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新製品紹介

●ハニカムボックスの設計計算 ハニカムボックスを用いた雨水地下貯留施設(雨水貯留槽)の設計計算

●はじめに
  •  ハニカムボックスとは、単体のプレキャストコンクリート部材の形状がちょうどローマ数字のUのような形状を持つ部材と、外周の壁となるプレキャストのパネルを現場で組み立て、公園敷地や道路下など比較的浅い地下空間に雨水貯留槽を組み立てるものであり、開発当初、貯留槽全体の形状がハチの巣の構造を似ていたことから「ハニカムボックス」と名付けられています。岐阜県に本社がある松岡コンクリート工業株式会社が国土交通省の新技術情報システム【NETIS】に登録しました(CB-080030)。
     フォーラムエイトでは、松岡コンクリート工業株式会社の協力のもと、「下水道施設の耐震対策指針と解説1997年版」を主たる適用基準にハニカムボックスを設計するプログラムを開発し、2010年2月にリリースいたしました。以下に「ハニカムボックスの設計計算」を紹介させていただきます。


●製品概要
  •  本製品は、地下に埋設するコンクリート構造の貯留槽を対象に、レベル2地震動に対応した設計計算をします。一般にレベル2地震動に対する地下構造物の耐震設計は、地震時の地盤の変位が構造物の挙動に深く影響を及ぼすことを考慮して応答変位法を用いて計算します。応答変位法とは、設計の対象となる地点における地震動を設計震度として設定し、地盤に伝わる地震波の性質から地盤の変位量を求める方法です(図1、2)。地震時の地盤の変位量を求めたならば、地盤をバネに置き換え、構造物をフレームにモデル化して地盤の変位量を強制変位として作用させ解析を行います。解析の結果から、各部材に生ずる断面力を求め、断面のコンクリートや鉄筋の応力度について照査します。


    ▲図1 周面力の発生概念

    ▲図2 応答変位法で考慮する地震の影響

     本製品は、応答変位法のほかに震度法を選択できるようになっています。震度法は道路橋など地上構造物で採用されている設計震度を用いて地震時の荷重を算定して耐震設計する方法で、土被りのない半地下の状態で設置する場合や剛性が高く固有周期が0.5秒以下の構造物は、震度法を用いて設計することが考えられます。設計震度による地震力を算定し、応答変位法の場合と同様にフレーム解析により断面力をもとめ、各段面の応力度照査を行います。
     フレーム解析は、弊社の「FRAME(面内)」の機能を用いており、また、断面照査は「RC断面の設計計算」の機能を用いています。
     なお、雨水等の貯留を目的する構造物ですが、本製品では雨水の貯留計算は行いません。貯留計算は別製品に「調節池・調整池の計算」がありますので、ご利用いただけます(図3)。


    ▲図3 ハニカムボックスの設計計算の基本的な照査フロー 

     入力するデータは、簡素にわかりやすくまとめられており必要最小限で済むようになっています。コンクリートや鉄筋などの規格品については材料強度、断面諸元が登録されています。登録されたデータを追加したり削除したり編集する場合は、「基準値」の設計用設定値のメニューを開き、構造計算と安定計算それぞれ所要の項目をユーザーが操作することができます。また、同じ「基準値」の中に部材の登録メニューが用意されているので、必要に応じてハニカムボックスやパネルを新規に加えることができます。
     3Dビューなど図化機能が充実しているため、画面表示で確認しながら、部材の選択や配置が可能です。また、ハニカムボックスの選択や平面配置の基本データおよび地層データに入力している画面で、モデルを確認をし入力している内容を画面表示することが可能です(図4)。
    ▲図4 メイン画面

●結果の確認、計算書作成
  • 計算の結果は、「計算確認」の画面においてフレーム解析結果、安定計算結果、断面照査結果に分けて一覧にして画面表示し、色分けによって判定が明確となっています。また、「計算書作成」により、設計条件や計算の経緯などの詳細を確認し、メニューにより選択して出力することができます。


●おわりに 
  • 以上、ハニカムボックスの設計計算について紹介させていただきました。今後もユーザ様からのご要望を取り入れ、改良・改善を加えてまいります。


■ハニカムボックスの設計計算 リリース日:2010年2月22日
(Up&Coming '10 新緑の号掲載)
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