「3次元鋼管矢板基礎の設計計算(部分係数法・H29道示対応)Ver.2」では、以下の主な改訂を行います。
- 永続変動作用の検討ケース数拡張
- N値測定点及び地盤柱状図対応
- 基礎ばねファイル連携
- 偶発作用 液状化無視/考慮ごとの基礎塑性化指定
H24年道示の常時及びレベル1地震時検討では、ほとんどが地震時ケースで決定していましたので、現在の荷重ケース数で事足りていましたが、H29年道示は部分係数の概念が導入され、検討すべき荷重ケースが増えています。
現行版の鋼管矢板基礎の荷重ケースは10ケースまでなので、これ以上のケースで計算したい場合はファイルを分けて検討して頂く必要がありましたが、各方向のケース数を拡張する事で、より煩雑な作業が無くなり設計作業効率が上がります。
地層データ入力画面にN値測定点及び地盤柱状図の機能を追加します。ボーリングデータのN値測定点をそのまま入力する事で、設計に用いる平均N値を算出する事が可能になります。
平均N値は図2(右)のような各層ごとにN値分布の面積を層厚で除して求めています。また、地盤柱状図では設計上の土質データ(砂質土,粘性土,砂れき)以外にも第1分類(礫, 礫質土,砂,砂質土,シルト,粘性土,有機質土,火山灰質粘性土,高有機質土,砂礫,中砂,細砂,粘土,泥岩,固結粘土,固結シルト)、第2分類(砂質,シルト質,粘土質,有機質,火山灰質,玉石混り,礫混り,砂混り,シルト混り,粘土混り,有機質土混り,火山灰混り,貝殻混り,凝灰質)、第3分類(硬岩,中軟岩,軟岩,風化岩,玉石,浮石(軽石),シラス,スコリア,火山灰,ローム,黒ボク,マサ,表土,埋土,廃棄物,盛土)の組合せで、様々な柱状図を作成する事が出来ます。(図3)
鋼管矢板基礎の基礎ばねは、基礎の抵抗を表わすばね「基礎天端の集約ばね」を指しています。この基礎ばねは固有周期を算定する場合の基礎のモデル化で使用されます。算出された基礎ばね(Ass,Asr,Ars,Arr)に対して、ファイルを介したXML連動により下部工製品(橋脚、橋台)側に基礎ばねとして取り込む機能を追加します。基礎ばね算出→ファイルエクスポート→下部工製品側インポートの3つの手順で簡単に連携を行う事が出来ます。
偶発作用(レベル2地震時)において、液状化無視/考慮ごとに基礎の塑性化の取扱いを指定できるように拡張します。この拡張により旧基準(H24年道示)の基礎塑性化が生じる条件(1.橋脚が十分大きな終局水平耐力を有している、2.液状化が生じる場合)と同様に、H29年道示も液状化無視/考慮ごとに、より柔軟な基礎設計が可能になります。