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オーストラリアの本土の南方海上に位置するタスマニア島にあるタスマニア海事博物館では、タスマニアに各所に残る歴史的な舟艇の記録を残す目的で、船のサーベイを綿密に行ない、そのデータに基づき、Maxsurfを使った3Dサーフェイスモデリングを行なうプロジェクトを進めています(図1,2,3)。
Maxsurfの開発元であるFormation Design Systemsは、このプロジェクトの核となる3Dモデリングを担当しており、今までに10隻を越える歴史的な船のデジタル化を行なってきました。デジタル復原された船は、Maxsurfのサンプルデザインとして、Maxsurfユーザーに公開されることになります。
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■図1 サーベイ用機器を使って、
船の形状を計測してるボランティア |
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■図2 デジタル計測の後、
CADにより描かれたエンタープライズ |
近々リリースされるバージョンには、ストックホルム合意に基づく甲板海水保持要件が部分的に適用されることとなります。現時点でこの解析は、大角度復原性のみでの適用ですが、将来的にKG制限およびKN解析にて解析が可能となる予定です(図4)。
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■図4 甲板海水保持の影響によるGZの変化 |
甲板上に打ち込んだ海水の影響は、Hydromax内で次のような手順で検証されます。
1.一連のヒール角に関して、船舶はロードケースの排水量にバランスされ計算されます。
喫水線より下のハルの損傷は、非浮力と見なされます。ユーザーは船舶がフリートリムの状態か、一定トリムの状態かを決めることができます。
2.各ヒール角では、船舶のバランスは甲板上の海水の影響を考慮せず計算されます。そのヒール角の最少フリーボードが得られたら、海水がたまる甲板区画としてユーザーが特定した場所の海水高さとして使われます。
3.次に、甲板に保持された海水の質量と重心が計算されます。この段階では、船体質量対船体浮力もしくはCG対CBのバランスの再計算は行なわれません。甲板保持海水の影響を考慮した新CG*が、保持海水の質量と重心位置を使って計算されます。
4.さらに、新CG*による復原レバー、新GZ*、がオリジナルのGZを調整する形で計算されます。
5.新たなGM*も同様に計算されます。
Hydromaxでは、甲板海水保持の影響を考慮してCG、GZ、GMのみが新たに求められます。
排水量やその他のハイドロスタティックパラメーターは再計算されず、船の喫水やトリムの変化も求めません。
甲板海水保持の影響は、プレジャーボートから大型商船、旅客船まで、その安全性を検証する意味で非常に重要なパラメーターになりつつあります。Hydromaxがいち早くその解析を取り入れたことは、造船業界への新しいツールの提供として大きな意味を持つことになるでしょう。 |
Maxsurfセミナー
●日時 : 2011年11月30日(水) 9:30〜16:30 ●参加費 : \15,000 (1名様・税込 \15,750)
●本会場 : フォーラムエイト東京本社 GTタワーセミナールーム TV会議システムにて東京・大阪・名古屋・福岡・仙台にて同時開催 |
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(Up&Coming '11 秋の号掲載) |
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