橋百選 |
BRIDGES 100 SELECTION |
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006年、大分県の九重夢大吊橋が完成するまでは、日本一の人道吊橋であった。1954年(昭和29年)に架橋された、国道168号の上野地と対岸の谷瀬を結ぶ吊橋。地元の住民が1軒あたり20万〜30万円を出し合って建設した生活道路橋である。そのため、地元の人などは、バイクで渡って行くが、一般の観光客はバイクや自転車などの二輪車での通行は禁止されている。
両端はワイヤーで支えてあるが、板の両横と板の隙間から下が見え、ゆらゆら左右にかなり揺れ、高所恐怖症でなくても、板の両側から下を見ると足がすくむ。深い山々に囲まれ、眼下には十津川(熊野川)の流れが見える。高さが54mあり、風も吹きつけ、前後の人が歩くたびに揺れが大きくなり、足を止めてしまうと左右上下の揺れを感じてしまい、恐怖感が増す。当然ながら、20人以上で渡ることは禁止されているがスリルを味わえるというので、人気スポットとされていて休日などは観光客が多く訪れている。
橋長 ● 297.7m 幅員 ● 1.2m
奈良県のほぼ中央、吉野郡黒滝村の「黒滝・森物語村」に黒滝・森物語村吊橋がある。黒滝川と県道を跨いで架かっていて、長さは約115m。湿った床板が歩く度にしなる。高さは約35mある。この黒滝吊橋は、吊床版橋と言って主ケーブルが直接床板を支えている吊り橋で、この形式の吊橋の中では日本最大級になり、床板の材質は黒滝村の特産品でもある吉野杉の丸太が使用されている。
橋長 ● 115m 幅員 ● 1.8m
明治30年4月1日に生駒郡役所が開庁された時庁舎の正面の大手堀に架けられた。大正15年6月3日に郡役所ならびに郡長の制度が廃され郡役所の建物は昭和4年4月3日以降、郡山町役場として利用され、昭和11年に石造の橋を百嶋芳松が寄付することになったので、木造の橋を取り壊し、現在の橋ができた。特徴的な高欄や親柱を持つ。鉄筋コンクリート二重橋型で、両端の橋欄には、城址を偲ぶ櫓電飾を設備した、モダンな橋で百壽橋と命名された。旧橋に比較して、堅牢・外観の美を具備し、考慮したものになっている。高欄の模様は、柳沢藩の紋所「郡山花菱」を図案化した大和郡山市章。
橋長 ● 20.4m 幅員 ● 4m
奈良市内にある猿沢池の南西の上津道の入り口に、小さな橋が架かっている。小さな流れなのだが、率川(いさがわ)と名づけられており、その率川に架かっている
橋が、嶋嘉橋(しまかはし)だ。率川の暗渠化工事で、多くの地蔵が出てきたそうで、嶋嘉橋の下に、舟形の中州を作り、40体ほどの石仏を祀っている。橋桁には、「明和七庚寅年五月吉日」(1770年)と刻があり、裏には嶋屋嘉兵衛とある。
三重県の伊賀市予野から山添村中峰山の、奈良県カントリーパーク大川(おおこ)という公園・キャンプ場を結ぶ市道にかかる橋で、幅員は狭いが、3tまで車も通行できる。名張川の岸辺にある奈良県指定遺跡」である「大川遺跡」のすぐ南側に架かる赤い吊り橋。橋の下には名張川が流れる。
橋長 ● 114m 幅員 ● 2m
奈良公園・鷺池(春日大社の南側)に浮かぶ六角形のお堂。その浮見堂に架かる橋である。橋は蓬莱(ほうらい)橋という名だが、浮見堂の近くでなぜか鍵(かい)曲がりになっている。城下町に多い鍵曲がりは防御目的である。毎年、7月1日から10月31日までライトアップされ、あたりは幻想的な風景になるようだ。いつ訪れても、鷺池は静かな佇まいで、ゆったり鷺が池の上を舞っている。
室生寺は、奈良の東の端、三重県との県境の奥深い山中にある。女人禁制の高野山に対し、この室生寺は女性の参詣を許した真言道場として「女人高野」と呼ばれている。室生寺への入り口の室生川に架かる朱色の橋が奈良室生村太鼓橋である。室生橋を渡ると室生寺境内へと続く。鎌倉時代の女性の参拝は大変なものだったと思われる。困難な旅の後、この橋を見てほっとしたことだろう。
橋長 ● 80m 幅員 ● 11m
吉野郡にある津風呂湖を堰きとめて造られたダム湖に架かる149mの吊橋が平尾吊橋で、見かえり橋とも呼ばれている。真下には津風呂湖が見える。橋上からは桜や紅葉が美しい。2人以上で渡るとかなり揺れる。一度に10人しか渡れないという制約がある。吉野運動公園から、平尾吊橋、対岸の木の子広場、山口吊橋を通って一周するサイクリングロードが整備されている。津風呂湖では、遊覧船による湖上一周も体験できる。
橋長 ● 149m 幅員 ● 1.6m
赤人橋は室生湖(むろうこ)にかかる水色の道路橋で、昭和49年1月竣工し、山辺赤人(やまべのあかひと)に因んで名付けられた橋である。奈良時代の万葉歌人、三十六歌仙の1人、山辺赤人は叙景歌にすぐれ、柿本人麻呂と並び聖歌と称されている。赤人橋の袂には淡水魚供養碑が建っている。室生湖にかかる吊橋で道路橋だが、自動車のすれ違いは出来ない。下山橋は人道橋で同じく室生湖に架かる赤い吊橋、歩道部はこのタイプでは珍しいアスファルトが使用されている。
橋長 ● 151m 幅員 ● 3.4m
橋長 ● 139m 幅員 ● 1.5m
高山ダムの建設により水没した元の石橋(沈下橋)の代替として昭和43年1月竣工した重橋床式・ホ吊橋。古はここにも渡し舟の便があったが、昭和29年3月に石を渡した「沈下橋」が架設され、水が溢れたら流されることなく沈下していたが、伊勢湾台風時と他に2回ほど流され、そのつど、付け替えられた。 八幡橋は普通の吊橋で見られる下側両端を結ぶアーチ状のワイヤー(耐風索)がなく、「重橋床式」と呼ばれる形式。真下には名張川が流れる。この付近では五月川とも呼ばれている。
橋長 ● 160m 幅員 ● 3.5m
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(Up&Coming '11 盛夏の号掲載) |
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