は、河口部における地形の侵食の原因となる場合があります。米国環境保護庁は、この問題の解決策として水理環境の全体的なマネージメントの必要性を訴えています。
本機能は、次の情報をグラフ化することができます。
- ORG(Original Graph) :元のグラフ
- CPG(Cumulative Probability Graph) :累積確率
- PEG(Percent Exceeding Graph) :超過パーセント
- DUR(Flow Duration Graph) :持続流量
解析終了後、情報を表示したいノードまたはリンクを選択して結果のグラフ表示画面を開きます。そして、図の赤枠内にあるグラフ表示の切り替えボタンを押して任意の表示モードに変更してください。
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■図1 グラフ表示画面 |
累積確率(Cumulative Probability) 累積確率は、確率分布において、対象の値(水位や越流量)がある一定の範囲内である確率を求めるために算出する確率の総和です。
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■図1 グラフ表示画面 |
超過パーセント(Percent Exceeding) 超過パーセントは、対象の地点(ノードやリンク)においてある期間内に閾値(年確率降雨量など)を超過する確率を表すグラフです。
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■図1 グラフ表示画面 |
上記の例では、避難経路上の水深区切値0.1m-0.2mに対しては0.61時間(36分)後、0.5mに対しては0.69時間(41分)後から浸水が始まる結果となっています。これより、この地区の住民が、これらの浸水が始まる前に、この避難経路を通って避難完了できるのかどうか等の検証に活用ができます。
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■図1 グラフ表示画面 |
持続流量(Flow Duration)
持続流量のグラフは、水位および越流量の持続期間を表すグラフです。時間経過に伴い、水位や越流量の変化が発生するため、その推移を見ることができます。
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(Up&Coming '14 春の号掲載) |
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