「斜面の安定計算」は、各種設計基準類の選択により、土中水の状態を自動設定する斜面安定解析プログラムであり、斜面安定解析/逆解析(逆算法)の基本解析あるいは法面工の景観設計を行う基本機能製品と、それらの基本機能に各種対策工の設計計算機能を付加した製品とに区分されます。今回は、最も基本となる検討モデルの効率的な作成方法についてご案内します。
モデル作成補助ツールの利用
モデル作成補助ツールは形状・属性データの作成を補助するシステムとなっており、CAD的な操作でモデルを作成し、計算対象範囲,土質ブロック,水位の属性を設定することが可能です。新規にモデルを作成することはもちろんのこと、図面ファイル(SXF、DXF、DWG)より必要な情報をインポートすることが可能となっています。
図面ファイルのインポート
[インポート]メニュー−[CADファイルのインポート]より必要な情報をインポートします。このとき、寸法線や柱状図などは計算に不要となりますので対象から除外します。なお、斜面の安定計算本体およびモデル作成補助ツールの単位は『m』になります。単位系の取扱いにご注意ください。
検討モデルの成形
赤色で示すように、線分および節点(交点生成機能を利用)を追加し、閉口図形を作成します。
属性の付与
線分またはブロックに対し、「計算対象範囲」、「土質ブロック」、「水位線」などの属性を与えます。
斜面の安定計算への取り込み
斜面の安定計算本体の[ファイル]メニュー−[開く]より、[ファイルを開く]画面の「ファイルの種類」から『モデル作成補助ツールファイル(*.SSD)』を選択します。
次に「設計条件」および「計算条件」を設定し、最終ステップとして[形状・属性]画面にて、「格子範囲」および「各種土質ブロックの諸値」、そして、解析領域の左右境界および底部境界にネバーカットラインを設定し、計算に必要な一連の作業を終了します。
斜面の安定計算ではモデル作成に掛かる作業が全体の大半を占めます。、今回ご紹介しました「モデル作成補助ツール」をご活用いただくことで、これに掛かる作業量が大幅に軽減されます。是非ご活用ください。