3D配筋CADでは、新規リリース後、より使い易いCIMツールとなるように作図機能や操作性の改善を進めており、Ver.3では「躯体形状の拡張」「鉄筋生成機能の拡張」「数量計算対応」「設計計算プログラムとの3D配筋連携改善」に対応しています。以下にその機能概要を紹介致します。
躯体形状の拡張(複数断面入力対応)
躯体入力として、躯体を「断面形状から作成」する機能(2断面を結ぶ躯体を生成する機能)を備えています。この「2断面を結ぶ躯体生成」では、断面形状が変化する場合、変化断面ごとに別躯体として複数の躯体に分けて入力する必要があります。
そこで、Ver.3では「複数断面の入力」に対応し、断面形状が変化する躯体でも1つの躯体として入力・生成することを可能としました。
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図3 2断面を結ぶ躯体生成 |
図4 複数断面を結ぶ躯体生成 |
躯体形状の拡張(開口部入力対応)
躯体入力「断面形状から作成」では、「開口部入力」に対応していなかったため、矩形開口部の躯体の場合、開口端で分けた複数躯体で構成する必要がありました。今回、躯体入力「断面形状から作成」機能に「開口部入力」対応をサポートし、開口部を含む躯体の生成を容易に入力・生成することが可能となりました。
躯体入力「断面形状から作成」機能で入力された躯体面に配筋する鉄筋(縦鉄筋、横鉄筋、組立筋)は、「開口部箱抜き処理」を自動で行います。また、「開口部補強筋」の配筋に対応しています。
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図5 躯体入力(断面形状から作成)機能の「開口部対応」 |
図6 開口部に対する開口部箱抜き・開口部補強筋対応 |
鉄筋生成機能の拡張(仮想面への配筋対応)
Ver.2.6での鉄筋生成では、躯体の各面(配筋面)を指定して配筋しますが、例えば、擁壁ハンチ筋のように配筋面がない場合は、配筋できませんでした。Ver.3では、「仮想配筋面」を追加し、その仮想配筋面へ配筋することで、配筋対象とする配筋面がない場合でも、目的の鉄筋を配筋することを可能としています。
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図7 仮想配筋面への配筋 |
鉄筋生成の拡張(複数面への配筋対応)
Ver.2.6での鉄筋生成では、「配筋面」や「鉄筋先端面」を指定して配筋しますが、配筋範囲が複数の「配筋面」や「鉄筋先端面」にかかる場合、指定された躯体面以外は、配筋を省略していました。Ver.3では、配筋範囲が複数の「配筋面」や「鉄筋先端面」にかかる場合(指定された躯体面以外)でも、鉄筋形状が変化しなければ、配筋するように改善しました。
数量計算対応
躯体数量(コンクリート体積、型枠面積)および鉄筋数量の算出に対応し、算出した数量の数量計算書(数量総括表、躯体寸法図、各部躯体数量、鉄筋数量)出力に対応しています。
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図8 複数面への配筋 |
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図9 数量計算対応 |
3D配筋連携改善
3D配筋CADでは、「UC-1設計シリーズ」で生成した3D配筋データの連携機能(3D配筋データの読込・表示・干渉チェック対応)を備えていますが、連動された3D配筋情報(鉄筋形状、配筋ピッチ、かぶりなど)の編集には対応していませんでしたので、Ver.3では「3D配筋データ連携」時に「躯体・鉄筋の入力データ」へ展開する機能をサポートし、連動された躯体・鉄筋情報の編集を可能としています。
※3D配筋連携情報の編集に対応した「UC-1設計シリーズ」は、「3D配筋CAD」Ver.3リリース後に、随時リリースする予定です。
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図10 3D配筋連携改善(連携情報の編集対応) |
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