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Vol.2 安全安心のピクトグラム
 
太田 幸夫
ビジュアル・コミュニケーションデザイナー、太田幸夫デザインアソシエーツ代表
特定非営利活動法人サインセンター理事長、多摩美術大学 前教授
LoCoS研究会代表、日本サイン学会理事・元会長、日本デザイン学会評議員
一般財団法人国際ユニバーサルデザイン協議会評議員
A.マーカスデザインアソシエーツ日本代表


現代社会ではもはや、安全安心にとって必要不可欠となったピクトグラムの40年間に渡る筆者の認識と実践を取り上げた1冊を本誌の前号で、関係する国内外の動向とともに紹介した。それはまさに「命を守るデザイン」であり、その具体的な手立ては姉妹本『避難誘導サイントータルシステムRGSSガイドブック』で、目下執筆を進めているところである。(RGSS:Refuge Guidance Sign Total System)。

そのガイドブックで明らかにするRGSSの基本構想は、災害時と平常時、屋内外と昼夜間、単一災害と複合災害、誘導機能と環境調和などを一体として捉え、言語や年齢や経験や文化や国籍の違いを超えて、非常口から避難場所へ、いつでも誰でも迅速に避難できる誘導サインの望ましいトータルシステムを構築することにある。「非常時の必要性を内包した平常時の形成」、いわゆる「安全安心に資するサイン環境の構築」である。

太田幸夫の40年と、3.11以降は避難誘導サインとデザインの学会をも含む関連多業種のRGSS恊働メンバー120名(約70社)が現在まで、共に実践してきた恊働成果と知見を成文化することで、その著作権と知的財産権の担保を果たしたいと考えている。

RGSSガイドブックは無災害を保証するものではない。別途予定している「認定・認証」の発行は、本マニュアルに一致しているかどうかを証するものである。RGSSガイドブックの利活用事業全体を当方が監修することを前提として、監修コスト(経費)と監修フィー(報酬)を事業主(ガイドブック利活用申込者)に事前に見積書にて提示する。

それは、場所・災害種・サインシステムなどを考査した企画、基本設計、調査・分析・評価、実施設計、製作施工管理、維持管理段階を含む全体監修に要する経費+報酬となる。

RGSSガイドブックはデファクトスタンダードを経て国家規格と国際規格に至る第1歩に位置づけている。RGSS恊働メンバーの経験と知見を結集し、目的達成のガイドラインとするもので、将来は“命を守るデザインのバイブル”を目指している。

RGSSガイドブックの目次概要をここに示す。ただし先般来、小学校や公民館、スポーツ施設などの公共複合施設建設計画に、RGSSを取り入れる話題が検討されるようになった。実現すれば全国自治体のモデルケース第1号として注目されるだろう。RGSS参加メンバーの腕の見せどころとなるかもしれない。本提案は、“非常を日常の一部ととらえて市民運動化する”前提に立っている。そして“日常環境が避難誘導サインを含む安全安心なコミュニケーション環境に進化する(止揚する)プロトタイプ”を開発し、全国のモデルケースとして発信する提案に他ならない。

ここで“サインによるコミュニケーション環境”が意味するところを解説しておく。サインとは、意味を持つ事物や状況のしるしのことで、生物が環境を読み取る情報の素子ととらえる。ここで言う情報は、生物の誕生とともに存在するもの。生物としての生活主体が識別・評価した状況関係が情報である。換言すれば生物が自己の状況関係を安全で安心できるように維持していくための、最適な行動選択に役立つ知らせのことである。

情報に関するこうした理解と認識は1980年代、情報社会研究所増田米二所長と共に太田幸夫も日本記号学会を創設した時より、国際映像記号研究会を立ち上げてきた考え方に準じている。そして“コミュニケーション環境”とは環境の構成要素がすべて、環境のもつ意味を伝えるコミュケーションメディアであるととらえて、現実の環境を整え直したもの。環境の部分と全体が、環境の目的や個性に見合って調和し、人々と環境の対話が育まれるようなアメニティの高い環境のことである。またアメニティとは安全性、快適性、機能性、利便性からなる環境の質を表す用語であって、現代では文化性も環境の質を図る重要な基準の一つと考えている。

環境情報の80%以上は視覚によって見取っていると言われる。それ故、コミュニケーション環境が目指す方向は、「見とれる環境の形成」であり、その先は「感じ取れる環境」への指向であろう。環境に必要な意味をサインで付加することが重要なのではない。環境自体をサイン化することであり、“サイン環境”の創出こそが重要である。その第1歩をここに提案する。




『避難誘導サイントータルシステムRGSSガイドブック』
目次構成(予定) 2017年秋発刊予定
1.
2.

3.
4.

5.
6.
7.
避難誘導サイン・トータルシステムの基本構想:理念・目的・事業・運営
避難誘導サイン・トータルシステムの基本デザイン:
表示面デザイン(ピクトグラム、レイアウト、色彩他)
筐体デザイン(仕様、サイズ、素材、加工他)
システムデザイン:単一災害、複合災害、対象避難者、避難方法、設置場所、
設置方法、維持管理他、水上(川・海)避難システム、一時避難と広域避難システム
新しい防災用地図記号ハザードマップデザイン
丸の内の総合防災:避難誘導サイン環境の提案
高浜小学校公共複合施設建設計画における避難誘導サイントータルシステムの提案



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(Up&Coming '17 春の号掲載)
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