マルチハル抵抗推進予測の演習 MaxsurfはNURBS(Non-Uniform Rational B-Spline)を使って自由曲面を定義するサーフェイスモデラーですから、船型によるモデリングの制限はありません。それが多胴船でも同じで、サーフェイスの数が増え曲面が複雑になるとは言え、モデリングから性能評価、そして構造設計までの一連のデザイン過程をMaxsurfプラットフォーム上で実行できることに変わりはないのです。
Maxsurfが生まれたオーストラリアは、アルミの双胴船、最近では3胴船の建造が世界的に有名ですが、豪国内の造船所や設計事務所のほとんどがMaxsurfを使っており、このことがMaxsurfはアルミ高速船に特化した、もしくは適したソフトウェアであると言う間違った認識を一部で生んでしまったことにつながってもいるのも事実です。
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■図1 Maxsurfによる双胴船モデルのレンダリングイメージ |
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船舶設計の過程における性能評価は非常に重要な仕事の一つですが、いろいろな性能評価の中でも、抵抗推進予測は、その船舶が実際にどれくらいの速力で運航できるのかを推定するものですので、言うなれば、船舶の価値を決めるパラメータの一つと言う意味で、商船でもプレジャーボートでも、できる限り正確なものが求められます。
Maxsurfでは、この抵抗推進予測を行うモジュールとして、Maxsurf Resistanceを用意しています。これは抵抗予測プログラムと一般的に呼ばれるもので、複数の回帰分析型の手法と一つの解析型手法が用いられます。Maxsurf Resistanceで使われる解析型手法は、細長体理論に基づくもので、多胴船を含む多くの異なる船型に対応できます。
以下に、Maxsurfによる双胴船のモデリングから抵抗推進予測の流れを紹介しましょう。 |
このモデル(図1、図2)を、Maxsurf Resistanceに読み込むと、Maxsurf Resistanceが船体の形状を計測し、パラメータが表示されます(図3)。
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■図3 同モデルをMaxsurf Resistanceに読み込んだ状態 |
プログラム内に用意された複数の解析手法から、船型に合ったものを選択します。双胴船の場合はSlender Body(細長体)を選ぶことになります。解析の速力範囲や効率を設定すると解析の準備が整い、解析スタートを選択すると計算が行われます(図4)。
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■図4 計算結果
1.フルード数に対する馬力(KW)
2.造波抵抗
3.粘性抵抗 |
さらに、Maxsurf Resistanceでは、船舶の航走波をフリーサーフェイス波形として計算することができます。
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■図5 フリーサーフェイスの計算結果をレンダリング表示 |
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開発元:Bentley Systems(Formation Design SystemsはBentley Systemsに吸収合併)
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