「鋼断面の計算（部分係数法・H29道示対応）」は、平成29年道路橋示方書に準拠した製品となります。今回の道路橋示方書の改訂では、内容が大幅に刷新されました。最も大きな変更は部分係数法に基づいた設計法になった点です。また、鋼材の追加も行われています。

図1　メイン画面

部分係数には、作用力に乗じる「荷重・組合せ係数」と、耐力に乗じる「抵抗係数」があり、本製品では[基準値]メニューに設定画面を用意しています（図2）。

また、入力する断面力には荷重係数を乗じた後の数値を設定することを前提としています（図3）。ただし、合成I桁断面や合成箱桁断面で、プログラム内部で計算されるクリープ、乾燥収縮や温度差による断面力については、基準値で設定されている荷重係数を乗じます。

図2　部分係数設定画面	図3　断面力設定画面

限界状態1及び限界状態３に対して満足することを照査します。限界状態1は、部材等の挙動が可逆性を有する限界の状態をいい、限界状態3は、部材等の挙動が可逆性を失うものの、耐荷力を完全に失わない限界の状態をいいます。各状態において応力度が制限値を超えない事を照査します。各状態の具体的な照査方法は1例ではありますが、次のようなものとなります。

限界状態１に対する照査 ・軸方向引張応力度の制限値σtyd ここに、 σyk ： 4章に示す鋼材の降伏強度の特性値(N/mm2） ξ1 ： 調査・解析係数で、表1に示す値とする。 Φyt ： 抵抗係数で、表1に示す値とする。

施工地域・工事区分 ξ1 Φyt i）ii）及びiii）以外の作用の組合せを考慮する場合 0.90 0.85 ii）3.5(2）3）で(10)を考慮する場合 1.00 iii）3.5(2）3）で(11)を考慮する場合 1.00  表1　調査・解析係数、抵抗係数

限界状態3に対する照査 ・軸方向圧縮応力度の制限値σcrld ここに、 σyk ： 4章に示す鋼材の降伏強度の特性値(N/mm2） ξ1 ： 調査・解析係数で、表2に示す値とする。 ξ2 ： 部材・構造係数で、表2に示す値とする。 ΦU ： 抵抗係数で、表2に示す値とする。 ρcrl ： 局部座屈に対する圧縮応力度の特性値に関する補正係数。

施工地域・工事区分 ξ1 ξ2  Φyt i）ii）及びiii）以外の作用の組合せを考慮する場合 0.90 1.00  0.85 ii）3.5(2）3）で�Iを考慮する場合 1.00 iii）3.5(2）3）で�Jを考慮する場合 1.00  表2　調査・解析係数、部材・構造係数、抵抗係数 (SBHS500及びSBHS500W以外）

図4　照査結果画面

鋼材にSBHS400/SBHS400W/SBHS500/SBHS500Wが追加されました（図5）。これらは、板厚による降伏点の変化はありません。

図5　基準値-使用鋼材画面

今後も指針・便覧の改定にいち早く対応し、お客様にお使いいただけるように開発してまいります。