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CRM(Customer Relationship Management) |
IT TERMS INFORMATION
2015-No.1 |
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読者の皆さんの中には、日頃の業務やビジネス系のニュース等で、「CRM」という言葉をしばしば聞くことがあるという方も多いのではないでしょうか。CRMはCustomer
Relationship Managementの略語で、日本語では「顧客関係管理」と呼ばれています。具体的には、顧客との接点における情報を統合的に管理し、製品・サービスの継続的な利用を促すことで収益の拡大を目指すものです。
これは1990年代前半に米国で始まったマーケティングの考え方で、後にアンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)が出版した『CRM―顧客はそこにいる』によって広く普及しました。
ここでいう顧客の「情報」とは、購入履歴や年齢・性別、趣味・嗜好・ライフスタイルといった属性に加えて、要望・問合せの履歴など、企業とのさまざまな接点におけるデータのことです。情報システムを用いて記録・管理されたこれらのデータに基づいて顧客を分類し、顧客別のニーズや購買行動パターンを分析。個々の顧客に応じてきめ細かい対応を行うことで長期的に良好な関係を構築し、顧客満足度の向上を図ります。
市場が徐々に消費者の主導へとシフトし、顧客のニーズが多様化したことを背景として、1990年代に従来のマスマーケティングが停滞し始めました。新規顧客獲得のためのコストが増加し、性別や年齢といった従来の属性だけではセグメント化が難しくなってきたという状況の中、企業は顧客中心の考え方への変換を迫られ、既存顧客への対応を強化することが重要性を増すようになったのです。そのため、多様化するニーズを把握し、個別のきめ細かい対応によって良好な関係を長期的に維持・強化する施策として、CRMは注目を集めました。
発想としては、昔からの「お得意様」を対象とした戦略と大きく変わるものではありませんが、近年のコンピュータの処理速度の向上や低価格化、インターネットをはじめとしたICT(情報通信技術)の進歩によって、これまでより遥かに高度な顧客情報の収集・管理・分析が可能となったのです。
最近では、いわゆる「ビッグデータ」の活用により、CRMのさらなる高度化の可能性が期待されています。たとえば、オンライン通販のサイト等で蓄積される購入履歴やアクセス履歴といった、Web上の行動履歴や、メールに記載されたURLクリックの有無といったデータを複数組み合わせることによって、製品に関心を持ってから購買に至るまでの行動パターンをモデル化し、CRMにおける行動予測に役立てることができます。今後は、各種SNS、GPS、ICカードなどで収集される位置、乗車履歴、温度等の計測データなどを他のデータを連携させることによって、さらなる活用が可能となることが予想されます。
フォーラムエイトでは、製品、サービス、ビジネスの仕組みなど、あらゆるもののIT化が進んでいる中で、顧客とのつながりを深め、その情報をビジネスに最大限に活用していくために、顧客情報を含む各種データベースの拡充、メンテナンス、活用する仕組みの最適化を図っています。社内業務を推進・サポートするGSSシステムに、ローカル環境で動作していた事務処理プログラムを2012年SaaS化して統合したことにより、顧客に対し、迅速かつきめ細かな対応が可能となり、これにともなって問い合せ件数は、2011年の14,684件から、2013年は20,812件に増加しています。
サポート窓口に寄せられた顧客の生の声は、内容によって営業用の顧客データベース、開発用の顧客データベースに登録され、営業活動、顧客サポート、製品開発・改良にダイナミックに活用されています。
こういった取り組みが評価され、2014年10月30日、一般社団法人 CRM協議会主催の「2014 CRMベストプラクティス賞」において「CRM奨励賞」を受賞しました。
今後も引き続き、着実で安心できるサービス、永続的な企業サービスにより、皆様のご期待にお応えできる企業を目指していく方針です。
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■CRMでは、さまざまなチャンネルから得られる顧客情報をデータベースで統合的に管理し活きた情報として活用することが求められる |
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※ 社名・製品名は一般的に各社の登録商標または商標です。 |
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(Up&Coming '15 新年号掲載) |
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