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Vol.6 

フォーラムエイトは2015年12月、MIT ILP(MIT Industrial Liaison Program:マサチューセッツ工科大産業学際会)に加わり、活動を開始しています。本プログラムへの参画により、既存のVR関連事業拡大やロボット・医療等の新事業展開につながる調査研究・開発、ソフトウェア・エンジニアリング事業全般におけるコラボレーション、欧米を中心としたマーケティング等の強化を図っています。各種MITコンファランスや、MITキャンパスで開催される同大学の専門家とのミーティング出席などが計画されており、今回は2018年1月27日に開催されたMIT-ILPジャパンカンファランスの模様を報告します。

MIT Japan Conference参加レポート    2018年1月27日(土) 東京(経団連会館)

「マシンラーニング技術の活用によるヘルスケア分野の変革」

病院やクリニックでの無駄なコストを削減するためにビッグデータ解析を利用。これにより医師は患者に適した薬をピンポイントで探し当てることができる。ただし機械学習による解析は、金融や工業などの分野と比較して、ヘルスケア分野では難しい(最も大きな理由はデータ不足)。今後は病院管理やナースホームの選択等で活用されるだろう。

ジョン・グッターグ氏
MITコンピュータサイエンス&
エンジニアリング学部教授

「コンピュテーショナルなものづくり」

「Additive Manufacturing」は3Dプリンティングのようにレイヤーをプリントすることで物が出来上がる。 最近では「Mutli-material addictive manufacturing」と呼んでいる。たとえば、プラスチックの中に光ファイバーをプリントすれば、コネクターがなくても接続ができるようになる。もうひとつの例はエレクトロニクス。基盤だけではなく電子部品も回路もプリントすれば、強度が上がり、結果的にコストも安くなる。

マイクロストラクチャの形状もさまざまなものが可能になるため、プリントしたもののプロパティを形と材料によってテストし、データベースを作る必要が生じる。必要な強度と柔軟性によって材料とマイクロストラクチャは変化し「Generative Design」(橋など構造物の最大サイズ、必要な強度などの条件を入力するだけで、自動的にアルゴリズムによって設計される)が可能となる。

ヴォイテック・マトゥーセック氏
MITコンピュータサイエンス&
エンジニアリング学部准教授

「エネルギー分野におけるイノベーションの加速:
 科学ベースで産業活用が可能なソリューションの紹介」

原子力に使えるスマート材料を研究。高温や高圧などの厳しい環境で使用する金属材料のテスト方法を模索しています。課題はかなりたくさんのテスト時間が必要となること。さまざまなテスト方法を構築し、かなりの時間を短縮することができたが、レーザーなどを使用するためオンサイトでは実施できず、試験環境で行うしかない状況である。

マイケル・ショート氏
MIT准教授

「複雑なソーシャルエンジニアリングシステム内でのグループ行動」

ソーシャル研究を進めており、グループ行動を解析してリスク評価を行っている。今後はモデル生成方法の改善を目指している。

アリ・ジャドバベ氏
MITソーシオテクニカルシステム
研究センターのディレクター

「エネルギー保存、センシング、コンピューティングに活用可能な
 セラミック・ガラス材料の新型バッテリー」

新型バッテリーの研究を行っている。セラミックを使用し、同じボリュームでリチウムイオンと比較すると、電力(アンペア)は倍増する。さらに、IoTデバイスやメディカルデバイス、インプラントなどで利用するマイクロバッテリー(数十マイクロメータ〜数ミリ)の研究も行っている。Memristorというデバイスは、読み込みスピードはDRAMより2倍速く、耐久年数は10年、I/Oサイクル数は1016(SSDの100億倍)となっている。

ジェニファー・ラップ氏
MIT准教授

※出典(講演者写真):MIT ILP (Industrial Liaison Program) HP http://ilp.mit.edu/


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