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●レベル2照査とは
- イージースラブ・ラーメン橋は、比較的小規模な橋梁に適した工法で、上部工としてH鋼を使用してスラブを形成し、橋脚との一体化によりジョイントレス構造を基本としています。
杭基礎を含め上下部一体構造である利点は工期短縮、メンテナンス費の削減、走行性の向上などがありますが、一方でイージースラブ・ラーメン橋は、上下部一体構造であるため落橋におよぶ可能性は小さいが、上部構造および橋台の塑性化が進展した後の挙動がそれぞれ不明であること、損傷に対する機能回復のための応急的修復が容易な部材ではないことから、橋の重要度に関わらず耐震性能2を満足させるものとします。
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▲イージースラブ・ラーメン橋の入力画面 |
レベル2地震動に対する耐震照査を行うには、上下構造を一体モデルとして解析し、慣性力、液状化の影響、受働土圧の作用等の影響検討を行う必要があります。また、従来の地震時の検討に比べ大規模地震を対象としていますが、発生頻度が低いというレベル2地震動の特質を考慮して限界状態を定めます。部位ごとに限界状態を、多少の損傷を許容しながら修復を前提にした部材の限界状態、あるいは別の部位では弾性域を超えない限界状態等を設定し、断面の塑性化に達する状態まで考慮した解析が必要です。
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▲解析モデルの一例 |
●ESデータエクスポート機能
- Engineer's Studio(ES)は、構造物の非線形挙動を解析するプログラムで、UC-win/FRAME(3D)で高い評価と多くの実績のあるファイバー要素を備えています。3次元の骨組みモデルについて材料非線形や幾何学的非線形(大変位)を考慮した解析が可能であり、レベル2のような大規模地震における断面の塑性化を検討することが可能です。そこで、レベル2照査用に、ESデータエクスポート機能を用意することに致しました。
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▲ESデータのモデル画面 |
●ファイバー要素
- ファイバー要素は断面性能のみならず断面を構成する鉄筋やコンクリート、あるいは鋼管杭の場合は鋼材の材料ヒステリシスを考慮することで、材料の複雑な非線形挙動を大変形に至るまで解析することができる要素です。各材料特性まで考慮することで、ファイバー要素は応答ひずみの大きさによる損傷判定が行えます。また、鋼材については、「鋼・合成構造標準示方書 耐震設計編」(土木学会、2008年制定、2008年2月)に準拠したひずみ照査を行います。構成部材をファイバー要素でモデル化し、安全係数や終局ひずみの設定を行うとひずみによる照査結果が得られます。
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▲ファイバー要素の入力画面(橋台竪壁部のRC断面) |
●おわりに
- このようにESデータをエクスポートすることで、ESを使用したレベル2地震動に対する耐震性能照査の手間を大幅に改善することが可能になると考えられます。
今後もユーザ様からのご要望を取り入れ、改良・改善を加えてまいります。
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■イージースラブ・ラーメン橋の設計(ESB/ERB)Ver.2.3.0 リリース予定日:2010年
7月 |
(Up&Coming '10 盛夏の号掲載) |
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