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●プログラム概要
- 「GeoFEAS 3D Ver2.0」について紹介いたします。本プログラムは、有限要素法にもとづく地盤の3次元弾塑性解析を行い、杭基礎問題、トンネル掘削による周辺地盤への影響問題、斜面安定解析など3次元で現場の地形をモデル化し、実際の形状にあった3次元解析を行うことができます。
Ver.2では、交差したモデルのモデル化や、LandXMLファイルから地表面の地形データをインポートする機能、および分割数を入力して四面体による半自動メッシュ機能など、旧版と比較し大幅にモデル作成機能がアップしました。
また、解析部の高速化、大容量化を計り、3次元モデルにともなう自由度の増加に対応しました。これにより、従来は2次元で解析していた杭基礎の杭配置を立体的に表現し、複雑な地層に設置するようなモデルや、トンネルとトンネル、あるいはトンネルと立坑のような立体モデルについても解析が可能となりました。また、地滑り地形を3次元で表現することで現実的な斜面安定解析も可能としました。
●モデル作成機能の大幅アップ
- 下図左はトンネルと杭基礎の橋脚の解析事例です。杭を有限要素解析で表現する場合は、2次元では円形や杭配置などを正確に表現することができません。また、トンネルの掘進にともなって杭基礎への影響を評価する上でも、トンネルの掘削や覆工等の各施工段階と合わせ掘進の進捗に合わせた解析には3次元解析が不可欠です。
都市部では多くの土木構造物が複雑に立体交差(下図右)しており、3次元解析でモデル化し、より実際の地形、地質条件および構造物の関係を表現することができます。また、メッシュ生成機能も改善され容易に四面体を含めユーザーの選択したメッシュが作成できるようになりました。
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▲トンネルと橋脚 |
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▲トンネル交差モデル |
●LandXML形式の地表面データの読み込み
- 地形データのファイル形式LandXMLで作成された地表面や地層境界の座標や標高のデータをインポートすることが可能となりました(下図左)。この機能により複雑な地形情報を手入力することなく自動的に構築することが可能となります。
地形情報をもとに設計対象となる構造物をモデル化することが可能です(下図右)。また、弊社の景観シミュレーションソフトUC-win/Roadとファイルを介して同じ地形情報を共有することができます。変形や安定に関する有限要素解析はGeoFEAS3Dによって行い工学的判断をします。GeoFEAS3Dで解析した対象について、現場地形の中で3次元モデルを景観シミュレーションするのはUC-win/Roadが行うことにより、周辺の道路や周辺構造物との取り合いを含め、現況の地形に合わせた新規の構造物や斜面崩壊の懸念のある地形を、具体的にビジュアルに再現することが可能です。
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▲LandXMLデータの読み込み |
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▲地形データと構造物 |
●弾塑性解析機能
- 従来からの弾塑性解析機能として、豊富な土の構成モデルおよびせん断強度低減法(下図)によるすべり安定解析が可能です。
せん断強度低減法とは、土を弾塑性モデルに設定し、強度定数に対して安全率を少しずつ上げて計算を繰り返し、すべり面に相当する部分に大きなせん断ひずみの増加が発生するところを検出する方法です。この方法によれば任意の地形の中で円弧や直線に限らず実際の地層・地質条件に合わせたすべり面を検出することが可能です。
また、安全率は通常の円弧すべり法(Bishop法)に相当する結果が得られているという報告があります。地すべり地形や急傾斜地形の3D斜面安定解析に応用することができます。
また、梁要素で構造物をモデル化できるので、対策工の検討などにも有効な機能を有しています。
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▲せん断強度低減法の解析結果 |
●複雑な土の構成モデルパラメータを検討可能
- 一般的に地盤の変形挙動を精密にモデル化し、詳細な入力データ及び高度な技術的な判断を要します。最も単純な線形弾性モデル、古典的なモールクーロンモデル、そして高度に一般化された弾塑性モデル、PZ-Sand(Pastor-Zienkiewicz)モデルが用意されています。
弊社地盤解析シリーズのGeoFEAS 2DやUWLCで付属する「要素試験シミュレーションプログラム」を、Version2から付属することになりました。PZ-sandのような多くのパラメータを決定する必要がある場合、要素試験シミュレーション(下図)によって詳細に土の構成モデルについて検討を重ねることができます。
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▲要素試験シミュレーション |
●おわりに
- 今回の改訂で、複雑な地形並びに構造物のモデル作成が容易に行えるようになりました。
3次元FEM解析が、より一般的な手法として多くの方に用いられるようにサポート面も強化したいと考えています。
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■3次元弾塑性地盤解析(GeoFEAS)3D リリース日:2010年 6月 |
(Up&Coming '10 盛夏の号掲載) |
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