Shade3Dで行われる作業において時間を要する作業の一つがレンダリングです。今回は、レンダリングに掛かる時間を短縮することができるよう「環境」「CPU」「メモリ」に分けて代表的な改善方法をご説明させていただきます。
利用環境の確認
レンダリング速度を向上させる効果的な方法は、できるだけ新しく、高速なコンピュータを利用することです。CPUは駆動周波数が高く、コア数、スレッド数が多いほど高速となります。また、メモリも十分に搭載されている必要があります。物理的に搭載されているメモリが不足すると全体的な処理速度が低下いたしますので、可能な限り増設しておくことをお勧めいたします。
なお、グラフィックボードは、図形ウインドウの描画処理に効果を発揮しますが、レンダリングには影響しません。そのため、レンダリングに重点を置きたい場合はCPUやメモリ、モデリングに重点を置きたい場合は、性能の高いビデオカードを搭載したコンピュータを利用することをお勧めいたします。
CPUの負荷を軽減する
レンダリングは、シーンファイルに設定された表面材質や光源、陰影、カメラ、レンダリング設定をもとにシーンを計算して画像を作成します。その中でも透明や反射、光源に関する設定を過剰に設定すると膨大な計算が必要になりレンダリング速度が低下する原因となります。CPUの負荷を軽減しレンダリング速度を改善したい場合は、以下の設定の見直しをお願いします。
- レンダリング設定のアンチエリアシング(図1)、視線の追跡レベル、レイトレーシングの画質を不必要に高くしないようにします(図2)。
- 表面材質設定のShade3Dマテリアル(図3)では、「反射」「透明」「屈折」「荒さ」「ボリューム設定」、PBRマテリアル(図4)では、「ラフネス」「透明度」を最小限の設定に留めるようにします。
- 光源設定では、面光源、線光源を多数使用しないようにします。また、設定も必要なもの以外は「影のソフトネス」をなるべく「0」にし、ボリュームライトも「オフ」にします(図5)。
※PBRマテリアルはShade3D Professional版のみの機能です。 |
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メモリの負荷を軽減する
緻密に制作されたデータは、細部を作成するほどデータ容量も大きくなり、それに比例してレンダリングで利用するメモリの負荷も増加します。Shade3Dでは、レンダリングに利用するメモリの消費量を「面の分割」レベルを調整することで軽減することができます。レンダリング設定の「基本設定」タブ(図6)にある「面の分割」を「普通」から「粗い」と一段階下げることで、レンダリングに形状データが使用するメモリの消費量を約1/4に軽減します。
また、形状毎に「面の分割」を設定することもできます。
ブラウザの「記号」メニューにて、形状やパートの名前の先頭に「@」、「<」、「>」の多角形分割記号をつけることにより、形状やパート単位で面の分割レベルを設定することができます。
形状の見えない部分や細かさを必要としない形状など部分的にメモリの消費量を減らすことができます。
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