上部工許容曲率の耐震性能2は、PC鋼材が引張側に配置されているか、配置されていない場合は、常時の圧縮応力度が2N/mm2以上あるかで処理が異なります。具体的な計算の流れは下図のようになります。
計算名称
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計算内容 |
パターンA |
M-φのPC鋼材降伏の曲率 |
パターンB |
最外縁鉄筋の引張ひずみが0.005に達する曲率を計算 |
パターンC |
M-φの鉄筋降伏の曲率 |
■図1 耐震性能2の計算フロー
引張側のPC鋼材の配置の有無については、過去のバージョンではPC鋼材の図心から求めておりましたが、Ver.9.2から曲げの正負両方を考慮することに伴いPC鋼材の配置位置で判定するようにしました。具体的には全鋼材配置画面で配置されている鋼材の値を用いて判定しています。
■図2 全鋼材配置画面
また、常時圧縮応力度が2N/mm2以上の判定については、合成応力度の設計時の計算結果で行います。フォーラムエイトではより危険側と考えられるMinの値を用いて判定を行っております。
道示の主旨として、地震時のみで引張応力が生じる断面(従って常時は圧縮応力が生じる)は引張ひずみが0.005以下であれば仮定している性能をみたすことが書かれています。よって注意としましては、判定の際、引張が生じた側の圧縮応力度で判定する必要があります。
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