Multiframeは、Ver.12から平板要素を用いた立体解析をサポートしています。
今回はMultiframe Advancedに備わっている、固有値解析機能をご紹介いたします。
固有値解析
構造物の振動特性(固有周期、固有振動モードなど)を求める事です。設計を行う場合、特に耐震設計では共振の影響を踏まえて、振動特性を把握しておくことは非常に重要となります。
固有振動モード
固有値解析の結果、固有振動モードが求まります。固有振動数の小さい順(固有周期の大きい順)に1次、2次…n次振動モードと呼ばれます。図1のように、1自由度の最もシンプルな構造の場合、求まるモードは1つとなります。自由度が増えるに従って、求まるモード数も増えることになります。
■図1. 1自由度モデル-1次モード
刺激係数、有効質量(有効質量比)
刺激係数は、各次の振動モードが全体の振動を刺激する割合、振動に影響する質量の割合(あるいは全質量に対する比)を示します。有効質量は、刺激係数の2乗で表されます。これらは例えば、地震時にどの振動モードが支配的となるかを判断する指標となります。
固有解析実行手順
データは標準で用意されているサンプルデータの中から「3Dtower.mfd」を使用し、簡単に設定例を示します。
「解析メニュー|モーダル解析」をクリックします。表示されたダイアログに沿って、必要な項目を入力します。解析手法として、「サブスペース法」と「ヤコビ法」を選択することができます。
※固有値解析計算か収束しにくい、あるいは、収束しない様な場合、切り替えると収束することがあります。そのまま、「OK」をクリックすると解析が実行されます。
結果の確認に移ります。計算が完了した後、「プロットウィンドウ」に切り替えます。「ケースメニュー|モード形状」にカーソルを合わせると固有振動モードを選択することができ、「変形」ツールボタンをクリックすると選んだモードの最大変形図が表示されます。また、「表示メニュー|アニメーション」をクリックし、「図面」ボタンを選択して「OK」をクリックすると、動画を見ることもできます。
固有値解析により求まった係数他に関しては、「結果ウィンドウ」 に切り替え、「固有値振動数」シートを選択すると確認できます。
■図4. 結果ウィンドウ|固有値振動数
Multiframe Advancedでは、時刻歴応答解析機能があります。この中で、動的解析を行う場合、モード減衰をRayleigh減衰により考慮することが可能で、剛性マトリックスと質量マトリックスにかかる係数α・βを与えるために、固有値解析結果が必要となります。
参考として、サンプルデータで求まった固有振動モードより、2次と3次モードを選択した場合の、Rayleigh減衰の「モード減衰定数-周波数」の関係を図5に示します。
■図5. モード減衰定数-周波数関係
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開発元:Bentley Systems(Formation Design SystemsはBentley Systemsに吸収合併)
■Multiframe Ver.17.01 日本語版 2014年 8月リリース
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