VDWC/CPWC予選通過チーム決定! 第5回サマーワークショップにて予選審査実施
2014年7月8日、国際VRシンポジウム第5回 サマーワークショップに於いて、VDWCセッション・CPWCセッション予選会が開かれ、予選通過チームが決定いたしました。
Virtual Design World Cup 第4回 学生BIM&VRデザインコンテスト オン クラウド(主催:VDWC実行委員会)のエントリー総数は36チーム(日本15、海外21)。Cloud Programming World Cup 第2回 学生クラウドプログラミングワールドカップ(主催:CPWC実行委員会)のエントリー総数は9チーム(日本4、海外5)。
|
|
■予選審査の様子(左:VDWC/右:CPWC) |
Virtual Design World Cup(VDWC) |
■審査委員長 池田靖史氏による全体講評
課題の解釈や、取り組みは当然のように作品により様々であるが、ここでは全体に共通して、さらに考慮してもらいたい点について述べる事とする。
トランスフォーメーション:
課題で求められているサスティナビリティとはエネルギーの削減や最適化だけが主題ではない。 オリンピック地域は大会終了後にその施設をどのように再利用して行くべきかについて戦略的な計画を必要としている。大会中には象徴的なランドマークになるとはいえ、その本当の目的は地域の人口と需要に見合った機能であるべきである。
例えば、華やかで巨大すぎる施設や大会時の輸送力を確保する過剰な交通網は、非効率なエネルギー消費を産んでしまう恐れが大きい。特に都心から湾岸地区への輸送の中心になる新木場駅は大会時には鉄道からシャトルバスなど他の交通機関への乗り換えるための大規模な施設が必要となる可能性がある。
こうした矛盾した状況が起きる事に対し資源利用や輸送のスマート化などの新しい技術によってこの地域はスポーツ・レジャー地区としてだけではなく、誰にも住みやすい空間にできる可能性をもっている。この機会に投下される資源をどのように転換するのかを考え、どのようにすれば不要なコストをかけずに、うまく違う機能に転換できるのかに応える事が今回の課題の焦点といっていい。
デジタルデザイン:
BIMやVRが結果としてどのようにデザインに反映されるのかについて、もっと意識すべきである。例えばシミュレーションそのものがデザインの目的ではないシミュレーション結果とデザインの関係を示して欲しい。あるいはVR技術が応用される事で、与えられた課題への回答を適切に表現することにどのように役立っているのかについても考えて欲しい。本コンペでは、FORUM8社が提供しているソフトウェアについての技術的な相談やアドバイス等の支援を行っているので活用して欲しい。
コラボレーションとコンセンサス:
このコンペでは、あえてチームワークによる課題解決を求めている。BIMやVRを使って各項目の分析、解析、シミュレーションなどをどのように連携したり、統一したりできるのかについて意識して欲しい。そしてその可能性はデザインチーム内に留まらず、様々な利用者やステークホルダーのコミュニケーションを促進して相互理解や合意形成に寄与する事についても考慮して欲しい。
チーム名 |
参加国名 |
HTKT_UTC20 |
ベトナム |
International Architectural Think Tank Inc. |
イギリス |
T.O.F.U |
日本 |
Thunder |
日本 |
Department of Architecture and Interior Design |
バーレーン |
宮下研究室 |
日本 |
INED_UT |
ベトナム |
Max Power |
中国 |
KUUPL |
日本 |
Taipei SHINE |
台湾 |
Light Taipei |
台湾 |
Miss Blossom |
中国 |
First VR |
中国 |
Transafety |
中国 |
Star |
中国 |
The Star is at |
中国 |
Chengcheng |
中国 |
XSW |
中国 |
CCA |
中国 |
富鵬 |
日本 |
江戸川ドイル |
中国 |
DDP |
日本 |
South of the clouds |
中国 |
Design Pioneer |
中国 |
MBS |
日本 |
navigator N |
日本 |
shellfish |
日本 |
T.R.Y. |
中国 |
yamazouenn |
日本 |
UJSAERI |
中国 |
flapjack octopus |
日本 |
BULLS |
日本 |
Esthys |
日本 |
あすに架ける |
日本 |
DSRA in DHGS |
日本 |
Innovation |
中国 |
Cloud Programming World Cup(CPWC) |
■予選通過チームおよび審査員コメント
作品名:Simulate Date Import Plug-in For Scene Reppearance |
チーム名:橡皮筋 |
参加国名:中国 |
コメント:提案書に書かれた内容を拝見すると、テーマは「シーンを再現するためのシミュレーションデータを読み込むプラグインの開発」である。テーマは興味深く思えるが、一方で、既存のUC-win/Roadおよびプラグインとの違い、提案において対象とするシーン、シミュレーションデータの種類や特徴が読み取れな かった。提案書には、現在の課題を明確にした上でより具体的なアイデア・工夫の記述が必要である。10月の応募作品提出時には、作品のオリジナリティ、特に力を入れた点、将来への展開を含めて、提出をお願いしたい。 |
