UC-win/Road Ver.11.2では、新たに、国土地理院の電子国土地図を読み込むことが可能となりました。地形データとして国土地理院が公開している測量データ、地図画像である地理院タイルをUC-win/Roadに取り込む機能を実装しています。
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地理院タイルとは、国土交通省が測量を行った全国の地形データを、タイル状に分割し公開している情報です。日本国内の地図について、世界測地系の経緯度が正方形に変換されるよう極域の一部地域(北緯及び南緯約85.0511度以上)を除外した範囲について、メルカトル投影の数式を使って変換します。(地理院タイルの測地系は、日本国内の地図については、世界測地系(JGD2011)です。)
範囲全体について正方形に変換した地図画像地図のズームレベル、タイルのXY座標が存在し、ズームレベルが1上がるごとにタイルの分割数は2乗ずつに増えていきます。指定されたURLフォーマットに沿ってズームレベル、タイル座標を入力すると、指定した範囲の地図情報が取得できるようになっています。(出展:国土地理院ウェブサイト
地理院タイル一覧:http://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html)
UC-win/Roadで取得可能な地理院タイルの情報は、標高タイル、標準地図、淡色地図、電子国土基本図(オルソ画像)、そして国土画像情報(第一期:1974〜1978年撮影)です。標高タイルはUC-win/Roadの地形標高データとして、その他はストリートマップに反映されます。
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UC-win/Roadでは、以下の手順で地理タイルを読み込みます。
- 「ファイル」-「新規プロジェクト」-「地理院タイルの読み込み」で「地理院タイル範囲設定」画面が開きます。地図の取得は、インターネットに接続している必要があります。
- 作成したい範囲を拡大します。マウスのホイールで任意の大きさに拡大できます。ドラッグで範囲を移動させます。緯度経度を指定することもできます。
- ドラッグ:地図の移動
- マウスホイール:地図の拡大、縮小
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▲図2 地理院タイル範囲設定画面 |
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▲図3 地図の拡大 |
地図表示内のメニューの方角のクリックでも移動が可能です。
- 上下左右の矢印:地図の移動
- +:地図の拡大
- −:地図の縮小
ズームレベルは、標準地図内のメニューバーに表示されます。
- 地図画像は「標準地図、淡色地図、写真地図(2007年以降)、写真地図(1974年-1978年)」より選択が可能です。
- 「写真地図(2007以降)」は、国土地理院が公開している「地理院タイル」のうち「電子国土基本図(オルソ画像)」を利用しています。
- 「写真地図(1974〜1978年)」は、「国土画像情報(第一期:1974〜1978年撮影)」を利用しています。
- 「写真地図(2007以降)」「写真地図(1974~1978年)」はズームレベル9~17の範囲のみサポートしているため、ズームレベル10以下の場合は指定することができません。
- 「電子国土基本図(オルソ画像)」は、山間部などの一部地域は撮影されていないため、画像が存在しない箇所があります(2015/1/20現在)。
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▲図4 標準地図 |
▲図5 淡色地図 |
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▲図6 写真地図(2007年以降) |
▲図7 写真地図(1974年〜1978年) |
- 確定すると、表示範囲の地形が生成され、選択した地図画像がストリートマップとして表示されます。
従来の最小10km四方より、もっとコンパクトな地形範囲にできるようになりました。地形メッシュも従来の50mメッシュより細かなメッシュを簡単に取得できるようになりました。詳細な起伏や海岸線等の表現が可能となっています。
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▲図9 コンパクトな地形範囲 |
▲図8 読み込み結果 |
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▲図10 詳細な起伏を再現) |
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必要な範囲だけの詳細な表現が可能となり表現力がアップした地形上に、航空写真や標準地図を下絵にして道路を定義し、建物を配置することができます。
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▲図11 地形の表現力アップ |
(注意点)
- 本機能を用いて作成したプロジェクトを使用する際には、国土地理院コンテンツ利用規約に従う必要があります。詳しくは、国土地理院ウェブサイトの「地理院タイルのご利用について」をご覧ください。
- 本機能では、緯度経度を基準として、地理院タイルの情報を読み込んでいます。 一方、UC-win/Roadの緯度経度はプロジェクトオプションの情報を用いた簡易的な計算であり、また平面直角座標系における真北方向角を考慮していないことから、平面直角座標との誤差が発生します。そのため、平面直角座標系で作成されたデータ(DMファイル、シェープファイル、LandXML等)を読み込んだ際に、地理院タイルの情報とずれが発生する場合がありますので、注意が必要です。
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(Up&Coming '17 新年号掲載) |
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