「パイプラインの計算」は、(社)農業土木学会『土地改良施設耐震設計の手引き』『土地改良事業計画設計基準及び運用・解説
設計「パイプライン」』に準拠した、パイプラインの耐震計算を行うプログラムとして、昨年4月にVer.1がリリースされました。そして今回、(社)農業土木学会『土地改良事業計画設計基準及び運用・解説
設計「パイプライン」』に準拠した内容で管路の構造設計(常時の検討)に対応したVer.2をリリースいたします。以下に、その概要をご紹介いたします。
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対応管種
管は、とう性管と不とう性管に大別され、とう性管は管体の許容されるたわみ率が3%以上の管とされています。Ver.2で対応する構造計算については、とう性管及び不とう性管について計算を行う事ができます(表1)。
とう性管 |
ダクタイル鋳鉄管
鋼管
硬質ポリ塩化ビニル管
ポリエチレン管
強化プラスチック複合管 |
不とう性管 |
遠心力鉄筋コンクリート管(RC管)
コア式プレストレストコンクリート管(PC管) |
■表1 対応管種
布設状態
本プログラムでは、埋設管の布設状態として、溝形、突出形、逆突出形、矢板施工に対応しており、メイン画面ではその状態を確認することができます(図1・2)。
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■図1 メイン画面 |
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■図2 布設状態 |
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■図3 埋設条件入力画面 |
作用荷重
管に作用する荷重としては、土圧、活荷重、上載荷重、施工時荷重、管体自重、管内水重、基礎反力、内水圧を考慮できます。
土圧は、布設状態及び管が不とう性かとう性かで伝達される力が異なるため、それぞれに応じた土圧公式(鉛直土圧:垂直土圧公式またはマーストン公式、水平土圧:ランキン公式またはスパングラー公式)を適用します。
活荷重としては、自動車荷重または群集荷重を考慮する事ができます。上載荷重としては、宅地荷重または雪荷重を考慮する事ができます。施工時荷重はブルドーザ規格やキャタピラ数の入力により、自動で荷重値を算定する事ができます。また、活荷重、上載荷重、施工時荷重については設計者が自由に組み合わせる事ができます(図4)。
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不とう性管 |
とう性管 |
構造計算 |
構造計算 |
たわみ量計算 |
常時 |
施工時 |
常時 |
施工時 |
常時 |
施工時 |
土圧 |
鉛直方向 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
水平方向 |
○ |
○ |
○ |
○ |
※ |
※ |
活荷重 |
鉛直方向 |
○ |
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○ |
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○ |
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水平方向 |
○ |
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○ |
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※ |
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軌道荷重 |
鉛直方向 |
○ |
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○ |
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○ |
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水平方向 |
○ |
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○ |
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※ |
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上載荷重 |
鉛直方向 |
○ |
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○ |
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○ |
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水平方向 |
○ |
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○ |
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※ |
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施工時荷重 |
鉛直方向 |
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○ |
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○ |
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○ |
水平方向 |
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○ |
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○ |
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※ |
管体自重 |
鉛直方向 |
△ |
△ |
○ |
○ |
○ |
○ |
水平方向 |
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○ |
○ |
※ |
※ |
管内水重 |
鉛直方向 |
○ |
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○ |
|
○ |
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水平方向 |
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○ |
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※ |
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基礎反力 |
鉛直方向 |
○ |
○ |
○ |
○ |
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内水位 |
全方向 |
○ |
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○ |
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■図4 荷重・係数入力画面 |
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※たわみ量計算において考慮される
■表2 構造計算に用いる荷重の組み合わせ |
基礎形式
基礎形式は、自由支承または固定支承から選択する事ができ、あわせて設計支持角を指定します。基礎形式、設計支持角及び管が不とう性かとう性かに応じて、管の横断面に発生する曲げモーメントの算出式を適用します。
管種選定
不とう性管及び強化プラスチック複合管の場合は、内外圧合成式を用いて、設計水圧がその管の許容内圧以内であるかを照査します。
強化プラスチック複合管以外のとう性管の場合、基準書には許容応力度より必要管厚を求める算出式が記載されていますが、本プログラムでは、必要管厚算出式中のH(設計水圧)を許容水圧Haと置換えてHa=の式に変形し、算出されたHaが設計水圧以上かどうかを判定しています。また、設計支持角が360°の場合には、全巻きコンクリートで外圧に耐える管として照査を行います。
さらに、とう性管の場合には、水平たわみ量の管厚中心直径に対する比率(たわみ率)が設計たわみ率以内であるかを照査します。
浮上がりの照査
地下水位が高く、管路が浮上する恐れのあるところでは、管体空虚時に管路が浮上しない深さとする必要があり、本プログラムでは、必要に応じて浮上がりの照査を行う事ができます。浮上がりの照査では、管路が浮上しないための最小土かぶりを満たしているかを判定します。
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管体データは、基準値として自由に追加、削除が可能です。基準値データは、設計データとは個別に保存が可能なので、他のユーザ様と基準値を共有する事も可能です。
結果一覧計算書においては、設計条件と計算結果を表形式にて一目で確認することが可能です。
■図5 詳細計算書
以上、新製品の概要をご紹介いたしました。今後もユーザの皆様からのご要望を取り入れ、改良・改善に努めてまいります。どうぞご期待ください。 |
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