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UC-win/FRAME(3D)は、汎用3次元骨組構造解析プログラムです。Lite版では静的線形解析と影響線を用いた活荷重の移動計算が可能です。Advanced版ではLite版の機能に加えて、材料非線形と幾何学的非線形(大変位理論)を考慮した静的および動的解析をサポートします。許容応力度照査、曲げ耐力照査、せん断耐力照査、非線形部材の各種照査機能があります。
今回の改訂では、主に動的解析機能と断面計算機能の強化を行いました。
●固有値解析結果に有効質量の表示
動的解析では減衰マトリクスを作成するために固有値解析を行って主要なモードを選択します。一般に、主要なモードは刺激係数または有効質量が大きいモードを採用します。従来は刺激係数のみを算出していましたが、今回有効質量も算出するようにしました。本製品の「減衰定数と固有値解析|詳細」画面には、『刺激係数・有効質量・有効質量比・累積有効質量比』の4種類が表示されます。さらに画面下部には、全体質量と固定支点が持つ質量を除いた全体質量も表示されます。累積有効質量比を確認することで計算させたモード数が十分かどうかを容易に判断できます。
●道路橋示方書V耐震設計編-参考資料p.336のM−θモデル
道路橋示方書V耐震設計編-参考資料「5.動的解析に関する資料」では、鉄筋コンクリート橋脚の復元力モデルとして、地震時保有水平耐力法で定義される完全弾塑性型の骨格曲線と同じになるように曲げモーメント−回転角関係(M−θモデル)の式が掲載されています。今回の改訂では、これに対応しました。
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▲固有値解析結果に有効質量の表示 |
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▲道路橋示方書V耐震設計編
参考資料p.336のM−θモデル |
●せん断剛性低減
鋼製橋脚などの薄肉箱桁断面ではせん断変形を考慮した解析がよく実施されます。このとき、箱桁断面のせん断抵抗断面積はフランジ部分を無視したウェブ面積とすることが多いようです。これに対応するために、今回改訂では、断面主軸yp軸方向とzp軸方向のそれぞれにせん断剛性低減率を入力できるようにして、計算部の修正も行いました。せん断変形が考慮できるファイバー要素1次、ファイバー要素2次がせん断剛性低減の対象部材となります。
●帯鉄筋と繊維シートによる横拘束効果を考慮したコンクリートの応力ひずみ曲線
靭性向上を目的とした耐震補強として、橋脚柱に炭素繊維シートあるいはアラミド繊維シートを巻き付ける方法があります。このときのコンクリートの応力ひずみ曲線は、帯鉄筋と繊維シートによる横拘束効果を考慮した式が各種提案されています。今回改訂では以下の設計指針に対応しました。
・NEXCO設計要領第二集橋梁保全編、平成18年4月
・NEXCO設計要領第二集橋梁保全編、平成20年8月
・既設橋梁の耐震補強工法事例集:(財)海洋架橋・橋梁調査会、平成17年4月
・アラミド繊維シートによる鉄筋コンクリート橋脚の補強工法設計・施工要領案):アラミド補強研究会、平成10年1月
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▲せん断剛性低減の入力画面 |
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▲せん断剛性低減率が1.0(全断面有効)と
0.5 (せん断有効面積が半分)のときの荷重変位関係 |
●設計せん断圧縮破壊耐力Vdd
限界状態設計における棒部材のせん断耐力算出式に、「設計せん断圧縮破壊耐力Vdd」を追加しました。下記設計指針に準拠しています。
・2007年制定コンクリート標準示方書【設計編】
・鉄道構造物等設計標準・同解説−コンクリート構造物(平成16年4月)的解析では減衰マトリクスを作成する
●固定条件のばね要素
従来の版ではばね特性に「固定」条件を指定していると、ばね要素に生じる"力"を確認できませんでした。この理由は完全に固定なのでばね要素に変位が生じないためでした。今回の改訂では、解析結果からばね要素に生じる力を別途集計する処理を追加しました。ばね要素の結果画面で力を確認できるようになりました。
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▲固定条件を用いたばね要素の結果 |
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■UC-win/FRAME(3D) Ver3.01 リリース予定日:2009年6月末 |
(Up&Coming '09 盛夏の号掲載) |
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