はじめに
「圧密沈下の計算」は、各種設計指針に準じた圧縮変形計算〜Terzaghiの圧密理論に基づく自然圧密時間の計算、せん断変形(即時沈下・側方変位)の計算、各種対策工法をサポートした総合的圧密解析システムです。
本製品は基本的には各基準等に準じた圧密理論に基づき沈下量を計算しますが、圧密沈下は複雑な現象なため、理論値と実測値が異なるという状況が少なからず生じます。本製品では実測値の測定データがある場合、実測値から将来の沈下挙動を予測する双曲線法などに対応しておりますので、ここではその場合に必要な入力について紹介いたします。
なお、本製品では「双曲線法」、「logt法」、「√t双曲線法」、「星埜法」の4つの手法に対応しております。
各計算手法は、その性質が異なるためどのような場合に適用するか検討する必要がありますが、本製品では複数の方法を同時に計算して比較することができます。
理論値と実測データからの予測値の比較
理論値と実測データからの予測値の比較を行う場合は、通常の圧密沈下の入力に加えて、以下の入力が必要となります。
- [設計条件]の[基本条件]タブより、「測定データから沈下挙動を予測する」で検討したい方法を選択する。
- [設計条件]の[測定データ]タブより、実測値を入力する
上記の設定を行えば、後は計算を実行するだけです。図1は本製品で計算した理論値と実測データから予測する方法の一つである双曲線法を比較したグラフの例です。時間が進行するにつれて、理論解(黒色)と実測値からの予測値(青色)の沈下量に差が生じているのがわかります。
図1 理論解と実測データからの予測値(双曲線法)の比較
実測値による沈下予測ツール
実測値から将来の沈下挙動を予測する方法は基本的に実測値データがあれば計算可能なため、本製品では単独ツールを用意しております。以下の方法で設定を行います。
- メインメニューより[実測値による沈下予測ツール]を起動する(図2)
- 必要な入力(計算手法の選択、実測データ)を行い、計算実行する。
圧密沈下の計算では理論値を求めるために地形形状の入力や土質データ(圧密試験結果から得られるパラメータ等)の入力が必須となりますが、本ツールを用いた検討ですと沈下量の測定データがあれば予測値が求められるため、検討の幅が広がります。是非ご活用ください。
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