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今回は、耐力壁がある梁柱構造物のモデル化法の1つである「壁エレメント置換法」と、平板要素を用いたFEMによる解法での違いについて簡単にご紹介させていただきます。
耐力壁をモデル化する場合には、「線材置換法」、「ブレース置換法」、「壁エレメント置換法」などのフレーム要素によるものと、平板要素を組合せた「FEM(有限要素法)」による解法があります。Multiframeでは、平板要素を要素ライブラリとして持っているため上記の各モデル化に対応することが可能です。
線材置換法
この方法は、壁と柱を一体とみなして1本のフレームに置換します。壁の配置が不連続になると精度が落ちます。
ブレース置換法
壁をせん断剛性が等価なブレースに置換します。この時の曲げ剛性は側柱の軸剛性によって調整します。ブレース、側柱の端部はピン結合とします。耐力壁に軸力が発生する様な場合は精度が落ちます。
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■図1 線材置換法 |
■図2 ブレース置換法 |
壁エレメント置換法
壁をせん断剛性、曲げ剛性とも等価な1本のフレームに置換します。壁が上下方向に連続している場合は、FEM解法に近い精度の解が得られますが、横方向に連続している場合は精度が落ちます。
FEM(有限要素法)
壁を平板要素でモデル化します。梁柱はフレームでモデル化します。一般的に要素の分割を細かくするほど精度が良くなります。
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■図3 壁エレメント置換法 |
■図4 FEM(有限要素法) |
今回Multiframeで作成しました「壁エレメント置換法」と「FEM(有限要素法)」モデルは次のようなものとしました。
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■図5 壁エレメント置換モデル図 |
■図6 FEMモデル図 |
荷重載荷点である隅角部の節点変位を比較すると、次のような結果になりました。
特に水平方向の変位では、4倍以上の差が出る事となりました。
項目 |
壁エレメント置換モデル |
FEMモデル |
dx'(mm) |
7.593 |
1.719 |
dy'(mm) |
0.525 |
0.458 |
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■表1 解析結果比較1(変位) |
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■図7 荷重載荷点(隅角部)の変位比較 |
次に、曲げモーメントを比較すると、エレメント置換モデルではピン結合部に曲げモーメントは発生しませんが、FEMモデルでは隅角部にも曲げモーメントが発生しています。数値自体も2倍程度の差がありますので、照査はモデル化による違いを十分考慮して行う必要があります。
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■図8 曲げモーメントMz'の比較 |
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