●新規価格 Advanced:440,000円 Standard:359,000円 Lite:284,000円
●リリース 2020年 3月31日
はじめに
斜面の安定計算は、各種設計基準類により、湛水条件における土構造物の土中水状態を自動設定する解析プログラムです。斜面安定解析/逆解析(逆算法)の基本解析、或いは法面工の景観設計を基本機能とし、各種対策工の設計計算機能を付加しております。斜面の安定計算 Ver.13では、対策工法の混合工法への対応、対策工法適用基準の改定、新基準への対応、データ連携の強化や既存機能拡張や改善など日々寄せられるご要望を中心に改訂を行いました。
対策工法の混合工法対応
Advanced版の改訂として、アンカー工と切土補強土工(鉄筋挿入工)との混合工法に対応しました。工区の設定にて、アンカー工と切土補強土工を交互に、または上段の工区を切土補強土工、下段をアンカー工と設定などとすることで一連の照査が可能となります。
設計要領 第二集 橋梁建設編 平成28年8月への対応
Lite版の改定として、設計要領 第二集 橋梁建設編 平成28年8月 東日本高速道路株式会社・中日本高速道路株式会社・西日本高速道路株式会社の「円弧すべりによる極限支持力計算」に対応しました。同要領では「斜面上の基礎の場合には円弧すべりで考えても支障がないことから、円弧すべりを用いた方法により極限支持力を求めてよい。」とあり、Ver.13では p.4-23 図4-3-12(b)に記載の「検討フロー」に従いFs≒1.0となる荷重(=極限支持力)の試行計算を行います。
対策工法適用基準の改定
Standard版の改定として、「のり枠工の設計・施工指針(改訂版第3版)」平成25年10月 一般社団法人 全国特定法面保護協会に対応しました。なお、平成18年11月と平成25年10月との相違点は表1のとおりです。
平成18年11月
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平成25年10月
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腹部コンクリートのせん断に対する設計斜め圧縮破壊耐力
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Vwcd = fwcd・bw・d/γb(6.3.6)
ここに、
fwcd =
1.25√f'cd ≦ 7.8(N/mm2)
γb:部材安全係数、
一般に1.3としてよい。
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Vwcd = fwcd・bw・d/γb (7.3.6)
ここに、
fwcd =
1.25√f'cd ≦ 9.8 (N/mm2)
γb:部材安全係数、
一般に1.3としてよい。
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βn=1+Mo/Md(N'd≧0の場合)
ただし、βn>2となる場合は2とする。
βn=1+2Mo/Md(N'd<0の場合)
ただし、βn<0となる場合は0とする。
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βn=1+2Mo/Mud(N'd≧0の場合)
ただし、βn>2となる場合は2とする。
βn=1+4Mo/Mud(N'd<0の場合)
ただし、βn<0となる場合は0とする。
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支圧強度に対する照査
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支圧強度の特性値
コンクリート面の支圧分布面積:A
A=(b1+2c1)・(b2+2c2)
支圧を受ける面積:Aa
Aa=b1・b2-(π / 4)・d^2
ここに、
d:箱抜き径
b1=b2:プレート幅
f’ak=η ・f’ck
支圧応力度
σ b=Pd/Aa
ここに、
Pd:アンカー設計荷重
Aa:支圧を受ける面積
安全性に対する照査
γ i×σ b/f’ak≦1.0
ここに、
f’ak:支圧強度の特性値
σb:支圧応力度
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支圧応力度の設計
設計条件
コンクリート面の全面積:A
A= b2-D2 π/4
プレートの有効面積:Aa
Aa= u2-D12 π/4
ここに、
u:プレートの幅
D1:アンカーの箱抜き径
b:梁幅
許容支圧応力度
σ ba≦(0.25+0.05・A/Aa)・σ ck
ただし、設計基準強度の50%以内に抑えるものとする。
σ ba≦0.5・σ ck
ここに、
σ ba:許容支圧応力度
σ ck:設計基準強度
支圧応力度
σ b=Td/Aa≦σ ba
ここに、
σb:支圧応力度
Td:設計アンカー力
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おわりに
今回ご紹介しました改訂内容に加え、モデル作成補助ツールと斜面の安定計算本体との連携強化や利便性の向上を目的とした様々な機能改善および拡張を多数行っています。
どうぞご利用ください。