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土留め工の設計・3DCAD Ver.14
慣用設計法及び弾塑性法による土留め工解析・図面作成プログラム

●新規価格 
Advanced:500,000円(SS:75,000円)、Standard:420,000円(SS:63,000円)、Lite:264,000円(SS:52,000円)
●リリース 2016年7月
UC-1 仮設工
 土留め工の設計セミナー  Webセミナー対応
●日時:2016年7月22日(金) 9:30〜16:30
●本会場:東京本社 品川インターシティA棟セミナールーム
  ※TV会議システムにて 東京・大阪・名古屋・福岡・仙台・札幌・金沢・岩手 同時開催
●参加費:1名様 \18,000 (税別)
 はじめに
「土留め工の設計・3DCAD Ver.14」では、主に次のような機能追加、拡張を行いました。ここでは、これらの機能の概要を紹介します。

Advanced版
 1. 逆解析による土留め壁変位に関するファジィ理論を用いたフィッティング評価機能
Standard版
 2. 弾塑性法のみの計算処理に対応
 3. 弾塑性法の出力において、側圧計算表に土圧式を提示する、解析法UESの解析条件(除荷荷重)を提示するなどの出力機能
Lite版
 4. 鋼矢板腐食低減係数の自動決定機能
 5. 火打ちに油圧ジャッキを入れた場合の腹起しスパン計算に対応
 6. [初期入力]で余掘り量について全ステップに一律で設定していたものを、各ステップでの設定変更に対応
 7. [初期入力]変更後、検討ケースの入力した地盤改良データを条件付きで継承するように改訂

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
▲図1 メイン画面
 逆解析による土留め壁変位に関するファジィ理論を用いたフィッティング評価機能
土留め壁の変位の実測値と逆解析から得られる予測値との整合性を評価する方法として、「ファジィ理論を用いた山留め壁変位の実測値と予測値の整合性判定プロセスのモデル化」土木学会論文集No.480/VI-21,pp.147〜155,1993.12杉山俊幸らの考え方を導入し、現在サポートしている目的関数による逆解析結果の適正判断に加え、整合性判断の強化を行いました。

この時の整合性判断は、専門技術者の判定に影響を及ぼす要因と考えられる次の5項目について照査を行い、文献に示されている評価基準に基づいて評価点を求めることになります。評価点が高いほど整合していることになります。
 1. ピーク値付近差
    実測値のピーク値近傍5点の値と予測値の2乗平均誤差
 2. ピーク深差
    実測値と予測値のピーク位置の深さ方向の差
 3. 全体差
    全ての実測値と予測値の2乗平均誤差
 4. 平均絶対差
    実測値と予測値の差の絶対値
 5. 15%誤差比較
    実測値と予測値の差が実測値の15%以内の比率

今回の対応は、評価点を画面表示し、設計者が逆解析結果として整合性の高い物性値を選択しやすいように情報提供を行うものです。将来的には、ある物性値に対する1次掘削時の整合性から、次の2次掘削時を評価すべきかを判断し、不要な解析を極力行わずに整合性の高い解析結果を導くような仕組みについても検討したいと考えています。

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▲図2 整合性評価結果画面
 弾塑性法のみの計算処理
弾塑性法のみの計算処理に対応しました。従前までは、弾塑性法による設計計算を行う場合にも、必ず、慣用設計法による照査を同時に行う仕組みになっており、計算書作成段階で弾塑性法のみの出力を用意していましたが、今回は、入力、並びに、結果確認も含めて、弾塑性法のみで計算処理が行えるように機能改善を行いました。
 弾塑性法の出力機能
弾塑性法の出力において、側圧計算表に土圧式を併記し、また、解析法II ESの解析条件である除荷荷重を提示するように機能改善を行いました。土圧式を併記することにより、表中の側圧値について手計算でチェックすることができ、説明も容易になると考えられます。

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▲図3 側圧計算の出力(内訳を追加)
 鋼矢板腐食低減係数の自動決定機能
適用基準が「土地改良事業計画設計基準 設計「水路工」 基準書 技術書」平成26年3月 農林水産省」の場合に、「鋼矢板・設計から施工まで2014(鋼管杭・鋼矢板技術協会)」に準拠した低減係数の自動決定に対応しました。本基準には、U型鋼矢板9種類、ハット型鋼矢板2種類の、腐食代と低減係数の関係をプロットしたグラフが示されています。

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
▲図4 低減係数算定画面

本製品ではこれと同等のグラフを使用し、指定された腐食代t1と腐食代の比αより低減係数をグラフから読み取り自動決定します。
 火打ちに油圧ジャッキを入れた場合に腹起しスパン計算に対応
仮設指針P.118図2-10-5に記載している端部に油圧ジャッキを入れてゆるみをとった場合の腹起しスパンの計算に対応しました。本機能は隅火打ち、切梁火打ちそれぞれ個別設定できるようにしています。

▲図5 腹起しスパンの取り方(左図が油圧ジャッキあり)
 余掘り量を各段個別に設定
本製品では、初期入力画面で必要最小限のデータを入力することで、計算に必要な設計条件を大方生成する機能を有しています。しかしながら、余掘り量は現在全掘削ケースで共通であるものとして取り扱っており、各掘削ケースで余掘り量が異なる場合は、検討ケース画面で掘削深さを直接修正しなければなりません。
そこで、各掘削ケース毎に、個別に余掘り量を設定できる機能を用意しました。これによって、初期入力の段階で、各ケースの掘削深さの設定ができるようになりました。むろん、従来通りの一律扱いも可能です。

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▲図6 初期入力画面(余掘り量の個別設定)
 初期入力を変更しても地盤改良データを有効にする
現在、初期入力画面で、例えば、支保工段数は変更せずに、単に、設置位置を移動した場合でも、検討ケースデータで入力した「地盤改良データ」が無効(データ削除)になっていました。
初期入力画面で、支保工設置位置を変更するということは、新たにデータを作成し直すものと判断し、新規データ作成に近い扱いになっていたためです。今回は、支保工段数に変更がない、仮設ステップが変わらない場合、「地盤改良データ」をそのまま有効にするようにしました。これによって、地盤改良データを入力し直す手間が解消されます。
 おわりに
以上、主な拡張機能の概略を紹介させていただきました。今後も皆様からのご要望を取り入れて、改良・改善を加えていきますので、どうぞご期待ください。
(Up&Coming '16 盛夏号掲載)
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