xpswmmでは、海溝型地震などに伴う海面水位の上昇をモデルに与えることで津波発生・伝播・遡上の状況を再現することができます。今号と次号にわたって、その解析モデル作成方法の要点を紹介いたします。今号は、地形の入力方法と初期水位の設定方法を紹介いたします。
地形データの入力方法
モデル作成の開始時は、解析対象範囲の地形データおよび海底面のデータを読み込みます。もし、海底面のデータをお持ちでない場合は、後述のフィルエリアをお使いください。
地形データは、図1のようにレイヤーコントロールパネルのDTMを右クリックし、入力方法を選択してから入力します。その入力方法およびファイル形式は、下記の通りです。
- Load ASCII Grid file (*.asc、*.txt)
- DTMファイルを読み込む(*.xptin、*.tin.0)
- DTMビルダー
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■図1 DTMのポップアップ |
DTMビルダーでは、上記の入力方法に加え、XYZSファイル(*.xyz、*.xyzs、*.txt、*.csv)から入力する方法、入力済みのノードから標高値を生成して入力する方法があります。XYZSファイルは、各測点の座標値をY、X、Zの順に記したファイルです。
海底面を補う方法(フィルエリア)
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■図2 フィルエリアの設定範囲(例) |
海底面の地形データをお持ちでない場合、その代わりに「フィルエリア」を用いて任意の範囲を一定の標高値にすることができます。
図2のように海岸線をなぞるように解析対象範囲の海を囲み、図3のように一定標高値を設定することで、簡易的に海底面を定義します。
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■図3 フィルエリアの設定画面 |
海面(平均海水面)は、2Dモデルの「初期水位」を用いて入力します。初期水位は、解析開始時における水位を設定するもので、津波が発生する前の平均海水面の高さに設定します。初期水位の設定範囲は、フィルエリアの設定範囲と同様です。
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■図4 初期水位の設定 |
フィルエリアと同じ位置に初期水位を設置する場合、各頂点を指定する際にフィルエリアの頂点にスナップさせることができます。その機能を有効にする場合は、Snap ON/OFFボタン(図5)を押してください。
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■図5 スナップを有効にするボタン |
次回は、津波の伝播・遡上や、構造物(防潮堤、建物など)の入力方法について紹介いたします。
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