前回まで、操作方法の違いにより生成されるブロックに違い―ブロック情報を持つ写像ブロック、持たない単純ブロック―ができることを説明してきました。ブロック情報があると、それを利用してメッシュ生成や条件設定などを行うことができます。
今回、ブロック情報がどのような場面で利用されるか、その一例を紹介したいと思います。
例:サイド情報を利用したメッシュ生成
下図のように異なる方向から2次元メッシュを作成してきて、それがぶつかった場所にメッシュを生成するとします。
特に、この例のようにメッシュが不等分割になっている場合、サイド情報を利用すると簡単にメッシュ生成を行うことができます。
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【サイド参照で4角形ブロックを生成】
4角形ブロック生成で、通常は各辺(サイド)の生成節点数を指定しますが、0を指定した場合は既にあるサイドを参照して4角形ブロックを生成します(3角形、5面体、6面体ブロックも同様です)。
0指定で既存サイドがない場合は、対辺のサイド情報を参照します。
【サイドをサイドに沿って移動で4角形ブロックを生成】
ブロックの移動生成で、「線に沿って移動」を、移動元、移動ラインともにサイド選択で実行します。サイドの2端点を指定するだけで済みます。またサイドの一部だけを指定する、ということもできます。
(完成図は4角形ブロックの場合と同じになります。)
例:ブロック面を利用した不等分布荷重の設定
FEMISには、面のコーナー点に荷重値を与えるだけで面の内部を自動補間して不等分布荷重を設定する機能があります。ブロック面情報が無いと平面、円筒面にしか使用できませんが、ブロック面があると任意面(円錐面など)にも使うことができます。
【円錐面にエリア載荷で不等分布荷重を設定】
●円錐面の作成
4角形ブロックを以下の設定で生成します。
オプションで円筒座標系CZを指定したので、シート入力は(座標値1、座標値2、座標値3)=(半径r、角度θ、高さz)となります。
●分布荷重の設定
【条件】メニューから【要素】‐【エリア載荷】を選択します。指定方法:ブロック面、条件:4角形面-直線を選択、荷重値を入力、OKボタンクリック後、ブロック面のコーナー3点を指定します。
今回紹介した例のように、サイド・ブロック面といったブロック情報を利用することで、ブロック情報が無い単純ブロックではできない操作が可能となります。
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