作品名:Green Spaces Preservation Plug-in |
チーム名:BIM Man |
参加国名:日本 |
コメント:都市や住宅地において、より最適な緑環境を配置・検討するためのプラグインの提案である。建築・都市分野のコンピューテーショナル・デザインの一提案として興味深く拝見した。10月の応募作品提出時には、作品のオリジナリティ、特に力を入れた点、将来への展開を含めて、提出をお願いしたい。 |
作品名:Driving Support Plugin |
チーム名:Kaisers |
参加国名:日本 |
コメント:実際の運転者の状況をCANロガーを用いて取得し、取得される情報をUC-win/Roadに実装し、VR-Cloud®でも閲覧可能にしようという提案である。提案書には課題と実現の方向性が明確に書かれていたが、当該研究分野での新規性はどうであるか、気になった。10月の応募作品提出時には、作品のオリジナリティ、特に力を入れた点、将来への展開を含めて、提出をお願いしたい。 |
作品名:To track pedestrians in the process of evacuation |
チーム名:Just skyline |
参加国名:中国 |
コメント:提案書に書かれた内容を拝見すると、テーマは「避難プロセスにおける歩行者の追跡プラグインの開発」である。テーマは興味深く思えるが、一方で、これまでのUC-win/Roadおよびプラグインとの違い、対象とするシーン、シミュレーションデータの種類や特徴が十分に読み取れなかった。提案書には、現在の課題を明確にした上でより具体的なアイデア・工夫の記述が必要である。10月の応募作品提出時には、作品のオリジナリティ、特に力を入れた点、将来への 展開を含めて、提出をお願いしたい。 |
作品名:Openstreetmap import and navigation plugin |
チーム名:Torneko |
参加国名:中国 |
コメント:オープンソースであるOpenStreetMapとUC-win/Roadをつなげようとする提案である。さらに、ダイクストラやA*などの探索アルゴリズムを用いてナビゲーション機能を実装しようとするものである。興味深い提案であるが、既にPCやスマートフォンをプラットフォームとして、経路探索等のアプリケーションが数多く存在するため、それら既存のアプリケーションとの違いを明確に示す必要がある。すなわち、10月の応募作品提出時には、作品のオリジナリティ、特に力を入れた点、将来への展開を含めて、提出をお願いしたい。 |
作品名:Smart Kinect Drive |
チーム名:Great Sword |
参加国名:中国 |
コメント:Kinectをインターフェースとしてドライビングシミュレーションを実現しようという提案である。提案書にも書かれてあるとおり「Kinect Plug-in for UC-win/Road」は既に存在する。提案は、この既存プラグインとは異なり「more interesting functions and more human interactions」と書かれているが、具体的な記述は確認できなかった。提案書には、現在の課題を明確にした上でより具体的なアイデア・工夫の記 述が必要である。10月の応募作品提出時には、作品のオリジナリティ、特に力を入れた点、将来への展開を含めて、提出をお願いしたい。 |
作品名:Cars' Shortest Path |
チーム名:Hots |
参加国名:中国 |
コメント:車の最短経路探索、車同士の最短経路探索プログラムの提案。既存のアルゴリズムやサービスと比較して何が 新しいのか、どのような点を工夫しようとしているのか、提案書から読み取ることができなかった。提案書には、現在の課題を明確にした上でより具体的なアイデア・工夫の記述が必要である。10月の応募作品 提出時には、作品のオリジナリティ、特に力を入れた点、将来への展開を含めて、提出をお願いしたい。 |
作品名:シェアードスペースにおける運転挙動の解析と大規模シミュレーション環境の構築 |
チーム名:チョコレーツ |
参加国名:日本 |
コメント:シェアードスペースに着目した点は興味深い。提案書に記述された内容も具体的であるが、CPWCは、コンテンツの構築だけでなく、アプリケーションの提 案・構築も重要視している。構築するコンテンツとアプリケーションのバランスに注意しながら進めて頂ければ幸いである。加えて、10月の応募作品提出時には、作品のオリジナリティ、特に力を入れた点、将来への展開を含めて、提出をお願いしたい。 |
作品名:自動運転システムのための実験環境の作成 |
チーム名:SDL |
参加国名:日本 |
コメント:6軸モーションプラットフォームを有するドライビングシミュレータを用いて自動運転の実験環境をUC-win/Roadを用いて作成しようとする提案である。提案書には課題と実現の方向性が明確に書かれていたが、応募者及び研究組織で既に構築されているかもしれないシステムと、CPWCで構築しようとするシステムとの棲み分けの状況が気になった。10月の応募作品提出時には、作品のオリジナリティ、特に力を入れた点、将来への展開を含めて、提出をお願いしたい。 |
|