UC-win/Road Ver.14.1では4Dシミュレーション機能をリリースいたしました。現在、今後のBIM/CIM機能強化をUC-win/Road
V15.0として開発を進めており、今年中にリリースを行う予定ですが、今回UC-win/Road V14.2としてリリースする改訂内容を説明いたします。
線形計算と計算表の強化
UC-win/Roadでは、作成した線形データの計算表を表示する機能を搭載しています。今回鉄道線形に拡張し、カント値まで表示するようにしました。表内のデータはコピーして、Excelなどへの貼り付けが可能で、線形計算結果としてそのまま利用可能です。また、鉄道線形計算については、収束処理を改善し、サイン半波長と3次放物線についてミリ単位以下の精度で正確な数値の出力が可能になっています。
図1 鉄道線形計算表(ピッチ指定の座標計算も可能)
路面走行機能の改良
運転中の道路の縁石との反発処理、道路端部の扱い、反対側車線での走行について自由度を高め処理の安定性も改善いたしました。
- 縁石接触時に反発の力を調整できるようにしました。見た目上の反発効果だけではなく、車両に対して発生する力の調整が可能です。特にモーションプラットフォームを利用する際は、加速を発生させると強すぎるモーションの動きになる可能性があり、今回の改訂により、加速度の度合いを自由に設定可能になります。
- 道路の端部を通過すると、今まで自車両が自動的に削除されていましたが、削除するかどうかの設定を追加いたしました。削除しない場合は縁石接触時と同じ処理を行います。
- 中央分離帯がない道路について反対側の車道の走行を許可するかどうかの設定を追加し、従来の反対側車線への走行ができなかった制限をなくしました。
ログ出力機能の改良
これまでに頂いた複数の要望への対応を行いました。
- 保存時のログファイルのファイル名指定機能:保存時のファイル名について、自動的に設定される従来機能と保存時にファイル名を手動で指定する機能から選択できるようにしました。実験内容や結果を即座にファイル名に反映させ、データ管理が容易になります。
- 信号機情報のログ出力:ログファイルに信号機の状態、交差点の現示情報の出力を行えるようにしました。
- シナリオからのメッセージ出力:シナリオのイベント実行状態をより参照し易くするために、シナリオで設定した文字列をイベント発生タイミングでログに出力できるようにしました。
- 浮動小数点数の設定:すべての実数情報について出力される小数点桁数を設定できるようにしました。表などでの数値の扱い易さを改善し、CSVファイルの後処理をしなくても見たい形式に合わせて数値出力が可能になります。
今後の予定:リプレー機能で再生する際に、ログ情報の同期によるログ変数の画面表示を予定しています。再生中に3Dの表示と音の再生だけではなく、シミュレーションデータの可視化、走行中に起きた事象などの分析に利用可能です。
FBXファイル出力対応
UC-win/Roadで作成した空間3DデータをFBXファイル形式に出力できるようにしました。ゲームエンジンや3Dモデリングツールなどで今まで以上に3Dデータが扱い易くなりました。本機能は3D形状や透過色や半透明ポリゴンのデータにも対応し、互換性の高い機能を提供しています。