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1 二連円形断面泥土圧シールド工法のシールドマシン |
2 二連円形断面トンネルの完成 |
シールド工法とは、シールドマシンと呼ばれる鋼製外筒を持つ掘削機を用い、地山の崩壊を防ぎながら掘削/推進/覆工する工法。昭和/平成期には全国の都市部にて、地下鉄・電力・下水道・共同溝などに適用され、密閉型シールド工法は都市トンネルの代名詞ともなっている。シールドトンネルと言えば円形断面が基本であるが、近年、多種多様の頼もしい異端児が生まれている。
[Photo1]は二連円形断面泥土圧シールド工法で、カッターフェイス(シールドマシンの最前面)の仕組みに秘密がある。[Photo2]は、これを実際の建設現場にて適用し、重複円形断面(2つの円が一部重なっている)の地下鉄上下線を構築している。
次の[Photo3]は偏心多軸シールド工法で、ほぼほぼ四角形の断面[Photo4]を構築することができる。さらには、カッタフレームの形状を変えることで、円形、矩形、楕円形、馬蹄形等も可能で、非円形断面を構築する究極のカッターフェイスである。
さて、変断面形状(非円形断面)にはどんなメリットがあるのか?これは、地下の多種多様な制約条件に広く対応することにより、地下空間のより高度な有効利用が可能となる。平たく言えば、無駄な断面スペースを省くことにより建設コストを削減するものである。
ロンドンのテムズトンネル(19世紀後半に完成)が起源とされるシールドトンネルは我が国にも伝わり、平成期に入り、大断面・高速施工・大深度化・合理化施工など世界の最先端技術をリードしてきた。AI技術(人工知能)も導入されていると聞く。改めて、エンジニアの飽くなきチャレンジ魂に敬意を表したい。
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3 偏心多軸シールド工法のシールドマシン |
4 完成したトンネルの断面(ほぼ四角形です) |
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